偏差値の高い高校では倍率も高くなる

保護者

高校入試の倍率ですが、人気の高い高校ではどのくらいの倍率になるものなんですか?

教室長

ざっと平成27年度のデータを挙げてみましょう。東京都の私立高校で倍率トップは、男子校が桐朋高校(普)で 7.02倍、女子校が豊島岡女子学園(普)で9.89倍でした。共学校では、朋優学院(普)国公立コースがなんと55.60倍となっています。東京都立高校の一般入試(全日制普通科)では男子は秋留台高校の2.26倍、女子は広尾高校の2.62倍が倍率トップですね。

保護者

そんなに!? すごい競争率ですね。

教室長

都立の秋留台高校は中学までに能力を十分発揮できなかった生徒さんを支援する「エンカレッジスクール」で、特色のあるカリキュラムや授業を行っているので人気が高いんです。広尾高校は立地に優れていて通学しやすいことや、近年、生活指導や学習指導で成果を挙げていることなどが人気の理由のようです。

保護者

他の県でも同じようなものですか?

教室長

埼玉県では市立浦和高校(普通科)が1.90倍。千葉県(前期選抜)では、第1学区で千葉高校が3.27倍、第2学区で船橋高校(普)が3.38倍。神奈川県では川和高校が2.23倍。偏差値が高い学校、いわゆる進学校になるほど、倍率は高くなる傾向が強いですね。

保護者

うちの子、合格できるのか心配になってきました…。

過去の実績から今年の傾向を読もう

保護者

今年の倍率を予測することってできますか?

教室長

過去の倍率の推移を見れば、ある程度の予測は立てられます。ここ何年も高倍率が続いている学校が、急に人気がなくなるというのは考えづらいでしょう。ここ最近倍率を上げている学校は、今年も引き続き上昇する可能性が高いと考えられます。ただし、高倍率と低倍率を交互に繰り返す「隔年現象」が起きることもありますので、一概には言えません。

保護者

どうして「隔年現象」が起きるんですか?

教室長

大きな理由としては、前年に倍率が低かったので今年も倍率が低いだろうと読み、反動で出願者が殺到することがあります。そういう意味では、前年に倍率が高いところは反動で低くなる可能性があるので狙い目という見方もできます。

保護者

なるほど。単に倍率といっても奥が深いんですね。

教室長

平成29年度から全国的に入試制度変更を実施する高校が急増しています。変更内容によって大きく倍率が変動することもあります。たとえば、内申に自信のあるお子さんは難度の高い高校にチャレンジするといったことも出てきますし、そうでないお子さんは安全志向を高めてくるといった可能性もあります。ちなみに、女子の場合は「制服が新しくなった」などの要素で人気が高まることもあるんですよ。

保護者

その気持ちわかります! 女子にとっては制服のかわいらしさは重要ですものね。

教室長

ははは。高校の倍率はさまざまな要素が影響し合って揺れ動きます。志望校や受験する可能性のある高校について、最新の情報を集めることが大事です。

保護者

ありがとうございます。志望校選びの参考にします。