「小論文」というと難しいイメージがあり、一部の大学入試で必要なだけという印象をお持ちの保護者の方も多いかもしれません。しかし最近では、高校入試においても小論文対策が必要になってきています。今回は、中学生の小論文対策についてご紹介しましょう。
目次
高校入試における小論文って?
保護者
娘の高校受験のことが気になって、いまどきの高校入試事情を調べてみたんです。そうしたら、高校入試でも小論文を書かなくちゃいけないんですね!驚きました。
保護者
そうなのね。小論文だなんてなんだか難しそう。中学生でも書けるのかしら。
教室長
最近ではただ問題が解けるというだけではなく、自分の意見を適切に表現できるかどうかを見極めるために、作文や小論文を入試に課すようですよ。
保護者
そういった話、聞いたことがあるわ。確か都立高校の推薦入試にも小論文が必要だったわよね?
教室長
ええ。都立高校の推薦入試における当日の課題では、面接や集団討論のほか、作文(小論文)もメインです。推薦入試だけでなく、高校によっては一般入試の「国語」の試験問題において作文や小論文が出題されることもあるので、合否を分ける重要な役割を果たしていると言ってもいいかもしれません。
小論文のテーマと書き方のコツは?
保護者
そんなに重要なんですね。作文なら小学生のころから書いているけど、小論文となると難しそう。そもそも、この2つの違いってなにかしら?
教室長
作文は、自分の気持ちや体験を素直に書くものですよね。一方で小論文は、自分の気持ちや感情ではなく、他人を説得するための「論理的な意見」を「明確な理由」と「根拠」をもとに書くものです。
保護者
なるほど。高校入試では、書く内容やテーマって決まっているんですか?
教室長
内容やテーマは入試当日にならないとわかりませんが、たとえば都立入試であれば出題傾向の強いテーマは4つあると言われています。1つ目は中学校生活を振り返っていちばんがんばったことや、その経験からなにを学んだかなど「いままで」のこと。2つ目は将来の夢や、その実現のためにどんな高校生活を送りたいかなど「これから」のことですね。
保護者
その2つなら書きやすそうですね。
教室長
3つ目は社会・時事問題を題材に自分の考えを述べるタイプですね。そして4つ目に「 “百聞は一見にしかず”について、体験をもとに説明せよ」 など、言葉やことわざについて考えさせるような出題もあるそうですよ。ただしこれらはあくまで傾向ですし、学校によって毎年さまざまなテーマが出題されるので、予想することは難しいと言えます。
保護者
社会・時事問題について書くとなると文章の構成のやり方も大切になってきそうね。
教室長
おっしゃるとおりです。そういう場合は3部構成で書いてみるとまとめやすいですよ。
保護者
3部構成?
教室長
「序論」「本論」「結論」といった3つのパートに分けて考える方法です。まず序論では、本論への導入文と同時に、結論で伝えたい内容を簡潔に書いておきます。そうすることで全体としてなにが言いたいか読み手にしっかりと伝えます。次に本論では、自分の言いたいことについての理由や根拠を、具体例などを用いて詳しく述べます。そして最後に結論として、もう一度伝えたい内容を書きましょう。
保護者
その構成が頭に入っていると、自分の意見も整理できそうですね。
教室長
普段からできる小論文対策!
保護者
まだ娘は中学1年生だけど、いまの話を聞いていたら小論文対策は早めにしておいたほうがいい気がしてきました!教室長、普段からできる小論文対策ってなにかありますか?
教室長
そうですね、まずは論文形式の文章に読み慣れておくことから始めるのはどうでしょうか。中学生向けの新書などは内容もわかりやすくていいと思いますよ。読み慣れていくと、論文に必要な構成や言い回しが頭に入り、スムーズに文章が書けるようになります。
保護者
新聞やテレビのニュースについて、保護者と話し合ってみるのも効果的だと思うわ。興味のあるテーマについて話し合うことは、お子さんにとって自分の意見を述べる練習にもなるんじゃないかしら。教室長がおっしゃったように、新聞を読むこと自体が論文形式の文章に慣れることにもつながるしね。
保護者
それならすぐにでもできそうですね!
教室長
実際に受験を意識するようになったら志望校の過去問や、作文・小論文対策用の参考書に取り組むのもいいでしょう。過去問と同じテーマが出題される可能性は低いですが、出題傾向を知ることができますし、文章を書く練習になりますよ。
保護者
書いた文章は学校や塾の先生に見てもらえるのが理想的よね。それが難しい場合は、保護者が読んで意見を言ってあげるのもいいと思うわ。
保護者
確かに文章ってただ書く練習をするだけではなく、ほかの人に的確な意見をもらうと上達しやすいですよね。
教室長
個別指導塾では小論文対策をしてくれる塾もありますよ。先生との距離が近いため、お子さんも小論文の書き方や内容の添削といったことも含めて相談しやすいのが特徴です。そういった個別指導塾を活用するのも作文や小論文が上達する近道かもしれませんね。
保護者
塾でも小論文を教えてもらえるんですね!頼りがいがありそう!
教室長
論理的な文章が書けることは、大学入試や大学でのレポート作成、そして社会に出てからも役立つスキルです。いまのうちからじっくりと身につけていきたいですね。
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