英検や漢検で一定以上の級を持っていると、入試優遇制度を受けられる高校もあるため、中学生でも受験できる資格や検定に興味を持つ方も多いようです。中学生に人気の資格や検定と、そのメリットについて考えてみましょう。
目次
高校入試で有利になる検定にはどんなものがあるの?
保護者
うちの子のクラスに「高校入試で有利になるから英検3級を取りたい」というお子さんが何人かいるみたいなんです。英検以外にも、高校入試で役に立つ資格や検定があれば教えていただけませんか?
教室長
中学生がよく受ける検定で有名なのは、英検(実用英語技能検定)、漢検(日本漢字能力検定)、数検(実用数学技能検定)の3つでしょうか。
入試の際に持っている資格・検定によって優遇制度がある高校もあるので、英検を受けておこうという生徒さんも多いです。
保護者
具体的に、優遇制度とはどんなものなんでしょうか?
教室長
入試の際の優遇制度は大きく分けて2つあります。1つは「英検〇級以上で〇点加算」と点数化して内申点や試験の点数に加算するパターン。もう1つは、調査書などの出願資料に記載されていれば「評価の参考にする」というパターンです。
保護者
なるほど。高校入試のために資格・検定を受けるなら、それぞれの何級くらいを取っておいたほうがいいという目安はありますか?
教室長
さきほど話に挙がった、英検、漢検、数検は中学卒業レベルとなる3級が目安です。高校によっては、高校在学レベルといわれる準2級を基準にしていることもあります。
保護者
いずれにしろ、学年相当以上の級に合格していることが目安と考えられるわね。
教室長
すべての高校入試で優遇されるわけではありませんし、同じ高校でも年度によって条件が変わる場合もあるので、志望校の応募要項などをよく確認しておいてください。推薦入試などで利用する場合は学校や塾の先生を通じて確認したほうがよいことも多いので、ぜひ相談してみてください。
保護者
高校受験のために急いで資格試験や検定を受けるというよりは、本格的な受験勉強が始まる前に準備するという気持ちでいたほうがよさそうですね。
教室長
おっしゃるとおりです。受験直前の中学3年の秋・冬に取得するのは避けて、中学3年の夏までに英検3級、漢検3級、数検3級のうち1つでも取っておけるといいですね。余裕を持って受験勉強に取り組めるようにしましょう。
日々の勉強に役立ちそうな検定いろいろ
保護者
なんだか資格や検定に興味が出てきました。英検や漢検は有名ですが、ほかにも中学生でも取得できる資格や検定はありますか?
教室長
基本的に、受験資格に年齢などの制限がない資格試験や検定なら、中学生でも受けることができます。直接受験にかかわるものでなくても、日々の勉強に役立ちそうな資格・検定もありますよ。
国語では漢検のほかにも文章検(文章読解・作成能力検定)や論理文章能力検定というものがあります。理科や社会が得意なお子さんなら、理検(理科検定/実用理科技能検定)、や歴史能力検定、旅行地理検定、地図地理検定、N検(ニュース時事能力検定)などもおすすめです。
中学校の授業でもパソコンを採り入れる動きが進んでいるので、パソコンの知識とスキルを問われるP検(ICTプロフィシエンシー検定)も、興味があるお子さんには向いているかもしれませんね。
保護者
うちの子のお友だちはそろばんを習っていて、珠算検定を定期的に受験しているそうです。
保護者
うちの子のお友だちは書道を習っていて毛筆書写検定を受けたと言っていたわ。
教室長
習い事の延長として資格試験や検定を受けるお子さんも多いかと思います。いろいろな資格・検定があるので、それぞれのお子さんの得意な教科や分野をより伸ばすきっかけとして資格試験や検定を検討してみてもいいでしょう。
得意分野や興味を広げるために検定を活用しよう!
保護者
資格や検定といえば、小学生のお子さんが気象予報士に合格したことが話題になったこともありましたね。
自分の興味のあることに没頭してすばらしい結果に結びついた、という感じでした。
教室長
以前あったのですが、時刻表検定という電車に興味があるお子さんに大人気の検定もありましたね。
被服や美容、ファッションが好きなお子さんには色彩検定、料理が好きなお子さんには家庭料理技能検定、サッカーに夢中なお子さんにはJFA(日本サッカー協会)の審判4級などの資格や検定も人気があります。
保護者
中学生には難しそうな資格・検定でも、お子さん1人ひとりの興味や個性を伸ばすという意味では、挑戦する価値がありそうですね。
保護者
得意分野や興味のあることを伸ばすために資格試験や検定に挑戦するのはよい経験になると思うわ。もちろん、中学生としての勉強をおろそかにしない範囲で挑戦することが大切ですね。
教室長
もちろん本末転倒になってしまってはいけませんが、目標を持って資格試験や検定に挑戦することは、お子さんの世界や視野を広げることにつながると思います。中学生や高校生のうちから学校の授業とは違う学びができるといいですね。さらに言えば、資格を取得しておしまいにするのではなく、資格を取得したのを弾みにして、さらに研鑽するようにできると申し分ないと思います。