新設!英検®の「準2級プラス」とは

準2級プラスは、2023年9月に開設が発表された、準2級と2級のあいだに位置する級です。

準2級合格者が2級に合格するまでに約2年近くかかっているので、準2級と2級のギャップを埋めて、学習者が無理なく次の級を目指せるように作られました。

なお、英検®準2級プラスが新しく開設されたことによって、他の級の出題範囲や出題形式が変更されることはありません。

英検®準2級プラスはいつから始まる?

英検®準2級プラスの試験が始まるのは、英検®(従来型)は2025年度第1回検定(2025年6月1日)から、英検®S-CBT(国内会場)は6月実施分からです。

受験申込の方法や受付時期などの詳細は、日本英語検定協会の公式ホームページで最新情報をチェックしましょう。

 

英検®準2級プラスの難易度はどのくらい?準2級・2級と比較

英検®準2級プラスの難易度がどのくらいか、気になる方も多いのではないでしょうか?結論から言うと、問題の形式は2級に似ていますが、難易度は準2級に近いことが予想されています。

ここからは、日本英語検定協会が公開しているサンプル問題をもとに、次の内容を準2級・2級と比較して見ていきましょう。

  • 準2級プラスの出題内容・語数の傾向
  • 準2級プラスの合格スコア

 

準2級プラスの出題内容・語数の傾向

まずは、準2級プラスの出題内容・語数の傾向についてお伝えしていきます。次の表では、サンプル問題から分析した準2級プラスの特徴を、準2級・2級と比較してまとめています。

 

準2級 準2級プラス 2級
制限時間 筆記:80分
リスニング:約25分
筆記:85分
リスニング:約25分
筆記:85分
リスニング:約24分
問題数 リーディング:29問
ライティング:2問
リスニング:30問
リーディング:31問
ライティング:2問
リスニング:30問
リーディング:31問
ライティング:2問
リスニング:30問
長文読解語数 200~300語 200~330語 240~360語
ライティング内容と語数 ・Eメール問題
(40~50語)
・意見展開
(50~60語)
要約問題
(25~35語)
・意見展開
(50~60語)
要約問題
(45~55語)
・意見展開
(80~100語)

リスニング
1問あたり
の聴解語数

30~70語 45~85語 50~85語
スピーキングのイラスト 2種類
①5人の登場人物の動作
②1コマの状況描写
1種類:
3コマ漫画の状況描写(セリフ2つ)
1種類:
3コマ漫画の状況描写(セリフ1つ)

日本英語検定協会HP内のサンプル問題例をもとに、東京個別指導学院が作成

 

一次試験(筆記試験)の筆記問題の制限時間は「85分」で、2級と同じです。リーディングの問題数は「31問」と、準2級よりも少し多く、2級と同じ数となっています。ライティングでは、2級でも登場する「要約問題」が出題されていますが、語数は25~35語と、45~55語の2級よりは易しく作られています。

二次試験(面接試験)では、用意された文章とそのテーマに関するイラストを見ながら、4つの質問に答える形式が採用されています。スピーキングで使われるイラストには、2級と同じ「3コマ漫画の状況描写」が含まれているため、問題内容の形式は「2級」に近いことが分かりますが、難易度は「準2級」の方に近い傾向にあります。

英検®では、英語を含む言語の学習レベルをA1~C1の6段階で評価する世界共通の基準「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」をもとに、英語力のレベルを示しています。実際に、準2級プラスのサンプル問題の大問1に出てくる「短文穴埋め問題」では、CEFRの6段階のレベルのうち、「上級レベル(B1、B2)」の単語が22個、「基礎レベル(A1、A2)」の単語が16個使われています。

準2級・2級と比較してみると、上級レベルの単語数は準2級が「20個」、2級が「27個」であることから、準2級プラスの英語力のレベルは、準2級の方に近いことが分かります。

 

準2級プラスの合格スコア

次に、準2級プラスの合格スコアについて見ていきましょう。

英検®では、すべての級で英語力を同じ基準で測れるように「英検CSEスコア」という点数システムを取り入れています。これは、世界基準の言語レベルの「CEFR」にも対応しているものです。

準2級プラスに合格するために必要とされるCSEスコアの基準は、「1,829」です。具体的に、一次試験(リーディング、リスニング、ライティング)で「1,402」、二次試験(スピーキング)で「427」を獲得する必要があります。

次の図は、準2級プラス、準2級、2級のそれぞれで取得できるCSEスコアと、合格基準スコアをまとめたものです。

上の図の通り、準2級プラスを受験して得られる最大の英検®CSEスコアは「2,500」です。しかし、CEFRは「A2(基礎段階の言語使用者)」判定が準2級プラスの上限となるため、たとえ準2級プラスで英検®CSEスコアが「1,950」を超えたとしても、実際のところは「1949」として扱われます。この上限は、準2級と同じです。

このような合格基準スコアやCEFRの上限から見ても、準2級プラスの難易度は「準2級」の方に近いと考えられます。

 

準2級プラスの登場で、これからの入試はどう変わる?

ここ数年では、英検®を大学入試に利用できる大学も増えていますが、今回新設された準2級プラスは、大学入試や高校・中学入試にどのような影響を与えるのでしょうか?

ここでは、大学入試と高校入試・中学入試への影響として予想されていることを解説していきます。英検®を入試に活用したい方は、ぜひチェックしてみてください

 

大学入試への影響(予想)

2025年2月時点で、まだ各大学からの正式な発表はありませんが、地元私立大学の総合型選抜や学校推薦型選抜では、準2級プラスが加点の対象として追加される可能性があると予想されています。

とくに、現在準2級を加点の対象としている大学の場合は、準2級よりも準2級プラスの方がより高い加点を得られることが考えられます。そのような大学を受験する場合は、英検®準2級プラスを取得することも視野に入れておきましょう。

ただし、難関大学では多くの場合、出願条件が「準1級・2級以上」とされているため、その場合は準2級プラスではなく、2級や準1級の合格に向けた対策が必要になります。

現時点でまだ詳しいことは発表されていませんが、これから徐々に各大学の情報が公開されていくはずです。志望する大学の発表に応じて、対応していきましょう。

大学入試に向けた英検®対策については、次の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

【保存版】英検®対策は何から始める?早い対策で大学入試を有利に進めよう!

 

高校入試・中学入試への影響(予想)

高校入試では、今まで準2級を基準としていた学校が準2級プラスに変更したり、2級を基準にしていた学校が準2級プラスを加えたりすることが予想されます。そのため、既に準2級を持っている場合は、準2級プラスの取得も検討してみるのがおすすめです。

一方、中学入試では、中学校間で求められる英語力に大きな差があるため、準2級プラスによる影響が生じる中学校は少ないと予想されます。しかし、中学校によっては、より上の級で合格しておくと、入試で有利になる可能性があります。

各学校の最新の情報は、学校説明会やホームページなどで、定期的にチェックしておきましょう。

 

英検®準2級プラスは「志望校」によって受験するかを判断しよう

英検®準2級プラスを取得することで、大学入試や高校入試で有利になる可能性があります。ただし、志望校によって重要度は変わってくるため、受験するかどうかは、志望校や学習状況によって総合的に判断することが大切です。

さらに、大学入試・高校入試・中学入試とも、学校が求める条件が「級の合格」「英検®CSEスコア」「受験級と英検®CSEスコア」などと異なります。先に触れたように、CEFRで評価する学校の場合は、英検®準2級も準2級プラスも上限は「A2」なので違いはありません。一方、英検®CSEスコアで評価する学校の場合は、必要スコアによっては英検®2級よりも英検®準2級プラスの方がとりやすいケースも出てきます。

また、級の合格で評価する学校の場合は、準2級合格より準2級プラス合格しておいた方が有利になることもあります。
このように、志望校によって英検®のどの級を受けて、どう活用すると有利なのかが変わってきます。

「教科別の受験対策だけでも手が回らないのに、どうやって英検の対策をしていけばいいの?」「いつ、どの級からどんな目標を受ければいいの?」「志望校の最新情報や傾向を一人で掴むのは大変……」という方は、志望校に合わせた英語資格検定対策をしてくれる、東京個別・関西個別もぜひご検討ください。

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