大学入試には「AO入試」という受験方式があります。オープンキャンパスや学校説明会などの機会に耳にした方も多いのではないでしょうか。AO入試とは「アドミッションズ・オフィス入試」の略称で、多少複雑な制度ですが、知っておいて損はない情報です。今のうちから正しく知っておき、将来の進学を考える際に役立てましょう。
※2017年時点の情報です。現在AO入試は、総合型選抜入試となっています。
※総合型選抜の概要や対策については、こちらの記事をご覧ください。
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目次
AO入試は学校が求める学生像にふさわしいかが決め手!
保護者
ねえ、AO入試って知ってる?
保護者
確か新しい大学入試の制度でしたよね。私の知り合いでもAO入試を受けたって話を聞いたことがあります。
教室長
「アドミッションズ・オフィス入試」ですね。学校側が入学時に求めている学生像(アドミッション・ポリシー)を基準に合否を決めるという入試方式です。Admissions Office(入試事務室・入試管理局)という入試のための専門組織で入試を運営していくのでこの名前がついています。もともとアメリカの大学では一般的に見られる入試制度なのですが、日本に入ってきたというわけです。
保護者
そうそう。なんだか特殊な入試だったなと思って。最近、AO入試はかなり増えてきているって聞いたんですよね。
教室長
そうですね。大学だけでなく、専門学校などでもAO入試を採用するところが出てきて、すっかり定着しました。
保護者
でも、ざっと聞いただけだとよくわかりませんね。具体的にはどのようなことをするのでしょうか。
教室長
それは難しい質問ですね。各大学で独自の組織をつくるので、入試の形態もさまざまなんですよ。面接をしたり、論文を出したり、それらを組み合わせたりします。
保護者
一般の入試とはずいぶん違いますね。学科試験はないんですか?
教室長
学科試験を課す場合もありますよ。ただし大学の模擬授業を聴いて、その理解度が問われるなど、一般的な学科試験とはイメージが違うものが多いです。
AO入試は推薦入試と何が違うの?
保護者
大学の求める学生像に合う人を面接や論作文などで選ぶって、推薦入試とは違うんですか?
教室長
自己推薦と近い、あるいはほとんど同じ場合もありますが、指定校推薦や一般(公募)推薦とはだいぶ異なりますね。まずは大きな特徴として、学校長の推薦を必要としないことが挙げられるでしょう。
保護者
希望すれば誰でもAO入試を受けられるってことですか?
教室長
AO入試はオープンキャンパスに参加したことがあったり、これから専門的に学ぶ内容の知識が必要になったりするなど、一定の条件を設けていることはありますが、大学受験資格を有していれば基本的に門戸は開かれていると言えるでしょう。
保護者
なるほど。ほかにAO入試が通常の推薦入試と違うところはありますか?
教室長
高校時代の学業成績が重視される一般推薦に対して、AO入試は受験生の個性や適性、何よりその大学で学びたいという意欲が重視されるのが特徴ですね。
保護者
オープンキャンパスに出かけたり、やる気があったいすれば合格できるなんて楽なんじゃないですか?
教室長
そんなことはありませんよ。推薦は一度の面接や論作文で合否が決まることが多いですが、AO入試は面談を複数回行ったり、かなり専門的な内容で論文を出したりすることも多いですからね。
保護者
いろいろと大変そうね。
教室長
志望理由書や大学での学習計画書などを提出するケースもありますから、かなり具体的に学びたいことが決まっている人でなければ難しいこともあります。逆に言えば、「どうしてもこの大学で学びたい!」という人にチャレンジしてほしい入試方式ですね。
AO入試のスケジュールは?
保護者
思っていたよりもAO入試って難しいんですね。準備期間も長く必要そう…。
保護者
いつごろからAO入試の準備が必要なんですか?
教室長
AO入試は選考期間も長いので、そもそもエントリーシートや願書の受付が早いんですよ。願書自体は8月1日以降と決まっていますが、学校説明会やオープンキャンパスへの参加が出願要件に入っていることも多く、その意味では早い大学だと6月ごろから動きがあります。
保護者
6月ですか?それは早いですね。
教室長
学校説明会やオープンキャンパスは6~8月にあることが多いですからね。
保護者
ところで、AO入試のエントリーシートって何ですか?
教室長
必ずあるわけではありませんが、AO入試のなかには出願前の予備面接を設けている場合があります。詳しくはオープンキャンパスや学校説明会で聞いてみてください。特に私立大学では、出願前にエントリーシートを提出して予備面接を行うケースが多いですね。その場合は、予備面接後に出願可否が出るので、事実上出願前に内定が出る場合もあります。
保護者
予備面接で合格が決まるんですか?
教室長
そういう場合もありますね。何度も面接をしたり、口頭試問や学力検査を課したりすることもあり、すでに十分に見極めができたという判断が出されることもあるのです。
保護者
いずれにしても、AO入試の準備には時間がかかりそうですよね。入試日程も早そうだし。
教室長
そうですね。AO入試は大学によってスケジュールも選考方法も異なるので、早めにチェックして対策を立てることが大切です。準備にも時間と労力がかかるので、お気軽な入試として安易に考えると失敗します。
保護者
AO入試へのチャレンジを考えるなら、できるだけ早く対策を立てておかなければならないんですね。
教室長
そうですね。あともう1つ大切なのは、AO入試だけで合格する前提でいるのはかなりリスクが高いということです。AO入試だけでなくて、一般入試で通用する力を身につけておくのが鉄則です。
保護者
AO入試がダメなら一般入試で勝負しなきゃならないんですものね。
教室長
そうなのです。AO入試で合格するのは難しいのに、一般入試はAO入試に比べてやさしい場合もありますし、その逆もあります。ただでさえ時間がない大学受験生ですから、AO入試に時間と労力をかける価値があるかというシビアな見極めも必要です。このあたりはぜひ塾や予備校でしっかり情報収集することが大切です。いずれにしても、せっかくのAO入試だから楽しんでしまおう!くらいの気持ちで臨めると理想的ですね。
保護者
入試を楽しんでしまうだなんて、すごいですね。でもオープンキャンパスや学校説明会などに出かけているうちに、AO入試も楽しめてしまうくらい、その大学を好きになれるならすばらしいですね。
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