高い合格率と言われる指定校推薦。合格率が高いと言われれば、やはり指定校推薦を利用したいと思いますよね。とはいっても、指定校推薦とはどのようなものなのでしょうか。ここでは指定校推薦の実際について解説していきます。
目次
指定校推薦とは?
保護者
指定校推薦ってあるじゃないですか。あれって誰でも推薦してもらえるものなんですか?
保護者
推薦って言うくらいだし、さすがに誰でもってわけにはいかないんじゃないかしら。成績優秀とか、スポーツ優秀とか、そんなイメージじゃないかしら。
教室長
指定校推薦には評定や内申点などの条件もありますが、特別に優秀だったり、スポーツが全国大会レベルだったりしなくても、利用できる場合も多い推薦制度です。推薦にもいろいろな種類がありますが、指定校推薦は学校間での信頼関係によって成立している推薦入試ですね。
保護者
学校間での信頼関係ですか?
教室長
大学入試なら大学と高校との、高校入試なら高校と中学とのつながりで成り立っているんですよ。
保護者
この学校が推薦してくれる生徒だから安心みたいな感じですか?
教室長
簡単に言えばそうですね。学校間の信頼関係があるからこそ、推薦してもらえればかなりの確率で合格できます。
保護者
なるほど。推薦する側も学校の信用にかかわるから、問題のある生徒を推薦することはできない仕組みになっていて、だからこそ合格率は高いということなんですね。
教室長
とはいえ、試験がまったくないわけでもあありませんし、どの指定校推薦も合格率が同じというわけではありませんよ。また、推薦できる人数も学校から1人だけという場合もよくありますからね。
保護者
試験もあるんですね。どんな試験があるんですか?
教室長
面接や作文などが多いですね。
保護者
そのお子さんの人物を見たいということかしら。
教室長
きっとそうなのでしょうね。また、私立大学の推薦入試では、学力試験が課されることもあります。そうした学校は当日の得点によっては不合格になりますから、必ずしも合格できるとは限りません。
保護者
そうなんですね。指定校推薦はどれもほとんど合格できるんだと思っていました。
保護者
そのほかにも指定校推薦の特徴ってあるんですか?
教室長
大学の場合、多くの私立大学や公立大学で指定校推薦入試が行われていますし、高校や専門学校でも、指定校推薦枠のある学校は多いのですが、あくまで“指定校”ですから、指定の学校でなければ指定校推薦は利用できませんね。
保護者
実施している学校は多いけれど、あらかじめ指定校になっているところしか使えないということですね。
保護者
先ほどのマスターの説明にもあったように、学校によって推薦できる人数にも限りがあるし、中学や高校の中で推薦をもらえること自体が狭き門といったこともあるみたいね。
どうすれば指定校推薦してもらえるの?
保護者
選べる学校にも推薦してもらえる人数にも限りがあるのはわかったけれど、やっぱり合格率が高いのは魅力ですよね。どうすれば指定校推薦を利用できるのかしら?
教室長
まずは、行きたい学校と在籍している学校に指定校推薦枠があるかどうかを確認する必要がありますね。在籍している学校が行きたい学校の指定校になっていなければどうしようもありませんから。
保護者
行きたい学校への指定校推薦がある場合は、どうすればよいんですか?
教室長
推薦の条件には“評定平均○点以上”との規定があることが多いので、規定の評定平均をクリアしているかどうかが重要ですね。
保護者
評定平均ってなんですか?
教室長
学校の成績を5段階評価にしたときの平均点ですね。主要教科だけでなく、体育や芸術などの教科も含まれるのが一般的です。
保護者
成績って、3年生の評定ですか?
教室長
いえ、高校の場合だと、評定平均は1年次からの成績が含まれるのが普通です。
保護者
じゃあ、3年生になって急にがんばってもダメなんですね…。
保護者
指定校推薦を狙うのなら、1年生のうちからコツコツ勉強しておきなさいってことなのね。
教室長
そうですね。それと、評定平均が基準に達しているからと言って、まだ安心はできません。推薦できる人数は若干名ということが多いので、人気の高い学校を指定校推薦で目指すのであれば、さらに高い基準評定を目指したいところです。もっとも、必ずしも評定平均の高い順に推薦されるとは限らないんですよ。
保護者
そうなんですか?
教室長
評定平均がすべてではないためです。推薦される人は、在籍している学校で出願条件を満たしている人のなかから、さらに選考が行われて決まります。その際、部活動、生徒会活動、ボランティア活動など、学業以外の部分も選考に加味されるんですよ。
保護者
じゃあ、評定平均は既定値を超えていればよいってことになるのかしら?
教室長
制度的には間違っていませんが、評定の高い人のほうがやはり有利だといえますね。同じ学校に複数の希望者がいれば、単純に評定の高い人から順に指定校推薦枠を適用するケースも多いですよ。
保護者
結局、1年生のころから真面目にコツコツ勉強して、かつ勉強以外のこともがんばりましょうってことなんですね。
教室長
そもそも総合評価で優秀な人を推薦する制度ですからね。またもうひとつ気をつけたいのが、欠席日数です。
保護者
欠席日数ですか?
教室長
欠席日数にボーダーが設定されている場合もあるんですよ。
保護者
確かに、欠席が多いのは社会人でも信用に関わりますよね。
教室長
ほかにも細かい規定は学校によって異なります。指定校推薦を利用したいのなら、1年次から授業や定期テストを大切にして、一般選抜でも学校推薦型選抜・総合型選抜(旧AO入試)でも大丈夫なようにしておくことが大切ですよ。