センター試験とはどんな試験なのかを知ろう

保護者

高校生のお子さんはセンター試験でどれくらい取れるかとか、かなり気になるみたいね。センター試験ってよく聞くけど、国公立大学を受けるときに必要なものなんですよね。

保護者

私が受験した時代は国公立大学の入試に必要な試験というイメージでしたけど、今は私立でも入試にセンター試験を利用する大学が多いんですよね?私はセンター試験を受けなかったから、どんな試験なのか知っておきたいわ。

教室長

国公立大学の一般入試は基本的に一次試験と二次試験があり、2回のテスト結果を統合した成績で合否が判定されます。この一次試験にあたるのがセンター試験です。

保護者

入試にセンター試験を利用する私立大学はどのくらいあるんですか?

教室長

年々増えていて、2016年度入試では私立大学のおよそ9割で利用されています。大学受験を考えるとき、今や公立・私立を問わずセンター試験はとても重要なものになりました。

保護者

試験の内容はどんなものなんですか?

教室長

出題科目の6教科30科目から、国語以外は志望校の入試に必要な教科を選んで受験します。国公立大学ではだいたい5~8科目が必要になります。

保護者

センター試験は高校の勉強の基本的なことが出題されるんですよね?

教室長

センター試験の内容は高校の教科書を網羅し、受験する人の平均得点率が6割になるように作成されていますので、そのようなイメージをお持ちの方も多いと思います。

保護者

6割と聞くと簡単そうと思ってしまいますね。

教室長

そうですね。たとえば、中堅以上の国公立大学の合格の目安は得点率で7.5~8割。一部の超難関大や医学部などでは9割となる場合もあります。難関私立大学と言われる学校を受けるならば、目安として8割以上得点できる力を目指したいところです。

保護者

上位の大学を受験するなら8割を目指したいですね。

教室長

はい。特に国公立大学ではセンター試験よりも二次試験の配点が高い場合が多く、センター試験対策が後手になってしまうことがあるようですが、センター試験対策と二次試験対策は並行して行ったほうが安心だと思います。

保護者

センター試験で8割以上の得点をねらうなら、どんな対策をすればいいんでしょう?

教室長

まず志望校が決まったらセンター試験で必要な科目と、過去の合格者の得点を調べるのがセンター試験対策の第一歩だと思います。過去の得点は平均点や最低点が得点率で出されることが多いので、そこから自分が目標とする点数を設定します。

保護者

志望校の過去の平均点を調べるんですね。確かに目標点が明確なほうが学習の計画を立てやすそうです。

教室長

そのとおりです。1点だけ気をつけたいのは「数Ⅱ」の平均点です。「数Ⅱ」は時おり例年より難度が高い問題が出題される年があり受験生にとってもっとも得点の読みにくい科目と言われていて、目標点を決めるときにも注意が必要になるでしょう。

 

 

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センター試験で高得点をねらうなら対策はどんなことを、いつやるべき?

保護者

目標点が設定できたら、どんなことから学習を始めればいいんですか?

教室長

センター試験の出題の主な目的は「高校の基礎的な学力の達成度を判定すること」であり、難問・奇問は出題されないとされています。

保護者

高校の勉強の基本的なことができていれば大丈夫ということですね。

教室長

そうですね。ただし出題範囲が高校の教科書の全範囲となるため、高校の授業で苦手なところを残しておくと、致命的な失点につながりやすいです。ですから、センター試験対策の基本は「基礎力」をつけることとよく言われます。高校3年生の夏までには苦手な単元を残さないように、教科書の内容をしっかり復習しておきたいところです。

保護者

まずは「基礎力」ですね。2次試験の対策にもなりそうです。遅くとも高校3年生の夏までは高校の勉強の基本を見直すとして、次のステップはどうすればいいんでしょう?

教室長

高校3年生の2学期に入るころには演習中心の勉強にシフトしたいですね。センター試験独特の出題傾向に慣れるためにも、過去問や予想問題などにくり返し取り組みましょう。

保護者

センター試験の独特な点というのは、どんなことですか?

教室長

センター試験の特徴の1つにボリュームが多いことが挙げられます。英語や国語で長文の問題が複数出題されたり、数学では計算量が多かったりと、制限時間に対して問題の量や数が多いことが毎年多くの受験生を悩ませています。

保護者

演習で早く解く練習をすればいいのかしら?

教室長

それもありますが、時間配分を考える練習も大切になります。早く解けそうな問題をまず先に終わらせ、時間がかかりそうな問題を最後に回すといったテクニックが、センター試験では大切になるんですよ。

保護者

なるほど。ほかにも特徴はありますか?

教室長

マーク式の解答方法であることから正確な理解を問うため、正誤問題の選択肢には迷いやすいものがあえて並べられます。よく吟味しないと間違えやすいので、慣れていないと失点につながりやすいのです。

保護者

基礎力をつけたら、センター試験独特の出題形式に慣れるために演習問題にステップアップ、ですね。過去問を解くときに気をつけるポイントはありますか?

教室長

はい。過去問を解いたら見直しにも力を入れましょう。間違った箇所をチェックして、どんな分野や出題形式で間違いやすいのかを分析することが大切です。センター試験の模擬試験もぜひ活用してください。

保護者

センター試験の直前はどんな学習をすればいいでしょう?

教室長

試験直前の12月ごろには過去問などを、制限時間を測りながら解くなどのより実践的なトレーニングをしておきたいですね。マークシートの記入ミスを防ぐために、マークの位置を細かく見直す習慣をつけることも大切です。

保護者

苦手を1つ1つなくして基礎力をつけること、センター試験の出題傾向やマークシート方式の解答に慣れることが高得点をねらうポイントなんですね。センター試験では基本的なことが出題されるといっても、計画的に学習しないと対策が不十分になりそうですね。

教室長

そのとおりです。自分の苦手なところを分析したり、年単位で学習計画を立てたりするのはなかなか難しい部分もあるかもしれません。その点、個別指導塾は個々の分析や学習計画の提案など細かくケアしてくれるので、自習に限界を感じたら選択肢の1つに加えてみてもよいと思います。

今の中学生が大学入試を迎えるころ試験内容が大幅に変わる

保護者

そういえば、2019年度の大学入試を最後にセンター試験がなくなると話題になりましたね。

教室長

2016年3月に文部科学省が発表した、高大接続システム改革会議の最終報告(※)では、センター試験に代わるものとして、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を実施するとしています。

保護者

今のセンター試験とは何が違うんですか?

教室長

従来のセンター試験は「知識・技能」を問う出題が主でしたが、それに加えて新しい試験では「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するとされています。

保護者

特に英語が変わるそうですね?

教室長

はい、英語では「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」の四技能を評価することになる予定です。

保護者

タブレットを使うとも聞きました。

教室長

そうです。タブレット端末などのコンピューター上で試験を実施する「CBT(Computer-Based Testing)」の試行に向けての取り組みもされています。

保護者

大きな会場に集まって鉛筆の音を響かせる受験生の姿は、時代に沿って変わっていくんですね。

教室長

2021年春の大学入試は変化の始まりと言えるでしょう。

保護者

今の中学生たちが初めての「大学入学希望者学力評価テスト」の受験生になるんですね。

教室長

この改革はまだ検討の段階ですから変更される可能性もあります。大学受験に向けてあわてないように最新の情報には敏感でありたいですね。

(※)参考:高大接続システム改革会議「最終報告」の公表について:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/toushin/1369233.htm