1990年から実施されているセンター試験ですが、2020年1月の実施をもって廃止に。2017年度の中学3年生からはセンター試験に代わる新たな試験制度で、大学入試に臨むこととなります。今回は、現在のセンター試験事情について解説していきましょう。(※2017年時点の情報です)
目次
いまどきのセンター試験事情は?
保護者
いまどきのセンター試験は、国公立大学だけでなく、私立大学でも使えるのですね。うちの子が受験する頃には、現行の制度は廃止されて新形式のテストが導入されるとも聞くし、いまから気になってしまうわ。
教室長
おっしゃるとおり、2019年度入試、つまり2020年1月がセンター試験の最終実施となります。現在、新形式のテストを導入する改革が進められているわけですが、まずは現行のセンター試験についてお話ししたいと思います。いまではすべての国公立大学に加え、8割の私立大学がセンター試験入試を取り入れているんですよ。
保護者
そんなにたくさんの私立大学がセンター試験を取り入れているのね!もうかなり主流になっているんですね。
保護者
毎年雪が降るなど寒い時期に実施されるイメージですけど、センター試験は例年いつ頃に実施されるんでしたっけ。
教室長
現在は毎年1月中旬の土・日曜の2日間に全国で一斉に実施されるんですよ。例年50万人以上が受験する日本最大規模の試験とも言えるでしょう。
保護者
本当にそうね。実施する試験科目もかなり多いんですよね。
教室長
国語、外国語、数学、理科、地理歴史、公民の6教科30科目で構成されていますね。このなかから、最大8科目(理科で「理科①」を選択した場合は最大9科目)を受験できる方式ですよ。
センター試験は何教科受けるの?
保護者
6教科30科目もあるとは知りませんでした。実際の受験生は何科目受けることが多いんですか?
教室長
通常は志望大学が指定する教科・科目を選択して受験しますね。
保護者
国公立志望の場合は国・数・英・理・社のように5教科まんべんなく受けるイメージがあるんですが、私立大学もセンター試験だと5教科受けなくてはいけないのでしょうか?
教室長
そんなことはありませんよ。ほとんどの私立大学が一般入試と同様の2~3教科の受験で出願が可能です。国公立大学の入試は、原則としてセンター試験と個別学力検査、つまり2次試験の総合点で合否を判定します。そのうちセンター試験では、多くの国公立大が5教科以上を課していますね。
保護者
志望校を私立大学と決めて学習している受験生は2~3教科にしぼって勉強していると思うので、その学習の延長でセンター試験も受けられるのはうれしいですね。
教室長
そうですね。ただ文系の人は文系科目だけでなく数学も、理系の人は理系科目だけでなく国語も受けておくといいと思います。仮に全国平均に達しない点数だったとしても、センター利用入試で試験後に出願できる大学が増えたり、国公立大学の後期日程などで、思わぬチャンスがあるかもしれません。
保護者
ちなみに、センター試験廃止後の新試験での科目はどうなる予定なんですか?
教室長
これまでの6教科30科目の枠にとらわれない問題も出題されると言われていますよ。「総合型」といわれる科目では、地理的な問題を数学の複雑な計算を使って解くような問題が出される可能性もあるそうです。
保護者
センター試験の出題傾向と難易度は?
保護者
センター試験ってどんな形式で出題されるんですか?記述式の問題があったり、小論文を書いたりすることもあるんでしょうか。
教室長
いいえ。現在のセンター試験は全科目マークシート式です。学校の試験などは筆答式が多かったと思うので、もしマークシート式に慣れていない受験生の場合は、事前に塾や学校が実施するマークシート形式の模擬試験を受けておくといいでしょう。慣れていないばかりに、マークミスをして点数を失ってはもったいないですからね。ただ、新形式テストでは受験生の思考力を問うために、一部では記述式の導入も検討されているそうです。
保護者
そうそう、マークミスなんてと思うかもしれないでしょう。でも緊張するとマークシートって思わぬミスをしてしまうこともあるのよ。うちの近所のお子さんがセンター試験本番で、うっかり1つずつずれたところにマークしてしまったことに気づいて、ヒヤッとしたことがあるそうよ。幸いすぐに気がついたからよかったみたいだけど、そんなことにならないように事前に慣れておくことって大切ね。あと、出題形式と言えば、確か英語はリスニングもあるって言っていたわね。
教室長
はい。現在は専用のICプレーヤーを使って30分間のリスニング問題を行いますね。開始時間が夕方のため、集中力と体力も調整しておきたいところです。以前はよく機器のトラブルもニュースになっていましたが、そういったトラブルも想定して落ち着いて受験できるといいでしょう。今後は「話す力」も重要視されるため、2020年度以降はスピーキングの導入も考えられますね。
保護者
あと気になるのが、2015年から理科の負担が増えたと聞きました。
教室長
文系で理科を選ぶ場合は、従来の1科目から「〇〇(地学・生物など)基礎」を2科目受けることになりましたね。理系で理科を選ぶ場合は、科目数は変わらないのですが、内容の深度が増して難しくなりました。
保護者
そうなんですね。その他の科目はどうなのかしら。全体としてセンター試験の問題はどのくらい難しいんですか?
教室長
基本的には教科書に掲載されていることをメインに出題されています。平均点は6割程度となるように作問されていますし、それほど難問・奇問が出題されることはありませんよ。高校の授業や教科書の内容を着実に身につけていれば解答できる問題とされています。ただし国語や英語では長文の読解問題がありますし、時おり全国平均点が5割を割るような難しい問題が出ることもあるようです。その他の科目でも工夫を凝らした問題が出ることも多いので、思考力やスピードは問われるかもしれませんね。
保護者
今日は気になっていたことがわかってよかったです。ありがとうございます。
教室長
いえいえ。中学生のうちから将来を見据え、センター試験の動向に注目するのは大切なことですよね。今後の動向も引き続きチェックしていきましょう。