多くの高校では、大学進学に向けて文系・理系どちらのコースに進むかを決める「文理選択」が行われます。文理選択は志望大学や将来にも関わる選択のため、慎重に考える必要があります。
高校に入学してから文理選択を決めるまでの期間は意外と短いため、「まだ高校に入学したばかりなのに、どうやって決めればいいの?」「迷ったときは何を基準に選べばいい?」などのお悩みをお持ちの高校生の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、文理選択の基本的な考え方から、後悔しないための選び方、迷ったときにどうしたらよいのかまでをご紹介します。
本記事では文理選択で悩む高校生に向けて、文理選択とは何かや文系・理系の違いなどもお伝えしています。すでに文理選択が何かは知っているという方は、文理選択を決めるときの基本的な考え方3つ以降をチェックしてみてくださいね。
目次
文理選択って何?
文理選択とは、「文系コース」と「理系コース」のどちらに進むかを決めることです。普通科高校の多く、とくに大学進学希望者が多い進学校で実施されています。
どちらのコースを選ぶかによって、学校で履修する教科や科目が変わります。そして、この選択は、大学入試で受験できる学部や入試方法にも影響を与えます。
文理選択は将来に大きく関わる選択であるため、長い目で見て、慎重に決める必要があるのです。
文系・理系の違いって?
文理選択の時期や決め方を見ていく前に、改めて文系・理系にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
文系コース・理系コースの基本的な違いとして、授業で重点的に学ぶ科目や各科目での学習度合いが異なってくることがあります。次の表をご覧ください。
コース | 内容 |
文系 | ・英語、国語、地理歴史、公民などの科目を重点的に履修する ・数学や理科の科目は基礎的な範囲に留まる場合が多い |
理系 | ・理数系の生物、化学、物理、数学などの科目の高度な範囲を学ぶ ・国語も履修するが、文系より基礎的な範囲の場合が多い |
文系に分類される主な教科として、国語、地理歴史、公民があり、文系コースではこれらの科目を重点的に履修していきます。
一方、理系では数学、生物、化学、物理など、理数系の科目のなかでも高度な範囲を学びつつ、国語も履修します。
なお、文系・理系問わず、英語に力を入れている学校は多いです。
文系と理系、どちらのコースに進むかを決めるにあたって、それぞれのコースで学ぶ内容を把握しておきましょう。
文系・理系はいつまでに決めたらいいの?
「文系コース」と「理系コース」のどちらに進むかは、いつまでに決める必要があるのでしょうか。
多くの高校では、高校1年生の10~12月に文理選択が行われます。そして高校2年生の4月になると、コースに分かれた授業がスタートします。ただし学校によっては、高校3年生からスタートする場合や、そもそも文理選択が行われない場合もあります。
高校2年生からスタートする場合は、まず、高校1年生の夏休み前後に希望の調査が行われ、三者面談などを経て、冬までには最終的な希望を聞かれることになるでしょう。
つまり、高校1年生の秋までに文理選択の決断ができる状態にするには、高校1年生の4月頃から「自分は文系・理系のどちらに進むのか」を考え始める必要があります。
文系・理系はこう決める!基本的な考え方3つ
文理選択が決まらない方や、どうしたらよいかわからないと悩んでいる方は、ぜひ一度個別指導塾の東京個別指導学院・関西個別指導学院にご相談ください。
「文理選択を決めるまで意外と時間がない……」「文系・理系はどうやって決めたらいいの?」など、不安に思う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、文理選択を決めるときの基本的な考え方として、主に次の3つのポイントをお伝えします。
- 興味・関心のある分野から考える
- 大学で勉強したいことから考える
- 将来なりたい職業から考える
これらのポイントは、学校でも指導される内容です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
興味・関心のある分野から考える
文理選択を決めるとき、まずは自分の好きなことや興味・関心のあることが何なのかを考えてみましょう。
自分が興味・関心のある分野のコースを選択することで、授業がより楽しくなり、学びを深めることが可能になります。
例えば、新しいテクノロジーや科学などに興味がある場合は「理系コース」を選択するのが良いでしょう。また、歴史や文化、社会の動きに興味がある場合は、「文系コース」を選ぶのも手段のひとつです。
大学で学びたいことから考える
高校1年生の段階では、まだ志望校が決まっていない方も多いかもしれません。しかし今の段階で、大学で学びたい分野がすでに決まっている場合は、その分野に合わせてコースを選ぶ方法も視野に入れましょう。
なぜなら、大学入試では学部によって入試科目が異なるからです。文系の学部なら文系コースの科目、理系の学部なら理系コースの科目が必要になるため、その科目を履修しておけると有利です。
なお、自分が大学で学びたい分野が文系・理系どっちに当てはまるのかわからない……という方は、次の表を一つの基準として参考にしてみてください※。
文系 | 文学部、語学部、法学部、経済学部、経営学部、社会学部、国際関係学部など |
理系 | 理学部、工学部、農学部、水産学部、医学部、薬学部など |
また現段階で気になっている大学のオープンキャンパスへ行き、学べる内容や、その学部・学科で学ぶのに必要な知識を調査してみるのも良いです。
その他オープンキャンパスへ行ったときにチェックした方が良いポイントについては、オープンキャンパスこれで攻略!~志望校を決めるための参加の仕方~で詳しくお伝えしているので、あわせてチェックしてみてください。
将来なりたい職業から考える
将来なりたい職業がなんとなく決まっている場合は、その職業に関連する分野から考える方法もあります。
例えば、営業職や企画職であれば経営などが学べる学部、弁護士であれば法学部などです。
開発職や技術職など専門性の高い職業に関連する分野は、理系の学部で学べます。
ただし、職業によっては「この学部で学べばその職業につける」ということがはっきり定まっていない場合もあります。大学のパンフレットやホームページ、また受験情報誌などで、その学部を卒業した先輩がどんな職業に進んでいるのかを調べてみましょう。
「数学が苦手だから文系」「とりあえず理系」はNG!後悔しない文理選択の選び方
なかには、「数学が苦手だから文系にしよう」「とりあえず理系にしておこう」などの理由で文理選択を決める方もいるかもしれません。
しかしこのような理由で文理選択をすると、自分の思い込みやなんとなくの理由で進路の幅を狭めてしまい、あとから後悔する可能性があります。
例えば、「数学は苦手だし、文系志望だから勉強する必要はないはず」と思い込んで文系を選んだ場合、入試に数学が必須な大学を志望できなくなるなど、選択肢の幅が狭くなってしまいます。
国公立大学では、文系の学部でも大学入学共通テストで数学の受験が必須の場合が多いです。また、ここ数年では、数学を必須とした入試を増やしている私立大学も目立っています。
志望大学の選択肢を増やすために、現段階で文系の学部を志望している場合でも、数学を「数Ⅱ,B,C」まで勉強しておいた方が良いです。
将来の可能性を広げるためにも、「苦手だから」といったネガティブな理由や「なんとなく」「とりあえず」という理由で文理選択をすることは避けましょう。
文理選択に迷ったら、社会で求められる力を重視して選ぶのも一つの手
高校1年生の段階では、自分がどんなことに興味があるのかよく分からない、大学で学びたいことや将来なりたい職業も決まっていない……という方も多いのではないでしょうか。
文理選択が決められない場合や判断に迷う場合は、これからの社会で求められる力を重視して文系・理系どちらのコースに進むかを決めるのも一つの方法です。
ここ最近では、パソコンやスマートフォンなどの「IT機器」の爆発的な普及や、AI、ビッグデータ、IoTなどが発展しています。技術の進歩により、新しいデジタル製品やサービス、システムがどんどん生まれ、新しい市場を作り出す「第四次産業革命」が進んでいます。
この背景から、現代の社会ではデジタルの分野以外でも、ビッグデータやAIなどの技術を使いこなす必要があります。つまり、文系・理系を問わず、すべての学生に情報科学や数学、統計学などの基礎知識が求められているのです。
将来のためにも数学の勉強を続けることは重要であり、文系に行ったからと言って数学の勉強が不要になるわけではありません。現時点での得意・不得意で文理選択を決めるのは避けましょう。
高校1年生なら、苦手意識のある科目も、自分のつまずきやすい単元や分からない内容までさかのぼって復習することで、克服できる可能性が十分にあります。
どうしてその科目が苦手なのか、なぜその単元でつまずいてしまうのか……を見つけ出して対策し、将来の選択肢の幅を広げておくことが大切です。
そうは言っても、苦手な科目でつまずく原因を特定し対策していくことは、自分の力だけでは難しい場合もあるでしょう。そんなときは、生徒一人ひとりの苦手分野やつまずきポイントを分析し、最適な学習プランを提案してくれる個別指導塾の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
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将来のために、後悔のない文理選択をしよう!
高校の文理選択は、大学入試や将来の仕事に影響を与える重要な決断です。自分が学びたいことや将来なりたい職業などから、文系・理系どちらのコースを選ぶかを決めましょう。
もし文系・理系がなかなか決められない場合、自分の興味のあることや将来やりたいことなどを見極めてくれ、最終的な目標にたどり着くまでにどんな選択をすれば良いのか、どの科目を重点的に学べば良いのか……といったことをアドバイスしてくれる「個別指導塾」を検討してみるのも一つの方法です。
個別指導塾の東京個別指導学院・関西個別指導学院では、生徒1人ひとりの興味のあることや将来やりたいことに合わせて、どの大学・学部を受験するかを一緒に考えて提案してくれます。将来なりたい職業が決まっていなくても、講師が一緒に将来のことを考えてくれるので、気軽に相談できます。
さらに、志望する大学・学部を受験するために必要な受験科目や、どの科目・入試方式を選べば大学入試で有利になるかなど、生徒一人ひとりに適した出願戦略も考えてくれます。
文理選択が決まらない方や、どうしたらよいかわからないと悩んでいる方は、ぜひ一度個別指導塾の東京個別指導学院・関西個別指導学院にご相談ください。
東京個別・関西個別では、生徒一人ひとりの苦手な分野やつまずきポイントに合わせて最適な学習プランをご提案します。 個別指導塾で苦手な分野を集中的に対策
苦手科目を効率的に克服していけるので、「将来なりたい職業は理系だけど、数学が苦手だから……」と迷っている方も、ぜひ一度、無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。