2025年度の大学入試から、新たな学習指導要領(新課程)に対応した大学入学共通テストなどが始まります。
前年までよりも変化の多い大学入試となるため、今までと同じ対策方法では通用しません。
2023年時点で高校2年生の方のなかには、「これからの大学入試は何が変わるの?」「どうやって対策したらいい?」など、不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、新しい大学入試の変更点をわかりやすくご紹介します。学習指導要領の変更ポイントや対策方法も解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
これからの大学入試は何が変わるの?
この数年で、傾向が変わってきている大学入試。
2025年度に大きく変わる部分も含めて、3つのポイントをおさえておきましょう。
- 2025年度から共通テストなどの内容が変わる
- 学校推薦型選抜・総合型選抜(旧AO入試)の入学者が増えている
- 英語外部検定利用試験(外検入試)のある大学が増えている
2025年度から共通テストなどの内容が変わる
学習指導要領の変更にともなって、2025年度から大学入学共通テストなどの内容が変わります。
学習指導要領は、文部科学省が定めている学校教育のカリキュラムです。変化する社会に必要な学習内容を反映するため、およそ10年に1度のペースで見直されています。
新たな学習指導要領(新課程)に対応した共通テストなどでは、思考力・判断力・表現力を求められる内容が出題されます。また、入試教科や科目、試験時間にも一部変更があります。
共通テストの変更内容は「高2生必見!2025年度新課程の大学入学共通テストの変更点&学習ポイント」で詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
ちなみに、国立大学の二次試験や私大入試など、共通テスト以外の入試でも新課程に対応した問題が出題されます。
学校推薦型選抜・総合型選抜(旧AO入試)の入学者が増えている
ここ数年で、学校推薦型選抜や総合型選抜(旧AO入試)を使った入学者が増えてきています。
とくに私立大では、学校推薦型・総合型選抜を利用する入学者が多いです。国立・公立大も私立大ほどではないものの、学校推薦型・総合型選抜の入学者が今まで以上に増えています。
2025年度の大学入試は、新たな学習指導要領(新課程)に対応する初めての年です。
過去問がなく、出題内容や難易度を予測しにくいため、一般選抜での受験を避けて学校推薦型・総合型選抜を志望する受験生が増える可能性があります。
志望校の受験機会を増やしたり合格率を上げたりするには、一般選抜だけでなく学校推薦型・総合型選抜も視野に入れて対策しましょう。
学校推薦型・総合型選抜の対策方法は、次の記事で詳しくご紹介しています。
【高1・2生必見】学校推薦型選抜とは?今から始めたい推薦入試対策
総合型選抜(旧AO入試)とは?合格に向けて今から始めたい4つの対策
英語外部検定利用試験(外検入試)のある大学が増えている
英語外部検定利用試験(外検入試)を利用する大学が、ここ数年で増えてきています。
外検入試は、英語資格検定の級・スコアを利用した入試方法です。英語資格検定の例として、英検®(実用英語技能検定)やTOEIC®、TOEFL iBT®、GTECなどがあります。
大学によって利用方法はさまざまですが、資格検定の取得を出願条件にしたり、級・スコアを大学入学共通テストの点数に換算(加算)したりするケースがあります。英語資格検定を持っていると、大学入試で有利になることがほとんどです。
ただし、外検入試を利用する多くの大学は、出願時から過去2年以内に取得した資格のみを有効としています。中3や高1の早すぎる時期に資格を取得すると、大学入試に活用できない可能性があるので、取得するタイミングには注意が必要です。
高1のうちからコツコツ勉強を始め、比較的時間のある高2のうちに取得しておきましょう。
まだ志望校が決まっておらず、どの資格検定を取得するか迷う場合は、ほとんどの大学が採用している英検®の取得がおすすめです。
英検®対策は、【保存版】英検®対策は何から始める?早い対策で大学入試を有利に進めよう!で詳しく解説しています。
大学入試の対策には「学校の授業」がより大切に!
ここまでご紹介してきたように、2025年度の大学入学共通テストなどから、新たな学習指導要領(新課程)の内容が大きく反映されます。
共通テストなどの問題は高校の授業で学ぶ内容がベースとなるので、日頃の学校の授業がとても大切です。
また、新課程を反映した共通テストは、過去問題がありません。志望校に合格するチャンスを広げるには、学校推薦型選抜・総合型選抜(AO入試)も視野に入れた対策ができると安心です。
学校推薦型・総合型選抜では学習成績の状況(評定平均値)が影響するので、より積極的に学校の授業に参加し、定期テストで良い成績をとることが重要になります。
しかし、旧課程のときと同じ勉強方法では、テストで良い成績をとることが難しいかもしれません。
今後のテストで良い成績をとるには学習指導要領がどう変わったかを知って、家庭学習の進め方や授業に参加する姿勢を見直していく必要があります。
「学習指導要領」はどのように変わった?
2022年度から、高校では新しい学習指導要領(新課程)が実施されました。では、今回の学習指導要領には、どんな変更点があるのでしょうか?
主な変更点は、次の3つです。
- 「思考力・判断力・表現力」が重視されるように
- 身につける知識・技能が増え「学習量」が大幅アップ
- 授業は今まで以上に「主体的・能動的」に参加することが大切に
ここでは、各変更内容と対策方法について、詳しくご説明します。
「思考力・判断力・表現力」が重視されるように
新たな学習指導要領(新課程)では、身につけた知識・技能を活かして課題を解決することなどが求められ、思考力・判断力・表現力が重視されています。
大学入学共通テストなどでも、思考力・判断力・表現力を問う問題が増える予定です。
これまでは、教科書の内容を丸暗記したり、テスト前に一夜漬けで勉強したりする方法でも、一時的にテストで高い点数をとれることがあったかもしれません。
しかし今後は、単に知識を暗記する「知識偏重型」の勉強方法では、テストで点数をとるのが難しくなります。
テスト直前から勉強し始めるのではなく、今まで以上に日頃の授業にしっかり参加することが大切です。基礎知識を定着させた上で、思考力・判断力・表現力を問う問題も解けるように対策しましょう。
定期テスト対策は【保存版】高校生の中間・期末テスト対策~成績アップできる勉強の仕方とは?でも、詳しくご紹介しています。
身につける知識・技能が増え「学習量」が大幅アップ
新たな学習指導要領(新課程)では、身につける知識・技能も大幅にアップしています。
例えば、英語では、自分の考えを伝える力(アウトプット)やコミュニケーション能力の向上のため、覚える単語数が大幅に増えています。新科目の「論理・表現」も追加されました。
【参考:文部科学省「外国語教育の抜本的強化のイメージ」】
ほかの教科・科目でも、新しい内容が追加されています。
新しい学習指導要領による、追加内容と目的
追加内容 | 目的 |
『現代の国語』 | 実験レポートの作成など、各教科における言語活動を充実させるために、言語能力を高める |
『理数探究』 『理数探究基礎』 数学での統計教育の充実 |
理数教育を通じて、日常生活で遭遇する問題を見つける取り組みや、計画的な観察や実験を行うことで、学習の質を高める |
「総合的な探究の時間」 『理数探究』『理数探究基礎』 |
小学校~中学校において一貫した学びを強化し、各教科を組み合わせて学ぶことを重視する |
『公共』 | 主権者教育や消費者教育、防災・安全教育などを充実させる |
『情報Ⅰ』 | コンピュータ等を活用した学習活動やプログラミング教育を充実させる |
これらのように学習量は大幅に増えたものの、授業時間が増えるわけではないため、学校の授業は「基礎知識」が身についていることを前提に進んでいきます。事前に基礎知識を理解しておかないと、学校の授業についていくことが難しくなるのです。
家庭学習で授業内容を予習して基礎知識を身につけておき、不明点は学校の授業で解決する「予習中心」の勉強方法に変えましょう。
予習によって授業内容の理解を深められると、定期テスト前は実際に問題を解く「演習」に時間を使うことが可能です。
演習機会を増やして問題に慣れることで、定期テストの点数アップだけでなく、模擬試験や大学入試の対策にもつながります。
定期テストで成績をアップする勉強方法は、【保存版】高校生の中間・期末テスト対策~成績アップできる勉強の仕方とは?も合わせてご覧ください。
授業は今まで以上に「主体的・能動的」に参加することが大切に
新たな学習指導要領(新課程)では、「主体的に学習に取り組む態度」が評価されるようになりました。
言われたことだけをやる「受け身」な姿勢ではなく、課題解決に向けて自ら考え、積極的に行動する姿勢が求められています。
そのため、学校の授業も先生が一方的に教えるのではなく、生徒が主体的・能動的に参加する形式に変わりつつあります。
実際の授業で取り入れられているのが、正解のない課題に対し、自ら答えを考え実行する「アクティブ・ラーニング」と言う学習手法です。議題に対してディスカッションをしたり、グループで調査した結果をまとめて発表したり……などの内容が行われています。
とは言っても、自ら答えを考えたり意見を発信したりすることは、基礎的な知識・技能が身についていないと難しいですよね……。
先ほどご紹介したように、授業の前に予習を中心とした自己学習を行い、必要な知識・技能を身につけた上で積極的に参加しましょう。
勉強だけでなく「入試情報」にもアンテナを張ろう!
大きな変化がある2025年度の大学入試。共通テストの情報は発表されていますが、現段階では出題教科・科目が未発表の大学もあるなど、これまでよりも入試の傾向が掴みづらい状況です。
勉強だけでなく入試情報にもアンテナを張り、新しい情報を見逃さないようにしましょう。
まだ志望校が決まっていなくても、気になる大学のホームページをこまめにチェックするなど、情報収集してくださいね。
1人ひとりに合った大学入試対策で、効率よく合格を目指そう
この記事では、2025年度にかけての大学入試の変更点とその対策をご紹介しました。
2025年度の大学入試は、新学習指導要領(新課程)の内容が大きく反映されるなど、変化が大きいです。
学校推薦型選抜・総合型選抜(AO入試)も視野に入れる、英検®(実用英語技能検定)を取得する、気になる大学の入試情報をチェックする……など、さまざまな対策が必要になります。
なかには「何から対策したらいいかわからない…」「最新の入試情報って、どこから入手したらいいの?」と、不安に思う方もいるかもしれません。
そんなときは、大学受験に向けた勉強や情報収集をサポートしてくれる「個別指導塾」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?
東京個別指導学院・関西個別指導学院では、演習中心の学習を取り入れています。授業の中で、知識を覚えるだけでなく、問題を解く力も身につけることが可能です。
1人ひとり異なるつまずきポイントを洗い出し、最適な勉強方法をご提案するので、自分に必要な内容に絞って学習できますよ。
また、変化の多い入試情報の中から、あなたに必要な最新情報をピックアップします。自分にピッタリの対策方法で、志望校に効率良く合格したい方は、ぜひ一度検討してみてくださいね。
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