2023年度の共通テスト(数学)はどのように変わった?

 

共通テストの数学は年々平均点が変わっていますが、2023年度の試験では「数学Ⅰ,A」「数学Ⅱ,B」それぞれで、解答時間や問題のページ数、文字数などに変化がありました。

「数学Ⅰ,A」では、解答時間が60分から70分と長くなりましたが、その分問題のページ数も約1.5倍に増えており、2020年度は4,000字に満たなかった文字数は、2023年度には約6,000字と、大きく増えています。


 

「数学Ⅱ,B」は、解答時間(60分)に変更はないものの、ページ数が約1.9倍になり、文字数も約5,300字から6,500字へと大幅にアップしました。

こういった変更から、共通テストの数学では、今まで以上に早く・正確に問題を解くことが求められています。ただ計算できるだけでなく、問題文で何が問われているのかをすばやく読み取っていくことも必要です。

さらに、「数学Ⅰ,A」「数学Ⅱ,B」の両方で、問われる内容が大きく変わっている傾向にあります。

センター試験のときは、与えられた公式を計算して答えを導く……といった、基本的な知識・技能を問う問題が中心でした。しかし、共通テストでは「思考力・判断力・表現力」が重視されるため、長い問題文を読んで必要な情報を取り出し、状況を判断して、式を立てて解答するような問題が増えています。

共通テストの数学は、単に計算できたり公式を知っていたりするだけでは、対応が難しくなっているのです。

 

共通テスト(数学)に対応するには「パターン活用力」が必要に

 

センター試験と比べて、問題の問われ方が大きく変わっている共通テスト。これからの共通テストの数学に対応するには、どんな力を身につけたら良いのでしょうか?

共通テストの数学で重視される「思考力・判断力・表現力」を問う問題に対応するには、これまで通り基礎的な知識・技能を身につけた上で、「問題文の意味を読み取る力」や「複数の概念や解き方を組み合わせて解答する力」といった「パターン活用力」を身につける必要があります。

上の図は、共通テストの数学で必要な「4つの力」のイメージ図です。

まずは定理・定義・性質・公式などを理解し、利用できる状態にしておき、数学の問題を解く上での土台を作ります(①概念理解力)。

次に、①の概念理解力で習得した公式などを利用して、時間内に正確に計算する力(②計算力)を身につけます。そして、解き方のパターンを習得して問題を解くときに使えるようにする(③パターン認識力)ことで、最適な解き方や選択肢がすぐに頭に浮かび、解答時間を短縮できる状態を目指します。

共通テストにおいて、学力の土台となる「計算力」はセンター試験と同じくらい、もしくはそれ以上のレベルが求められます。共通テストの数学で出題される「計算問題」も、情報を読み取って、状況を判断する時間が長くなってきているので、早く正確に計算する力を身につけていくことが重要です。

 

また、解き方のパターンを習得しておけば、簡単な計算だけ、もしくは計算をしなくても解ける問題も出題されることがあります。共通テストの数学の試験問題は、センター試験よりもページ数が増えているため、問題を早く解けるようになるためにも「パターン認識力」を身につけておきましょう。

①~③の基礎的な知識・技能を身につけた上で、共通テストに対応するために必要になる力が④パターン活用力です。

共通テストの数学では、次のような「思考力・判断力・表現力」を重視する問題が増えています。

このように、問題文などを読んで式を立てるなど、具体的な事象を数学に結びつけて考える問題が出題されているのです。

「思考力・判断力・表現力」を問う問題に対応するには、次のような能力(=リテラシー)が必要になります。

数学で求められる能力(リテラシー)とは

  1. 問題文・図・グラフから「何が問われているのか」「何を表しているのか」など、出題の意図を読み取る
  2. 問題文・図・グラフなどの素材から、必要な情報を取り出して比較し、関連づけて整理する
  3. 自分なりに読み解いた内容を、知識や経験に結びつけて再構築する

 

では、これらの力を身につけるには、どのような対策を行えば良いのでしょうか?次で詳しく説明していきます。

 

共通テスト(数学)に向けてどうやって対策したらいいの?

共通テストの数学で求められる能力(=リテラシー)を身につけるには、大きく次の2つの対策が大切になります。

  • 「なぜその解き方・答えになるのか」を考えながら問題演習を行う
  • 見返せるノートを作り「つまずきポイント」を振り返る

 

それぞれの対策方法について、詳しく見ていきましょう。

 

「なぜその解き方・答えになるのか」を考えながら問題演習行う

これからの共通テストで求められる「パターン活用力」は、単に問題を解いて答え合わせをし、パターンを覚えてまた問題を解きなおす……というように「問題演習」を繰り返し行うだけでは身につきません。

問題演習を行うときは単に答えを書くだけでなく、次のように頭の中で解き方のプロセスや根拠を考えながら取り組むと良いです。


「この問題はどうやって解くのか」

「なぜ、その解き方が最適だと思うのか」
「この問題を解くために必要な情報は、問題文のどこから読み取れるのか」
「類似した身近な事象にはどんなものがあるのか」

お子さまが解き方のプロセスや根拠を考えながら問題を解くことで、解き方のパターンをより深く理解できたり、「問題文・図・グラフを読み、意味を理解する」「必要な情報を取り出し、比較・関連づけて整理する」「解釈した内容を知識・経験に結び付けて再構築する」といった、数学の共通テストに必要な能力(リテラシー)を身につけたりできます。

 

見返せるノートを作り「つまずきポイント」を振り返る

共通テストの数学で求められる能力(リテラシー)を身につけるには、問題演習に取り組んで終わり……ではなく、あとから見返せるノートを作成し、つまずきポイントをいつでも振り返れる状態にしておくことも大切です。

次の図のように、問題を解いて答え合わせをするときは、間違えた問題や解き方を考えるときにつまずいた問題の「解答の解説」を書き写してみるのも良いでしょう。

なお、見返せるノートを作る目的は、書き写すことではありません。お子さまが解いた問題を振り返りながら「なぜその解き方、答えになるのか」を確認し、どのように考えれば良いのかを記録することが大切です。

このように、分からなかった問題の解き方や考え方をノートに記入して後から振り返れるようにすることで、その問題をどう考えれば良かったのか、どこで自分は考え方を間違ったのか、なぜそう考えなければいけなかったのか……といったことを、より理解できるようになります。

 

また、お子さまが問題の解き方や考え方のポイントがどこにあるのかも一緒に記入できると、「問題を解くときに必要な情報がどこにあるのか」というリテラシーも身につけられるようになります。

解き方のポイントが分からない場合は、個別指導塾の検討も

家庭学習で問題演習や見返せるノートを作成する場合、「なぜ、その考え方になるのかがわからない」「解き方のポイントを考えてみたけど合っているか分からない」など、お子さまがつまずくケースもあるかもしれません。

そんな場合は、1対2までの個別指導で解き方のプロセスをしっかり確認できる、東京個別指導学院・関西個別指導学院の利用もご検討ください。

対話式の授業で、解き方や考え方のポイントを自発的に引き出せるような指導や、効果的なノートづくりのサポートなどを行っています。

お子さまに、共通テストの数学に向けて必要な能力(リテラシー)を効率良く身につけさせたい場合は、ぜひ下記のページより詳細をご確認ください。

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共通テストの数学では、これまでの「知識・技能」中心の出題から「思考力・判断力・表現力を問う問題」が重視されるようになり、センター試験と比べて、出題傾向が大きく変わりました。

思考力・判断力・表現力を重視する問題に対応するには、単元の概念や計算力、解き方のパターンなどの知識・技能は今まで通り身につけた上で、「問題の意図を読み取る力」「必要な情報を比較・関連づけて整理する力」「解釈した内容を知識・経験に結び付けて再構築する力」などの能力(リテラシー)も必要です。

しかし、お子さまがこれらの力を家庭学習だけで身につけるのは大変かもしれません。

個別指導塾の東京個別指導学院・関西個別指導学院では、個別指導の「対話形式」授業で解き方のプロセスを一緒に確認でき、解き方のパターンをお子さまに考えさせることで、リテラシーや複数の概念・解き方を組み合わせて問題を解く力を育成します。

また、共通テストの数学はセンター試験よりもページ数や字数が増えているため、問題を正しく解く力(学力)だけでなく、時間内に早く解く力や正確にマークする力(得点力)も必要です。

1人ひとりの学力や目標に合わせた対策で得点力をアップし、最短距離でお子さまの志望校合格を目指したい場合は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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