高校受験を目前にひかえた中学3年生の冬。最後のがんばりで、志望校合格を確実なものにしていきたいところです。冬期講習をうまく活用すれば、受験本番に向けて学力と得点力を効率的にアップさせることができます。
目次
受験直前は志望校合格に向けた二正面作戦を
保護者
冬というと受験シーズンですね。そのうち、うちの子も受験かと思うと今からドキドキしてきます。
保護者
あら、お子さんは中学1年生でしょ?まだ大丈夫よ。
保護者
そうは言っても油断はできません。早めの対策が大事だと、教室長も以前からおっしゃっていますし…。そうですよね、教室長?
教室長
はい。早いうちから情報のアンテナを立てておくのは、よい心がけだと思いますよ。
保護者
中学3年生の受験期は、どのように過ごすのがよいのでしょうか。受験勉強のポイントはありますか?
教室長
そうですね。受験勉強の仕上げの時期は二正面作戦で考えるとわかりやすいと思います。1つは着実に「苦手分野の学力アップ」を図ることです。高校入試の問題のうち、半分以上の受験生が正解できる問題があります。この水準の問題で誤答をくり返すようだと、他の受験生に差をつけられてしまうので、理解の浅い部分を埋めなければなりません。
保護者
そうね。入試には取りこぼしてはいけない問題があるとよく言うし、こうした部分をミスなく正確に解答するための練習は欠かせないわね。あともう1つは何ですか?
教室長
もう1つは「出題傾向に合わせた得点力アップ」です。公立や私立の難関校では、特に難度の高い問題が出題されることがあります。特殊な入試問題が課されない場合でも、数学の証明や融合問題、図形の発展問題は差のつきやすい問題と言えるでしょう。英語や国語の記述問題なども差のつくところです。こうした問題にも対応できる得点力をつけていくことも考えたいですね。
保護者
「志望校ごとの出題傾向に合わせた勉強」と言っても、どうすればいいのでしょうか。
教室長
最善の手段は中学3年の冬期講習の前後から、しっかりと過去問演習を深めていくことです。学校や都道府県ごとの出題傾向を踏まえて、「実践力を高める」ことが大事になってきます。過去問題集は、過去3年分は必ずやっておきましょう。過去の出題傾向から今年の出題を予想した「予想問題集」も出ていますので、余裕があれば解いておくとよいですね。
保護者
自分1人で受験勉強するのは難しそうですね。やはり冬期講習を受講したほうがいいでしょうか?
教室長
今通っている塾の冬期講習に参加するのは必須だと思います。塾に通っていないお子さんであっても、模試の判定がやや厳しく、過去問の点数も頭打ちといった状況であれば、なるべく早いうちにお近くの信頼できる個別指導塾などにご相談してみてください。過去問のどんな部分で伸び悩んでいるのか、出願作戦に無理はないかなど、受験のプロの意見が役に立つと思います。気持ちを「受験モード」に切り換えて、集中力を高めていくためにも、冬期講習は有効です。
10月から始まる冬期講習の受付
保護者
冬期講習の受付は、確か10月ごろから始まるんじゃなかったかしら?
教室長
おっしゃるとおりです。12月中旬から始まる冬期講習だけでは時間も限られているので、やはり11月からの受験本番までの対策を全体的に考えておきたいところです。その意味でも中学3年生の冬期講習の受付は10月から11月に行うのが一般的ですね。
保護者
中学3年生にとって、10月から12月にかけてはどんな時期なのですか?
教室長
都道府県によって一部異なるのですが、高校受験で使う内申点は10月から11月にかけて行われる学校のテストの点数で決まるのが一般的です。ここでしっかり実力を出し切り、納得いく結果を出しておくことが大切です。その後、12月の三者面談で出願する学校を決めていきます。
保護者
うちの子の時は三者面談で学校を決めたけど、本当にそれでよかったのか不安だったわ。
教室長
そこで頼りになるのが、冬期講習の打ち合わせの機会に行われる学習相談です。私のよく知っている個別指導塾では、模試の点数や内申点を使いながら高校受験をシミュレーションしていき、教科ごとにあと何点くらいアップする必要があるのかまで割り出してくれます。
保護者
なるほど!学校の三者面談に加えて、受験のプロの意見ももらえれば、より精度の高い出願作戦が立てられるというわけね。
教室長
ご明察ですね。冬期講習を10月中旬から予約するのは気が早い気もしますが、高校受験の情報が早くもらえる分、メリットも大きいのです。
保護者
塾によって、いろいろなカリキュラムがあるんですよね?
教室長
はい。公立受験コース、私立受験コース、難関校合格コース、5教科総復習コースなど、コース別で提供している集団塾もあれば、自分で授業を選択してオーダーメイドの学習プランを組み立てられる個別指導塾もあります。塾ごとに特色があるので、事前に調べるのがよいでしょう。
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本番まであきらめずに、自分の課題に集中しよう
保護者
冬休みからでも得点力は伸びますか?
教室長
いい質問ですね。先ほどの二正面作戦の話に戻ってご説明したいと思います。
保護者
はい。「苦手分野の学力アップ」と「出題傾向に合わせた得点力アップ」でしたね。
教室長
そのとおりです。「苦手分野の学力アップ」、つまり基本的に各単元の基礎力を付けていく部分は、11月末までに終えておけると理想的です。 社会や理科の勉強が遅れている場合は冬期講習以降でも巻き返しは可能ですが、英語や数学などの教科はいったん11月までに完成させておき、12月以降はそれでも残ってしまった部分の学力アップをするという考え方で進めたいところです。
保護者
わかりました。
教室長
しっかりと学力がついた上でぜひとも目指したいのは、得点力のアップです。限られた時間の中でとりこぼしなく得点していく力も必要になりますが、もう1つ目指したいのは正答率の低い問題でも得点を積み上げていける力、これが「出題傾向に合わせた得点力アップ」です。この力を完成させていく時期に、中学3年の冬期講習が位置づけられるとよいでしょう。
保護者
やはり早め、早めに動くことが肝心なのですね。ほかに中学3年の冬期講習で気を付けておきたいことはありますか。
教室長
やはり時期も時期ですから、休息と栄養に気をつけてあげてください。特に冬場は風邪やインフルエンザが流行します。また、暖房で換気が悪くなると、集中力が落ちたりするので注意してあげてください。あと、お子さんが焦ったりプレッシャーになったりする言葉は避け、なるべくそっと見守るようにしてあげてくださいね。
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