せっかく塾に通い始めても、途中で行きたくなくなるお子さんは多いものです。その理由で特に多いのが、塾の先生との相性。今回は、上手に塾の先生を選ぶポイントについて考えていきましょう。
目次
先生を選ぶポイントは目的に合うかどうか
保護者
どういう塾の先生が「いい先生」なんだと思います?
保護者
そうねぇ…私なんかは「厳しく勉強させてほしい」って思っていたから、ちょっと怖いくらいの先生がいいかなって思っていたんだけど。
保護者
でも、それだと質問できなかったりもするでしょう? 話しやすい先生の方がいいっていう人もいるし。
保護者
たしかに、勉強がわからないから塾へ通うのに、塾でわからないことを聞けないっていうのはもったいないわよね。
教室長
どちらも一理ありますね。大切なのは、どういう目的で塾へ行くのかということです。
保護者
目的ですか?
教室長
たとえば、授業レベルはだいたい理解できているけれど、より高い目標のために塾へ行くというのなら、周囲と高め合えるような集団授業形式の塾を選ぶと思うんですよ。この場合なら、とにかく授業の上手な先生を選ぶのが一番です。
保護者
指導力は大事ですよね。
教室長
けれど、学校の授業がままならなくて、自分だけでは問題集を解き進めるのも難しいような場合は違います。授業の上手さよりも、質問しやすいかどうかのほうがずっと重要になります。
保護者
なるほど。どういう先生がいいかは、塾で何をしたいかによるんですね。
教室長
お子さんと、「なぜ塾へ行くのか」「塾でどんなふうに学習したいのか」について、よく話し合っておくことが大切です。
お子さんと相性のいい先生を選ぶ
教室長
学習の目的に合うことも大切ですが、お子さんとの相性も重要ですよ。
保護者
そうなんですよね。うちの子は、塾の先生があまり好きではないみたいで。
教室長
どういったところが好きではないのですか?
保護者
「なんだ、これは小学生の問題だぞ」とか「こんな簡単な問題、どうしてできないんだ」とか、わからないことについて指摘されるみたいなんです。その後ちゃんと教えてはくれるんですけど。
教室長
学習のやる気をそがれてしまうんですね。そこで「悔しい、もっとがんばってやる」と闘志を燃やすタイプならいいのですが。
保護者
私は絶対イライラしちゃう。
教室長
楽しくて優しい先生のほうが好きかもしれませんね。でも逆に、なんでも「がんばったね」「よくできたね」とほめてくれる先生ではやる気が出ないというお子さんもいるんですよ。
保護者
そういえば、うちの息子がそうかも。あんまりほめられるとバカにされているみたいでイヤだとか、いつもニコニコ笑っている先生をうっとうしいなんて言っていて、「え?なんで?」って思っていたんですよね。
教室長
性格的な問題も大きいですが、学習の習熟度による部分も大きいです。一般に、勉強がニガテな生徒さんであってもフレンドリーで話しやすい先生だと相性がいいという場合が多いですし、その一方で勉強の得意なお子さんほど知識や経験の豊富な落ち着いた先生を好みます。スポーツの指導者をイメージするとわかりやすいですね。習い始めのうちに怖いコーチだと萎縮してしまいますが、逆にプロスポーツ選手の指導者がニコニコなんでもほめてくれるというのもイヤでしょう?
保護者
あ、確かに。
保護者
私も、得意な科目は「ちょっと怖いけど難しい問題に挑戦させてくれる先生」が好きだったし、苦手な科目は「とにかく楽しくて親しみやすい先生」の方が好きだった気がします。
教室長
もちろん、性格が合うか合わないかという点も大きいです。どんな先生が好きか、どんな先生が苦手か、お子さんとじっくり話してみるといいですよ。
保護者
そうですね。私も子どもと話をしてみようと思います。
教室長
とは言っても、集団授業形式の塾では、クラス編成などの関係で必ずしも希望通りの先生を選べないこともあります。個別指導塾なら先生を自由に選べるところもあるので、相性ピッタリの先生が見つかる可能性も広がるのではないでしょうか。
無料体験を活用しよう!
保護者
でも、先生で塾を選ぶのって難しくない?
保護者
そうですよね。塾のパンフレットを見ても、先生についてなんてあまり詳しく書かれていませんし。
保護者
顔写真くらいなら載っていることもあるけど、その程度よね。
教室長
ひとつの解決としては、実際に通っているお子さんや保護者の方からのクチコミを参考にすることだと思います。ただ、塾へ通う目的が同じかどうかはわかりませんから、「いいよ」とすすめられた塾が本当に合うかどうかはわかりませんので、1つの意見として受け止めておくのがよいと思います。できることであれば、無料体験で実際の授業を受講してみて、お子さんと一緒に確かめてみるのがいいでしょう。
保護者
無料体験は、どの塾にでもあるものなんですか?
教室長
無料体験できる塾は多いですよ。あらかじめ学習したい内容を伝えておけば、それに合わせた授業をアレンジしてくれる塾だってあります。
保護者
なるほど。
教室長
いろいろ体験してみるとおもしろいんですよ。第一印象では頼りなさそうだった先生が、「こんなことも知ってるんだ!」と思わず手をたたきたくなるくらい知識が豊富だったり、厳しそうな先生が「できるところまで戻ろう」とつまずいているポイントを探してくれたり。
保護者
そういえば、歌を歌ってくれた先生もいたなぁ。「縄文弥生、古墳に飛鳥~」とか、歌で覚えるといいですよって。
教室長
そんな先生なら楽しく勉強することができますね。まさに百聞は一見にしかずです。できるだけ無料体験を活用して、確実にお子さんに合う塾を選ぶことをおすすめします。