「塾に通うのは早い方が有利?」「うちの子は受験対策、大丈夫かしら?」と大学受験に対して、悩み、不安に思っている保護者さまは多いのではないでしょうか。『まなビタミン』では、そんな保護者さまのお悩みを解決するお手伝いをするため、志望校に合格した先輩やその保護者さまへアンケートを実施しました。
さらに、「進路指導の専門家」、寺田拓司(てらだひろし)さんにも直撃インタビュー。寺田さんは、東京個別指導学院の進路指導センターで長年受験生にアドバイスしている方です。
「大学受験のためにいつから塾に通うのがおすすめなのか」「大学受験対策はまず何をしたらいいの?」など保護者さまの疑問や不安を寺田さんに伺いました。お子さまの通塾時期に関して、ご参考になさってください。
目次
志望校に合格した先輩や保護者さまにアンケート調査を実施。
半数以上が早い時期(高1~2)から通塾
『まなビタミン』は、「塾や予備校にいつから通い始めたのか」について、志望校に合格した先輩やその保護者さまにアンケートを実施。GMARCH(※)などの難関大学に合格した先輩たちや保護者さまを中心に回答いただきました。まず、その結果から見ていきましょう。
(アンケート情報:2020年6~7月オンラインで実施、20代10人、保護者さま4人)
※GMARCH…学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学
塾通いの体験談
最も多かったのが高校1年からで、約3割を占めました。高校1~2年から通塾していた人でみると、半分以上(約55%)という結果に。早くから大学受験の対策をしていた人が多いことがわかりますね。なぜ、その時期から通塾を始めたのでしょうか。詳しい理由をそれぞれの方に聞いてみました。
「早い時期(高校1~2年)から通っていた人の体験談」
私はもともと勉強が苦手だったので、早めから通塾し、学習内容を先取りして、残りの一年を応用にあてました。それが良かったのだと思います。また、周りが受験に力を入れていない時期から勉強していたので、偏差値が上がりやすく、勉強する楽しさを感じることができました。 (20代前半女性、大阪大学出身 |
娘が、高2の秋から通塾していました。 塾では、教科や志望大学などに応じて「追加講習」がたくさん開かれており、志望校に応じて入念に準備することができました。高2から大学受験の準備をしておいたおかげか、第一志望に無事合格したので、早期対策はやはり大切だと感じました。 (娘が志望大学に合格した40代の女性) |
うちの子は高2の春から大学受験のために入塾し、早慶や国公立を目指していました。高校受験のときは準備時間が足りずに苦労したので、大学受験では早くから準備をするように息子と心がけました。無事、志望していた大学に合格をすることができたので、ほっとしましたね。 (息子が志望大学に合格した40代の女性) |
「高3から通っていた人の体験談」
学校が対策してくれる場合は、塾がいらないかも。うちの学校は教師総出で高1から受験対策するので、塾は不要でした。 (20代女性、立教大学出身) |
高3から塾に通って大学受験の対策をしていました。高2までに学校の勉強をしっかりしておいたので、それがそのまま受験にもつながりました。高3の夏までに基礎をしっかり固めておいて、夏以降に応用や過去問に取り組み、無事第一志望校に合格できました。 (20代男性、早稲田大学出身) |
高校1~2年という早い時期からの準備では、勉強への苦手意識克服や志望校に合わせた対策など、じっくりと時間をかけられることが大きなメリットのようですね。一方で、高校3年生からで十分という声もありました。では、進路指導の専門家はいつ頃から塾に通うことがおすすめだと考えているのか、詳しく伺ってみました。
【専門家インタビュー】通塾時期や大学受験対策は、ゴールから逆算することがポイント
お話を聞いた人:寺田 拓司(てらだ ひろし)さん 教育業界に携わり30余年。何千人ものお子さまや保護者さまに学習・進路相談を行う。現在は東京個別指導学院 進路指導センター 個別指導総合研究所にて同学院のブレインとして活動。文部科学省・各学校に足を運び、さまざまな情報を収集し教室現場への発信・教育を行う。 |
塾は受験対策以外にも、様々な面で受験生のサポートが可能
まなビタミン編集部:「子どもが高校生になり、そろそろ塾に通うかどうかを検討しています。同級生は既に通塾している子も多いようです。やはり、塾に行った方がよいのでしょうか?」という保護者さまのお悩みをよく聞きます。大学受験するなら通塾した方がよいのでしょうか?
寺田さん:そうですね。お子さまの学年や地域にもよるので、絶対塾に通ったらいいとは一概に言えません。ただ、塾や予備校は「大学受験対策の勉強を教えてくれるだけ」ではなく、ティーチャー(先生)だけでないのです。トレーナー・コーチ・アナリスト…など様々な役割を担っています。
塾や予備校の役割
・目標設定
・自己管理のサポート
・学習スケジュールの立案
・週ノルマの策定
・ペースメーカー
・進捗管理
・モチベーションアップのサポート
様々な面で受験生をサポートしてくれるのが大きなメリットだと思います。保護者さまと役割分担ができるようになるので、保護者さまはお子さまのメンタルケアや健康管理などに集中していただけることも大きいと思います。
まなビタミン編集部:通塾することで、お子さまの受験に向けた総合サポートが可能になるということですね。とはいえ、塾や予備校には何年生から通うのがおすすめなのかというのも気になるところです。
寺田さん:一般的には、早くから入塾することをおすすめしています。大学受験において、志望校別にこなさなければならない学習の総量は、おおよそ決まっています。志望校を早めに決めて準備を始めた方が、日々の学習内容や量は少なくなります。準備が早いほど、他の人より早くスタート地点に立てるということが言えますね。
逆に、スタートが遅ければ遅いほど、入試までの残り期間が短いほど険しい道のりが予想されます。志望校合格というゴールから逆算して考えることがポイントになってきます。
まなビタミン編集部:「そうは言っても、なかなか志望校が決まりません…」という方もいらっしゃるかと思います。志望校が決まっていない状態でも、塾に通ってもいいのでしょうか?
寺田さん:もちろんです。志望校が決まっていない人ほど塾や予備校に行くことをおすすめしていますよ。塾や予備校によっては、自己分析のサポートや学部学科情報・大学情報などを提供しているので、志望校を選択するきっかけになることもあります。
目標とする大学があるから受験に向けての学習内容や学習スケジュールが決まってきます。途中で変わってもいいので、まず仮にでも志望校を決めてみるといいかもしれませんね。
まなビタミン編集部:志望校を決めるところから相談に乗ってもらえるのは心強いですね。ただ、早く通えば通うほど、費用がかかってしまいませんか?
寺田さん:昔は、5教科7科目全てで通われている方が多かったですが、最近では「単科」といって1~2科目だけで通塾している人も増えてきています。苦手な部分を1~2科目だけ通塾するということであれば、費用も抑えられると思いますよ。また、先ほどご説明した通り、塾の役割は勉強の内容を指導するだけではないのです。
まなビタミン編集部:ありがとうございました。志望校について決まっていない場合には、まずはお子さまと話し合うことがスタートになりそうですね。
高1~2年生から受験勉強を始めて、成果を出すには?
アンケートや専門家のインタビューを踏まえると、高校1~2年生から大学受験に向けた準備を始めたほうが、メリットが多そうですね。最後に、具体的に早くから準備して成果を出す方法についてお伝えします。
ぜひお子さまの大学受験を考える際の参考にしてください。
大学受験の学校別・学部別に異なる入試に対応しやすい
高1~2年生から大学受験対策を始めると、学校別に異なる入試形式に対応しやすいというメリットがあります。
大学受験は大学や学部によって受験科目の難易度も出題形式や配点も異なり、必要な準備も異なります。高3になってから焦って準備を始めても、「対策する時間が足りない…」ということも考えられます。
また、大学入試では多岐にわたる入試形式があり、情報戦という側面も。大学入試には事前の調査や準備が欠かせません。志望校によっては資格取得が必要な場合もでてくるので、「行きたい大学が見つかったけど、出願基準に満たない…」ということがないように、早期から情報収集をしておくことがおすすめです。高1~2年生から大学受験対策を始めておけば、こうした情報収集をする時間も十分にあり、志望校に合わせた対策がしやすくなります。
英語資格・検定の早期対策で、志望校の幅が広がる
文系・理系どちらであっても、重要な教科である「英語」は早期対策をしておくことが大切です。英語の「資格・検定試験」を活用する大学数は、年々増加しており、有利になることがあっても、不利になることはありません。「GMARCH」や「関関同立」以上を目指す場合は、英検ならば高1で2級合格、高2で準2級~準1級に合格、高3では準1級に合格しておくことが理想と言われています。
※関関同立…関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学といった関西難関大のこと
高3になると、志望校の過去問などに取り組む必要があり、英語の「資格・検定試験」に割いている時間は多くは取れないことが予想されます。早期に英語の資格や検定を取れるように勉強しておくと、余裕を持って大学受験を迎えられそうです。
また、資格検定を取得しておけば、出願できる大学の幅が広がり、志望校の選択肢が増えるのもメリットと言えるでしょう。
無料相談・体験授業を活用して、お子さまにぴったり合う塾を選びませんか?
早くから大学受験対策を計画的に進めていくことが、志望校合格への近道になりそうですね。しかし、家族や自分ひとりだけで大学受験について考えたり、話し合ったりしていると行き詰まってしまうことも。
大学受験の入試方式は多様化しており、しかも受験生ごとに強みも弱みも異なります。
お子さまひとり1人合格するために優先して取り組むべき内容も異なる場合が多いのです。
ある受験生にとってはベスト計画でも、別の受験生にとっては必ずしもベストではありません。
もし、ご自身やお子さまの学力、塾と部活動の両立、費用面など心配や不安なことがあれば、そのまま塾に相談してみてはいかがでしょうか。無料相談会を実施している塾もあります。最新の大学受験情報を聞くことができたり、志望校選びのヒントがもらえたりすると思いますよ。
個別指導塾なら、学習計画や勉強の仕方など一人ひとりに合わせた提案ができるので、お子さまに合ったアドバイスを受け、ヒントが得られる可能性があるはずです。さらに東京個別指導学院・関西個別指導学院なら、経験豊富な教室長による学習カウンセリングがついた無料の体験授業もあります。こちらも体験してみて、自分やお子さまに適した塾かどうか肌で感じてもらうのもよいのではないでしょうか。ぜひ気軽に参加してみてください。
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