お子さんが大きくなってくると、必要になってくるのが子ども部屋。「どんなレイアウトにしたらよい?」「やっぱり学習机は買うべき?」など迷うことも多いかもしれません。お子さんにとって心地よく過ごせる部屋とはどんな部屋か、一緒に考えてみましょう。
目次
限られたスペースで子ども部屋を確保するには?
保護者
うちはきょうだい2人で子ども部屋を共有しているのですが、先日中学1年生の娘が「弟がうるさくて勉強ができないから自分だけの部屋がほしい」と相談にきました。
保護者
中学生になると自立心が出てくるものね。小学生の弟さんとは生活スタイルも変わってくるし、「自分だけの空間がほしい」というのは成長の証しよ。でも、部屋の間取りも限られているでしょうし、どうしたらいいのかしら。
教室長
そうですね。1人に1部屋ずつ与えられればよいですが、部屋数に余裕がない場合は、「共有しつつスペースを分ける」ことで解決していきましょう。
保護者
1つの部屋を区切って2人で使うということですね。
教室長
はい。家具やカーテンなどで部屋に仕切りをつくる方法がおすすめです。背の高い本棚や収納家具を部屋の中央におくと、部屋を2つに分けることができます。すでに本棚などがあれば、今あるものを移動させるだけでも部屋を分けることができますよ。
保護者
カーテンなら明かりが漏れにくい遮光タイプがいいんじゃない?カーテンは場所をとらないし、カーテンを開ければまた1つの部屋としても使えるからとても便利そうね。ほかにも、パーテーションや可動式の収納家具など、部屋を分ける方法はたくさんあるわ。
教室長
新たに家具を買う以外にも、それぞれの学習机を背中合わせに置いたり、ベッドの頭側を離して配置したりするなど、お互いが見えないようにするだけでもだいぶ違うはずですよ。
保護者
この方法ならうちでもできそうです。新しく家具を買うのは大変ですしね。
教室長
部屋を分けて使う場合には、採光に注意したいですね。照明器具や窓の位置、家具の配置によって、光が届かないエリアができないように注意が必要です。特に、学習机のまわりが暗くなってしまわないように、読書灯やフロアランプなどで明るさを調整してください。
狭いスペースでもレイアウト次第で過ごしやすくなる
保護者
やはり学習机は1人1台必要でしょうか。
教室長
部屋にスペースがなかったり、なるべく家具を置きたくないという場合には、学習机は必須ではないと思います。1つの机をきょうだいで共有でもよいですし、リビングで勉強しているお子さんも多いですよ。
保護者
「リビング学習」って、最近よく耳にするわね。
教室長
保護者の目の届くところで勉強するほうが保護者は安心できますし、お子さんもわからないところを質問しやすいので、リビング学習をすすめる専門家もいます。リビング学習を採り入れているご家庭では、子ども部屋は「寝るとき」と「1人になりたいとき」「物を置いておくため」の場所、「勉強するとき」はリビングでというふうに区別しているようです。
保護者
どうしてもベッドは場所を取ってしまうので、いっそ布団にしてしまおうかと考えています。
保護者
2段ベッドにするとか、折り畳み式のベッドにするという手もあるわよ。うちでは、学習机とベッドが一体になったロフト型ベッドを使っていたわ。
教室長
壁やベッドの上の空間を上手につかえば収納スペースを増やすこともできます。たとえば、壁の低い位置にフックを取りつけてふだん使うカバンや帽子などを掛けたり、壁の高い位置には棚を取りつけてあまり使わない物を置いておくだけでも、部屋の印象が変わってくると思いますよ。
親はどのように関わるべき?
自分の物は自分で管理させることが大事!
保護者
実は、自分で物を片づけられないことが子ども部屋の一番の課題なんです。
保護者
わかるわ。どうしても散らかしてしまうから、スペースがいくらあっても足りないのよね。
保護者
物をなくしてしまわないかも心配です。部屋の模様替えと併せて、収納や管理を上手できるようにする方法はないでしょうか。
教室長
自分の持ち物を自分で管理する習慣をつけるには、お子さんが片づけしやすいように収納道具やスペースを用意することが大切です。それぞれの収納場所を分けて用意してあげると、わかりやすいかもしれませんね。
保護者
具体的にはどうしたらいいでしょうか?
教室長
「学校で使う小物を入れる引き出し」「遊び道具を入れる棚」「とりあえずの一時保管用の箱」などを決めて、使ったらそこに戻すようにしてみるといいと思います。
保護者
でも、奥行や底が深い引き出しだと、奥から物をとったり出したい物を探しているうちに、部屋が散らかっちゃうのよね。
教室長
そうならないために、あらかじめ引き出しのなかをトレーなどで仕切って分類するとよいですよ。そうすることで、一目でどこになにがあるかがわかります。使ったあとは取り出したところに戻すだけでよいので、「ワンアクションで片づける」ことができます。このようにすることで、片づけのハードルが下がります。
保護者
子ども部屋以外にも、キッチンや洗面台の収納にも使えそうなアイディアですね。
教室長
片づけが苦手なお子さんには、「一時的に物を入れておく箱」を用意してあげるといいと思います。
保護者
時間のあるときに箱のなかを片づけるようにしておけば続けられそうね。模様替えをするときに、お子さん自身に片づける場所を決めさせるといいと思うわ。自分が決めたことなら忘れにくいしね。
教室長
やり方がわからないお子さんもいると思うので、最初は保護者が収納の見本をみせてあげるといいかもしれませんね。また、物が増えてきたら、捨てることも大事ですよ。「引き出しに入りきらなくなったら、なにかを捨てる」「学年が変わったら、持ち物を整理する」というように、持ち物の定量を守るようにしましょう。
保護者
いる物といらない物を定期的に分けるんですね。
保護者
自分で持ち物を管理できるようになると、なくし物や学校の忘れ物なども減らせるし、どこになにがあるのかわかっていれば登校準備もテキパキできるようになるんじゃないかしら。片づいた部屋のほうが快適だと感じるようになれば、自然と自分たちで収納や管理ができるようになるはずよ。
教室長
物の管理が上手にできるお子さんは、頭のなかの整理(情報の整理)も上手である場合が多いと感じます。子ども部屋を通して、お子さんの自立を見守ってあげてくださいね。