みなさんはお子さんの時間割をご覧になったことがありますか?時間割はカリキュラムを考えてつくられ、時に柔軟に変更されながら運用されています。今回は中学生の時間割について、詳しく解説していきましょう。
目次
一般的な中学生の時間割ってどんな感じ?
保護者
お子さんの時間割を見たことがありますか?私はこの間初めて見たんですが、自分たちが中学生の時とだいぶ変わっているような気がして。
保護者
一応目は通しているわ。確かに、「こんなに英語が多かったかしら」なんて思うことはあるわね。
中学生の時間割ってどのように決められているのかしら。
教室長
時間割は基本的に3つのポイントを押さえて作成されますよ。1つ目に学習指導要領で定められた授業時数を確保できること、2つ目に使用教室に重複がないよう調整すること、3つ目に学校行事との兼ね合いを考えて調整することです。
保護者
なるほど、時間数だけでなく、理科室や音楽室、体育館といった移動が必要な部分の調整などもしているのね。
教室長
このように時間割をつくっていくと、ある特徴が見えてきます。みなさん、何だかわかりますか?
保護者
うーん。
まず改めて思ったけど、空き時間がないわ。塾や大学の授業には空き時間があったけれど、中学校の授業はびっしりつまっているもの。
保護者
確かにそうですね。
教室長
そのとおりですね。
保護者
あと、たとえば技術や家庭科は2時間続きでやっているみたいですよね。作業がしやすいよう配慮されていると思います。
教室長
そうですね。中学校の時間割は教科の特性に配慮して組まれています。
保護者
ホームルーム(HR)は土曜や月曜の1限目にあることが多いですよね。これはどうしてなのかしら。
教室長
よいところに気づきましたね。学活やホームルーム、総合的な学習の時間などの授業は、学年集会や全校集会が実施できるよう、同じ時間帯に設定されることが多いんです。ですからたとえばある学校では、ホームルームはどの学年でも土曜の1限目に設定されている、ということが起こりうるんですよ。
保護者
なるほど。
あっ、そういえば時間割はいつも学期ごとに変わっている気がします。
教室長
そうですね、それも中学校の時間割の特徴です。
保護者
最近の中学校の時間割について、例があったら見てみたいわ。
教室長
以下はある中学校の時間割の一例です。ホームルームが土曜の1限目にあったり、家庭科や美術が2時間連続で組まれていたりなど、先ほどお話しした特徴が表れていますね。
保護者
最近は朝学習をやっている学校も多いのですね。
保護者
中学生の時間割が変更になるのはどんな時?
保護者
そういえば時間割はたまに変更があるみたいよね。いつもと準備する道具が違うから迷っちゃう、なんて娘が言う時があるわ。
教室長、時間割が変更になるのはどんな時なんですか?
教室長
まず行事の前後には時間割が変わることが多いです。たとえば修学旅行の前は事前学習のために社会の時数が増える、といった具合ですね。
保護者
体育祭や運動会の前に予行演習の時間が確保される、といったこともあったわね。
教室長
また受験の直前も時間割が変更になることがあります。進路指導に充てられるHRの時間が多めに確保されたり、主要5教科の授業時数が増えたりするなどです。
保護者
学校行事や受験に合わせて、時間割は柔軟に変更されて運営されているんですね。
今後時間割はどう変わる?
保護者
最近になって、時間割がどう変わってきているかについても知りたいです。
教室長
現在の中学校の時間割は、いわゆるゆとり世代の時代の時間割から大きく変わりました。総授業時数は各学年で980時間だったものが、1015時間に増加しています。具体的には総合的な学習の時間や選択教科が減り、主要5教科や保健体育が増加しました(※)。特に英語など外国語の授業時数は3年間で315時間から420時間にも増加しているんですよ。
保護者
3年間で105時間ということは1学年につき35時間も増えているということね。これは大きいわ。
教室長
さらに今後、2020年からの学習指導要領で年間の授業時数が増加する見通しです。日本の歴史、伝統文化、国語に関する教育を推進することを目的として、国語の授業時数が中学校3年間で計35時間、歴史の授業時数が3年間で計25時間増えるといわれています。
保護者
時間割にも影響が出そうですね。
子どもの日々の時間割と、日本の教育動向は大きくかかわっているのね。これから注意して見ておきたいわ。
■参照URL
(※)文部科学省初等中等教育局「移行措置期間中の中学校の標準授業時数について」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304407_002.pdf