とても便利なツールである携帯電話(スマートフォンなど)ですが、お子さんに持たせるのはちょっと不安…という保護者も多いのではないでしょうか。このような中学生の保護者が気になる悩み3つについて、教室長が答えます。
目次
人間関係にかかせない携帯電話の悩みは安全面。規則より「相談できる親子関係」を
保護者
お子さん専用の携帯電話を持たせている家庭が多いみたいね。
保護者
どうやら全体の5割を越えるお子さんが携帯電話を持っているみたいなの。本当は持たせるつもりがなかったみたいだけれど、塾の送り迎えや友だちとの関係性で持たざるを得なくなったそうよ(※1)。
保護者
やっぱり所有率は高いのね。そうなると保護者の立場として心配なのは、携帯電話に関係するトラブルに巻き込まれないかということですよね。
保護者
そうね。いろいろと条件やルールをつくりたいところだけど、つくりすぎるのもね。
教室長
お子さんにとってあまりプレッシャーにならないようなルールにすることがポイントですよ。
保護者
どのようなルールづくりを心がけたらよいのでしょうか。
教室長
「安全面を第一に考えたルール」というのをお互い理解した上で、ルールをつくるのがベストです。
保護者
お互いに譲歩して納得がいくように相談できたかどうかね。
保護者
なるほど。親からの一方的なものになりがちですものね。そういう面でも相談できる親子関係が大事なのですね。
保護者
決めておいたほうがよいルールはどんなことがあるのでしょうか。
教室長
たくさんあると思いますが、SNSや連絡ツールに関するトラブルを避けるルールの一例を紹介しましょう。
必須ルール一例
・悪口は書かない、悪口を書いているお子さんがいたら親だけに相談
・おかしなメールは親に報告し、おかしなサイト、
有料のものにアクセスしないまたは相談
・食事中はどうしても必要な場合をのぞいて、携帯電話を使わない
保護者
SNSや連絡ツールで何かあったら、親にまず相談するというのは、標的にされることを避ける効果もありそうね。
教室長
まさに、そのための予防策です。エスカレートしている場合も視野に入れて考えると、生徒さん同士で解決するのが難しい場合もあります。
保護者
これらのルールが必須ということは、これに加えてさらにそのお子さんの生活習慣に合ったルールをつくるわけですね。
教室長
そうです。ついゲームや漫画などに依存しがちなお子さんなら、「使用できるのは居間だけ」「親と共同で使用する」などがおすすめです。
保護者
この場合、しばりすぎの反発を避ける予防策も必要なんじゃないかしら。
教室長
よいと思います。「これはいいよ」という譲歩条件になっているものは、お子さんの自由度を広げますからね。
保護者
なるほど。では、もともとゲームなどに依存しないお子さんの場合は何かあるでしょうか。
教室長
たとえば、「1日何時間まで」というルールより「定期テストの合計点数が300点以上とれたら」などの結果と結びつけてあげるのもよいと思います。
保護者
勉強のやる気につながるのはよさそうですね。
親が想像していた「男子中学生らしい反抗期」の雰囲気がないこと
保護者
意外にも反抗期がなさそうなお子さんが多いと聞いたのですが、みなさんのまわりではどうですか?
保護者
どうなのかしら。あまり実感はないけれど…。
教室長
「自己主張がニガテなお子さん」が多いという傾向はあるようです。ドラマで見るような典型的な反抗期とはイメージが違うかもしれませんが、「自己主張があまりにもできないお子さん」の場合は、近年特有の反抗期のパターンがあるようです。
保護者
なんとなく、おとなしいお子さんのことですよね。どうしてなのでしょう。
教室長
そのようなお子さんの中には、そもそも目立った反抗期のないお子さん、もしくは親と価値観が合うお子さんももちろんいます。ただ「自己主張がニガテなお子さん」の中には、その後どこかで遅れて反抗期がくる場合があるのです。
保護者
自己主張をするようになったタイミングでということですね。何か対策のようなことはあるのでしょうか。
教室長
対策としてあまり直接的なことは少ないかもしれません。ただ、普段から保護者の方が積極的にお子さんの「〜したい」に対して「なぜ?」の質問をするとよいと思います。
保護者
子どもはそういう時、なんて答えたらいいか困ってしまうのではないでしょうか。
教室長
このやりとりで大切なのは、どう答えるかではないのです。「〜が必要だから」など自分の意見が言える場をつくることが目的です。
保護者
日常からできる訓練ということですね。
学校教育でも日本人はディスカッション能力の向上が求められていますものね。
教室長
そうですね。この訓練はいよいよ反抗期がきたという時にも、そのお子さんにとって「ものを考えられる力」になるはずです。
保護者
反抗期予防にも対策にもなるうえ、教育にも役に立つのは一石二鳥ですね。
教室長
反抗期がないというお子さんも、もちろんいます。もし「自己主張が少ないな」と思ったとしても、反抗期対策というよりは普段の教育の一環として、この親子のやりとりを覚えておくとよいと思いますよ。
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志望校の見学に親が同行する?友だちと行く?
保護者
保護者の悩みというと、やっぱり受験や志望校のことですよね。
保護者
受験や勉強方法に関しては、最近でいうと2020年の大学入試制度改革のことかしら。
保護者
そういえば、学校の進路相談会でもその話題が少し出ました。これからは高校入試も「知識より知識を生かした知恵を求める学力」が問われる出題になっていくなどの影響があるというようなことを聞きましたよ。
教室長
これからの受験生は、応用力や柔軟な考え方が求められているということですね。
保護者
高校側が求めているということは、入学後もそのように育てたいと思ってくれているということですよね。
保護者
そうなると、志望校を考える際にもかかわってきますね。
保護者
特に最近は、志望校の見学に親も同行することがあるそうよ。
教室長
もし保護者の方も同行できる見学会であれば、ぜひ同行することをおすすめします。親子両者がいろいろな高校の雰囲気を知って、一緒に進路について考える機会にできるからです。
保護者
高校を見学するタイミングとして学園祭もありますよね。
保護者
そうね。学園祭なら友だち同士で行きたいと言うかもしれないわね。
教室長
別行動でも、ぜひ保護者の方も行ってみるとよいと思います。特に両親間、もしくは親子間で「感性的」と「論理的」に考えられる人がそれぞれいるとベストだからです。
保護者
娘は感性的に考えがちだから、私も見学をして論理的に分析してみようかしら。
教室長
まさにそんな感じです。あとは、高校の雰囲気が親世代の時と変わっていることもあるんですよ。
保護者
そういう意味でも、保護者も高校を見学したほうがよいですね。
教室長
そうですね。改めてその高校の雰囲気、通学時間、専門コース、部活動、留学制度、校内行事、あるいは先生たちの雰囲気などを知る必要があるのです。
保護者
なるほど。その高校に対する、既存の知識だけでは情報が足りなそうですものね。学校説明会や学園祭以外にも、高校のことを直接知る機会をいろいろ探してみようかしら。
(※1)参照URL
内閣府 平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(平成26年3月発表)
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13103332/www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h25/net-jittai/html/2-1-1.html