中学生が部活動をやめたいと思う理由は?

保護者

うちの子の部活動友だちなんですけど。部活動をやめたいとうちの子に漏らしているらしくて。私もそのお子さんの保護者からも相談を受けているんですよ。

教室長

そのお子さんが部活動をやめたいと言っている原因はわからないんですか?

保護者

はい。うちの子にも明かさないようです。中学生の子はどんなことを原因に部活動をやめたいと考えるのかしら。

教室長

考えられる原因は主に2つのパターンに分けられますね。

保護者

2つのパターンですか?

教室長

1つ目のパターンは、部活動そのものに原因がある場合です。たとえば、顧問の先生や部員との人間関係でトラブルがあった、レギュラーをはずされた、練習についていけないということのほか、部長やキャプテン、パートリーダーなどの役職が重荷だということも考えられますね。

保護者

私が中学生のころ、部活動をしていたときも、そんなことを考えたことがありましたね。

教室長

1つ目のパターンの特徴は、「原因さえ解決すれば部活動を続けたい」という気持ちが本人にある可能性が高いということです。ですから部活動内の原因を取り除くことが大切ですね。

保護者

2つ目のパターンはなんですか?

教室長

2つ目のパターンは部活動以外に原因がある場合です。別の部活動や習い事、勉強など、ほかにやりたいことがある場合が考えられます。

保護者

それは部活動以外のところに解決策を求めないといけないかもしれませんね。

教室長

またこれはどちらのパターンにも当てはまらない「第3のパターン」かもしれませんが、もしお子さんが「面倒くさいから」というようなことを言っていたとしても、それも真剣に受け止めてあげたほうがいいですよ。

保護者

えっ、それは本人の問題ではないんですか?

教室長

確かに本人の「根性や気合」の問題として片づけることもできるかもしれません。しかし、「面倒くさい」といったことも、お子さんにとっては「部活動をやめよう」と重大な決断をするほど切実な問題なんです。

保護者

そうですよね。「面倒くさい」も掘り下げてみると、重要な問題につながっているのかもしれないですよね。

教室長

「部活動をやめたい」とお子さんが言ってきたときは、どんな理由であれ、お子さんの声に耳を傾けることが大切ですね。

このなかに、お子さんのお友だちについて思い当たる節はありましたか?

保護者

そうですね。このあいだの試験の結果が思わしくなかったと言っていましたから、勉強を意識して部活動をやめようと考えているのかもしれません。

保護者にはなにができる?部活動をやめたい原因別の対処法

教室長

なるほど。そうなんですね。部活動をやめたいと考えることは、誰にでも多かれ少なかれあります。そう言い出すからには、さきほど言ったような人間関係や練習のハードさ、勉強との両立など、いろいろと大変なことに向き合っている証拠です。つまり「部活動をやめたい」と言っていることは成長のチャンスでもあるんですね。

保護者

「部活動をやめたい」と言い出すことは、決してネガティブなことではないんですね。

教室長

そうですね。ですから保護者はまず、お子さんが「部活動をやめたい」と言い出したことをポジティブに受け入れてあげるといいと思いますよ。

保護者

「部活動は続けるべきだ」という保護者の考えを押し付けないよう、注意したいところですね。

悩んでいる子どもの気持ちに寄り添うことが大切だと思います。

教室長、さきほどいろいろと考えられる原因を挙げてくださいましたが、それぞれどのように対処すればよいんでしょうか。

 

教室長

まず人間関係でトラブルがあった場合について考えましょう。お子さん同士のトラブルの場合は顧問の先生、顧問の先生とのトラブルの場合は担任の先生に相談するのがベストです。お子さんがその場にいづらいようであれば、保護者と先生の二者面談でも構いません。上手に介入してあげてください。

保護者

レギュラーを外された、練習についていけない、といった部活動の内容にかかわる原因の場合はどうでしょう?

教室長

顧問の先生に相談しましょう。効果的な練習の方法やレギュラーを外された原因など、お子さん本人のためになる話し合いができるはずですよ。

保護者

役職が重荷だという場合はどうですか?

教室長

それも顧問の先生に相談するとよいですね。お子さんが役職に選ばれた理由を話してもらえば、役職をがんばって続ける気になるかもしれません。またどうしても難しいようであれば、役職の交代も検討してもらいましょう。

保護者

最後に、そのお友だちの可能性として考えられる「部活動以外にやりたいことがある場合」についても教えてください。

教室長

まずは部活動とほかのやりたいことを両立できないかどうか、保護者とお子さんで考えてみましょう。時間のつくり方などの相談にのってあげてください。たとえば勉強との両立ということであれば、個別指導塾を活用する手もあります。お子さんのスケジュールに合ったかたちで授業を組んでもらえますよ。

保護者

少し時間にゆとりのある部活動に転部するという選択肢もありますよね。

どうしても両立が難しいようであれば、やはりお子さんの意思を尊重したほうがよいですよね。

教室長

そうですね。実際にやめる際には、ほかにやりたいことができた旨を具体的に顧問の先生に説明しましょう。必要であれば保護者も話し合いに加わるとよいですよ。

保護者

お友だちの保護者の方にも提案してみます。 

部活動をやめる前に考えてほしいこと

保護者

もし「部活動をやめる」とお子さんが結論づけたとき、保護者は止めてはいけないんでしょうか。

教室長

そこは議論の分かれ目ですね。ただし、部活動をやめる前にお子さんには一歩立ち止まって、自分でしっかり考えてほしいと思います。たとえば部活動をやめてできた時間を具体的になにに使うのかは、あらかじめ考えておきたいところですね。

保護者

学校生活のなかで部活動が占める割合は意外に大きいですものね。

教室長

また「部活動をやめたい」さまざまな原因があるとして、原因が解決しなくても、部活動をやめずにその原因と向き合うことはできないか、といったことも考えてほしいと思います。

保護者

子どもが「部活動をやめたい」という問題に対して向き合うのを、保護者はしっかり見守りたいところですね。