【不登校への対応その1】家庭環境を見直し、お子さんの話を聞く

保護者

お子さんが不登校になってしまったら、保護者はどう対応すればいいんでしょうか。友だちのお子さんが学校に行けなくなってしまって、悩んでいるんです。

保護者

悩ましい話ね。保護者が焦らずしっかり対応することが重要だと思うわ。でも、うちの子が不登校を経験したわけでもないから、具体的にどう対応すればよいのか、はっきり言えないわね…。なにかアドバイスいただけませんか?

教室長

お友だちの方は、大変ですね。いろいろと考え方はあるのですが、保護者の方ができることは、大きく分けて3つあると考えます。

保護者

詳しく聞きたいです。1つ目はなんですか?

教室長

1つ目は家庭のなかでできることです。まず不登校の原因が家庭にないか見直すとともに、お子さんの話をよく聞いてあげましょう。

保護者

不登校の原因が家庭の中にある場合には、具体的にどんなケースが考えられますか?

教室長

たとえば家庭環境の急激な変化や、保護者の方とお子さんの関係が考えられます。特に中学生は反抗期の場合も多く、保護者の方との関係が不登校につながっている可能性もあるので、じっくり日ごろの様子を振り返りましょう。

保護者

お子さんの話を聞く際に注意したいことも教えてください。

教室長

不登校については深く追及しないことが大切です。「なんで学校に行かないの?」「学校でイヤなことがあるの?」などとはあまり聞かないほうがいいでしょう。声掛けをする場合は、「最近しんどそうだね」などの言い方が適切です。そして不登校についてはお子さんから話してくれるのを辛抱強く待ってください。

保護者

そういえば聞いたことがあるわ。保護者がお子さんを放っておいたというより、むしろお子さんに積極的に保護者が干渉しすぎたことで、不登校が深刻化するケースがとても多いそうよ。保護者の言葉や接し方が適切でなかったために、お子さんが心を閉ざしてしまうことが多いって。

教室長

そうですね。ですから、保護者の方はお子さんに寄り添い、できるだけ話を聞くことに重点をおくのがよいでしょう。そのうえで、たとえばお子さんが自己嫌悪に陥っているときにはお子さんのよい面をほめてあげるなどのフォローをしてあげてください。

保護者

学校に行かせるか行かせないかの判断はどうすればよいでしょう?

教室長

それもお子さんの意思を尊重しましょう。無理をして学校に行かせてもいけませんし、逆に「もう行かないでいいよ」と保護者のほうから言うのもよくありません。

保護者

「学校に行こうかな」と思っているときに、行けなくなってしまいますものね。

教室長

そのうえで、「学校に行かないことはわるいことではないんだよ」という雰囲気を家庭の中につくり、家庭に居場所をつくってあげることも大切です。

【不登校への対応その2】学校や官民の外部機関に相談する

教室長

2つ目に保護者ができることは、学校や官民の外部機関に相談することです。まずは学校に相談しましょう。学校から家庭への電話、家庭訪問などには積極的に協力することが大切です。

保護者

「うちの子のことは家庭で解決するから」などと言って閉じこもらないことが重要ね。

教室長

また不登校の兆候や現状など家庭での様子を、担任の先生や保健室の先生、スクールカウンセラーなどと共有するとともに、不登校になる前の学校での兆候について共有してもらってください。以下はそれぞれ、家庭での不登校の兆候と学校での兆候です(※1)。

 

【家庭での不登校の兆候】
・ 前の晩には学校へ行く準備をしても、翌朝起きてこない。
・ 朝、「学校に行ったら?」などと登校を促すと、腹痛や頭痛、発熱などを訴えて休みたがる。一方で保護者が学校に欠席の連絡をすると体の不調が回復する。
・ 食欲がなく、顔色がわるい。
・ 朝の準備に時間がかかり、休まない日も遅刻をするようになる。
・ 「眠れない」と言うようになり、夜更かしをする。
・ 自分の部屋に閉じこもることが多くなる。
・ 家族との会話が減り、関わりを避けるようになる。

 

【学校での不登校の兆候】
・ 体調不良を理由に保健室に行く回数が増える。
・ 週明けや特定の教科がある日の欠席が増える。
・ 休み時間に友だちと過ごすことが少なくなる。人目を避けるようになる。
・ 部活動や委員会活動を休みがちになり、やめたがる。

保護者

保護者はこのサインをきちんとキャッチして、原因を明らかにする必要がありますね。

教室長

原因ははっきりしない場合もあるし、複合的な場合もあります。学校と協力し合って解決の糸口を探りましょう。家庭での対応がわからない際にも学校の先生に相談してみてください。

保護者

学校に加えて、官民の外部機関も頼れそうですよね。

教室長

そうですね。市区町村には不登校相談窓口が設けられていることが一般的です。セラピストがカウンセリングや心理療法を行ってくれるほか、必要に応じてどんなお子さんがどんな状態なのかの判断も受けられます。保護者も家庭での対応方法について相談してみましょう。

保護者

複数の相談先があると安心かもしれませんね。

教室長

すぐには適切な相談先が見つからなくても、辛抱強く探していれば必ず見つかります。ですから焦りは禁物ですよ。

【不登校への対応その3】学習面は個別指導塾やフリースクールも視野に入れて

保護者

学校を休んでいるあいだは学習面の遅れも不安ですよね。そうした対応はどうすればよいでしょうか。

教室長

個別指導塾やフリースクールなどを視野に入れるといいでしょう。たとえば個別指導塾であれば、学校を休んでいるあいだも遅れないように学習できます。また中学生の他のお子さんがいない時間に勉強ができるなど、お子さんの気持ちを尊重して学習を進めてもらえますよ。

保護者

それは頼もしいですね。

教室長

個別指導塾は、不登校になったお子さんの学習面でのケアでは、最適な選択肢のひとつだと言えるでしょう。

保護者

フリースクールに関してはどうですか?

保護者

フリースクールと一口に言っても、千差万別みたいね。なかには毎年難関大学の合格者を出すような高学力層に対応したフリースクールもあるそうよ。

教室長

おっしゃるとおりですね。お子さんに合ったフリースクールに行けるよう、実際に何校か足を運んで慎重に判断することが大切です。

保護者

友だちにもいろいろと話してみます。解決策が見つかるといいな。

※参考URL
1. 四日市市教育委員会-不登校の子どもへの指導の手引き-
http://www.yokkaichi.ed.jp/e-center/html/futoukou_tebiki/tebiki.html