登校拒否はどんなお子さんでもなる可能性があります。そして万が一、お子さんが登校拒否になってしまったら、そのときは保護者が正しい知識を持ってお子さんと接しなければなりません。今回はそんな登校拒否について知っていきましょう。
目次
登校拒否ってどんな状態?
保護者
どうしたの?浮かない顔して。
保護者
仲のいいお友だちに、お子さんのことを相談されていて、そのことを考えていたんですよ。そのお子さん、登校拒否になっているみたいなんです。なんとか学校に行かせようと、保護者の方があの手この手で試していらっしゃるみたいなんですが、「学校には行かない」の一点張りだとか。
保護者
それは大変ね。ところで聞きたいんだけど、「登校拒否」と「不登校」は違うの?
保護者
私も今回のことでいろいろ調べてみたんです。定義はいろいろとあるようですが、文部科学省によると、年間30日以上欠席した児童生徒を不登校としているみたいです。また、登校拒否もほぼ同じ意味で捉えてよいようです。
保護者
なるほどね。でも、ただ学校がきらいだから学校に行かないってわけじゃないんでしょう?
保護者
そうなんですよね。背景的なこともみていくと、いろいろとあるのです。
登校拒否の原因は?
保護者
お子さんが学校を拒むのには必ず理由があって、特に外的要因が影響していることが多いみたいです。
保護者
外的要因って、たとえばいじめとか?
保護者
それも影響の1つかもしれません。もうすこし大きくいえば、友だち関係がうまくいっていないことでしょうね。やはり登校拒否になる理由としてよく挙げられるのは、人間関係の不和みたいです。
保護者
そうなんだ。でも人間関係以外にも、登校拒否になる理由がありそうよね。
教室長
難しい問題について、話されていますね。
保護者
そうなんです。登校拒否になる原因って、外的要因以外になにがあると思われますか?
教室長
勉強へのコンプレックスなど、学習面の悩みから、登校拒否にケースもあるみたいですよ。まわりについていけないことや、何度やってもできないことなど、挫折感から学校に行くことに恐怖を感じてしまうのかもしれませんね。
保護者
うちの子も勉強についていけていないところがたくさんありますが、登校拒否の原因になる可能性もあるってことなんですね。
教室長
必ずしも、全員がそうなるというわけではありませんよ。お子さんの性格にもよります。ただし進学や進級で環境がガラリと変わり、今までできたことが急にできなくなるなどすると、ほかのなんらかの要因と重なり合って、お子さんが登校拒否になる可能性もあるということです。
保護者
でも登校拒否って、そもそもそんなにダメなことなんでしょうか。もちろん、早く行けるようになってほしいですけれど、行きたくないものはしかたないと、ある意味割り切って、長期戦のつもりでお子さんと接してあげることも大事な気がします。
教室長
その考えはとても大切だと思います。腫れものに触るような扱いをするより、いつもどおりお子さんと会話するほうがよいかもしれませんね。できるなら一緒に外出するのもよいでしょう。そしてあるタイミングで、お子さんが「学校へ行きたい」とすこしでも思えるようになることが大切ですね。
登校拒否を解決するには?
保護者
登校拒否を解決するにあたって、なにが大切なのでしょうか?
教室長
まずは登校拒否に対する正しい理解が必要です。お子さんの精神状態や体調を会話などから把握しましょう。そしてそれをふまえて睡眠や食事のバランスを保てるよう、保護者はフォローしていきたいですね。
保護者
それはお友だちも言っていました。それに加えて、保護者の精神状態も大切だなと感じています。思いつめてしまって、保護者のほうが体調を崩したりしないかと、逆に不安で。
保護者
確かにそうよね。それにこの問題が長引きそうになると、そのいら立ちをお子さんにぶつけてしまう方もいるかもしれないわ。もしお子さんとの関係性に不和があってなかなか踏み込めない方がいるなら、そこからまずは向き合っていって、一緒に解決に向かうことが大切よね。お子さんの精神状態を知るということは、お子さんとの関係性を見つめ直すことにもなると思うわ。
保護者
そうですね。仮になんですが、お子さんに強い神経症の傾向がある場合には、医師に相談したほうがよいのでしょうか?
教室長
そうですね。不安な言動があるようであれば、そうすべきでしょう。プロの意見を聞くことも大切です。ただそうであってもなくても、私は第三の場所をお子さんに提供することは必要だと考えています。
保護者
第三の場所ですか?それは学校と、家以外にということですよね。
教室長
そのとおりです。地域の児童館はもちろん、フリースクールなど、別のコミュニティの力を借りるのは効果的かもしれません。いつもとはまったく違う出会いや発見があり、お子さんの気持ちがプラスになるかもしれませんよ。
保護者
なるほど、そういう方法もあるんですね。ただ学習面の遅れも心配です。「第三の場所」でもそうしたことはフォローしてもらえるのでしょうか?
教室長
そういう場所にも先生はいらっしゃるので、ある程度までは問題ないと思います。しかし受験やその先も考えて、勉強に向き合ってほしいのであれば、個別指導塾がおすすめです。勉強のおもしろさを伝えるという意味でも効果が期待できますよ。
保護者
確かに個別指導塾であれば、講師と生徒との距離が近いし、いろいろと相談にものってもらえますもんね。
教室長
ポイントはそこですね。「最近、いいことあった?」など、生徒と講師のあいだのなにげない会話を通して、そのお子さんが誰かに心を近づけてくれることが大切なんです。それをできるのが、個別指導塾の力だと私は思っていますよ。
保護者
個別指導塾の先生は、お子さんと一緒にいる時間も長いですしね。
教室長
そうですね。そういった小さなやり取りを積み重ねていき、お子さんが塾を楽しい場所だと思ってくれる、あるいは勉強を楽しいと思ってくれるとうれしいですよね。勉強はもちろんのこと、それ以外の会話を通して些細な心境の変化にも気づける場所ではないでしょうか。
保護者
そのためにも、学区は違う場所で選んだほうがよさそうね。知っている人がいない場所で、まっさらな気持ちで勉強するのがよさそう。
保護者
そうですね。心を開いて話せる場所が増えれば、また通学できるかもしれませんね。ありがとうございました。
■参考サイト
中央教育審議会 初等中等教育分科会(第38回)議事録・配布資料[資料1-4]-文部科学省
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/06042105/001.htm