不登校になったら将来はどうなるの?

保護者

不登校って最近では珍しくないんですね。娘の学校にも不登校の子がいるみたいです。

教室長

中学校だと8割以上の学校に不登校の生徒が在籍すると言われていますからね(※1)。不登校は誰にでも起こりうる時代だと考えたほうがいいかもしれません。

保護者

娘も不登校になるかも?なんて考えると、少し不安です。進学も就職もできなくなっちゃうかもしれないでしょう?

保護者

確かにわが子のこととして考えると、不安になるわよね。でも、あまり心配になりすぎることもないんじゃないかしら。私の知り合いで立派にやっている方たちの中にも、「むかし不登校でした」ってあっけらかんと話してくれる方もいるわ。

教室長

平成26年に文部科学省が公表した研究に興味深いものがあって、平成18年度の時点で不登校の生徒さんを追跡調査していった結果、その8割くらいのお子さんは就学か就業ができているデータがあり、不登校経験者が20歳になった時点で就学も就業もしていない割合は2割を切っているということです(※2)。

保護者

そうなんですね。でもいくら就学や就業と言っても、希望の大学へ行ったり、自分のやりたい仕事に就いたりはできないんじゃないですか?

教室長

本人の希望どおりかどうかは一概に言えませんが、不登校経験者の高校進学率は85.1%であり中退率は14.0%にすぎません。22.8%は大学・短大・高専への就学も果たしているので、やはり不登校の時期をすぎてからの本人のがんばりの次第で、自分の才能やスキルを伸ばして活躍すると言えるのではないでしょうか。

保護者

そうそう。教室長のおっしゃるとおりだと思うわ。不登校を経験したお子さんって、「不登校もひとつの人生経験だ」って考えていることが多い気がするもの。「休んだことで今の自分がある」とか、「不登校で大切な人と出会えた」「人に優しくなれた」とか、ちゃんと不登校の経験をバネにして成長している感じがするのよね。

保護者

そうなんですね。特別不安に思わなくてもいいんだって思うと、ちょっと安心しました。

原因と向き合って数年後の未来を考えよう

保護者

とはいえ、なにもせずに放置しておけば自然に解決するってわけではないですよね。

教室長

そうですね。不登校を家族が成長するためのきっかけだと考えて、お子さんと向き合うことが必要でしょう。

保護者

まずはお子さんと話をしてみないといけないわよね。

教室長

学校へ再び登校することを考える以前に、まずは家の中にほっとできる居場所をつくってあげることが必要ですね。お子さんが安心してホンネを話せるように、きちんとお子さんの話を聞いてあげることが重要です。

保護者

不登校の理由を聞かないことには、対応もできないですよね。

保護者

不登校が続く理由は「無気力」43.6%、「身体不調・漠然とした不安」42.9%、「人間関係」40.6%、「生活リズム」26.9%ですって。

教室長

不登校になるきっかけと、不登校が続いていく理由は異なりますからね。不登校は「無気力型」「遊び・非行型」「人間関係型」「複合型」「その他型」の5つによく類型化されますが、お子さんがどのような問題を抱えているのかをしっかり把握することが大切です。

保護者

こうして聞くと、やっぱり不安になるわね。無気力とか漠然とした不安だなんて、ちゃんと解決できるのかしら?

教室長

家族が向き合うことは大前提ですが、専門の機関も頼るといいですよ。不登校支援センターやNPO法人など、不登校の支援を専門にしている機関はたくさんありますからね。個別指導塾でも、学力面だけでなく将来の相談もできますよ。

保護者

将来どんな仕事がしたいのか話し合って、必要なことを探していけばいいんじゃないかしら。将来就く仕事の中で、実は不登校の経験も無駄ではなかったと思えることもあるかもしれないですしね。

学力が就職の幅を広げるカギになる!

教室長

あとは、学力の向上が重要です。学力さえあればどれだけ長く不登校だったとしても、高校、さらには大学などへの進学の道は開けます。進学して、スキルや資格、学位などを得られれば、そこからのハンディキャップはかなりの部分まで克服できるでしょう。

保護者

勉強なら、学校ではなく塾に通うのでもいいのかしら。

教室長

もちろんです。特に個別指導塾なら、不登校でも通いやすく、遅れを取り戻しやすいですね。ほかにも、フリースクールや適応指導教室といった学校に近い施設や、レポートを中心に単位を取る通信制の高校などもあります。

保護者

やりたいことが見つかれば、必要な勉強も見えてくるわよね。「自分が『やりたい!』って思って立ち上がれば、何年遅れてでも最後までやり遂げられる」って言っていたお子さんがいたわ。

教室長

焦らず、数年を見越してじっくり取り組めば、道はひらけてきます。自信をもって前へ進めるよう、お子さんとじっくり向き合ってほしいですね。

参照URL:
(※1)文部科学省 平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(速報値)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/10/__icsFiles/afieldfile/
2016/10/27/1378692_001.pdf

(※2)文部科学省、「不登校に関する実態調査」~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)(平成26年7月公表)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349956.htm