タブレットを使った教育とは?

保護者

「タブレット」ってどういうもののことを指すんですか?私、機械にうとくて…。知り合いの学校の授業で、導入するとかしないとか、話題になっているらしいんです。

保護者

まあ、すごいわね!タブレットは、スマートフォンが大きくなった形の小さなパソコン、と説明すればよいのかしら。

教室長

タブレットという言葉通り、ボード状のオールインワンパソコンですね。スマートフォンのタッチパネル操作を小さなパソコンで行えるイメージです。アプリケーションなどを使えるところはスマートフォンに近く、スマートフォンより高度な機能を使える点はパソコンに近いですね。

保護者

街中でも使っている人をよく見かけますよね。

保護者

具体的には、どんなふうに授業で活用されるんですか?

教室長

まず、資料集の補助教材として使われることが多いようですね。たとえば理科なら天体の単元で月の満ち欠けについて学びますが、平面の図だとなかなかイメージしづらいものです。これがタブレットの教材では、月や太陽、地球の模型が3Dで表示されるんです。しかも、タッチパネルで自由に向きや角度を変えて観察できるようになっているんですよ。

保護者

楽しく学習できそうですね!

保護者

理科の教材なら、私も一度触ったことがあるわ。岩石の単元の資料で、岩を拡大したり向きを変えたりしてじっくり観察できるんだけど、とてもリアルで迫力があったの。ちょっと感動しちゃった。

教室長

おもしろさや感動を覚えることで、学習内容がすっと頭に入りやすくなるそうですよ。

保護者

ほかの科目ではどのように使われているんですか?

教室長

英語や数学、国語ではノートや問題集の代わりに使われることが多いですね。たとえば、生徒が手元に1人1台タブレットを用意しておいて、手書きと同じ感覚で問題演習をします。生徒の解答は自動的に採点されますが、その結果や進行状況は先生が手元のタブレットで把握できます。先生が間違いの多い生徒やつまずいて先に進めない生徒を瞬時に把握できるということですね。タブレット端末を通じて的確なアドバイスができるという仕組みです。一例ですが、こうしたシステムもあるんですよ。

保護者

双方向型の学習ができるということですね。最先端という感じだわ。

保護者

生徒さんはわからないところでいつまでも悩み続ける必要がないし、先生にとってもフォローをしやすくなりそうですね。

教室長

そうですね。さらに学校によっては、タブレットを使ってプレゼン資料を作って発表し合う、という学習を行っているところもあるようですよ。

保護者

パソコンのスキルも学べるということね。

社会に出た時にも役に立ちそうですね。

タブレット教育のメリット&デメリット

保護者

でも不安な点もあります。タブレットがインターネットにつながっていたら、子どもが授業中に好ましくないウェブサイトにアクセスしてしまったり、それで悪質サイトのトラブルに巻き込まれてしまったりしないんでしょうか?

保護者

そうならないためにも、情報やパソコンに関する知識、いわゆる情報リテラシーの教育が必要になりそうね。

教室長

その点においては、タブレット教育は逆にメリットになるとも考えられているんですよ。学校でタブレット端末などのIC機器に触れることで、ICTスキルやリテラシーの向上が期待されると言われています。もちろん、大人がきちんと管理してあげることも必要ではありますが。

保護者

リテラシーって何ですか?

保護者

ITに関していうと、「情報を十分に使いこなせる能力」だとか、「大量の情報の中から必要なものを収集して、分析したり活用したりするための知識や技能」という意味ね(※1)。

学校でしっかり教えてもらえると安心ですよね。

保護者

ほかに、タブレット教育のメリットにはどんなものがあるんですか?

教室長

メリットとしては、まず授業の幅が広がることが挙げられます。音声データや動画、CG資料を使えるので、さまざまな角度から学習できるようになりますよね。

保護者

先ほどのお話にあった例を思い浮かべると納得がいきますね。

教室長

また、授業の幅が広がることでお子さんが楽しみながら学習できる点も大切なメリットの1つですね。

保護者

逆にタブレット教育にはデメリットもあるんでしょうか?

教室長

デメリットは導入環境にあると言われていますね。まず導入には予算がかかるので、なかなか一斉には導入できないという課題があります。導入できる学校とできない学校で、教育の差が生まれてしまう可能性があるのが現状です。また、法整備の遅れも導入を妨げていると言えます。デジタル教科書はまだ認められていないので、導入してもなかなか有効活用できないという学校もあるようです。

保護者

タブレットがもっと広く導入できるような制度や環境が整うことを期待したいわね。

タブレット教育導入事例と今後について

保護者

現状ではタブレットを導入している学校はどのくらいあるんですか?

教室長

現状では導入している学校はごくわずかにすぎませんが、あるデータによると、公立の小学校、中学校、高校の導入台数は、2014年時点で前年比2倍以上(※2)に増加したといわれています。今後も急速に広がる可能性がありますね。

保護者

1年で2倍以上というのはすごいですね!実際に導入した学校ではどんな効果が見られたんですか?

教室長

学習を楽しむようになったことで、生徒が自ら考えて学習するような「主体的な学習」が推進されたという話はよく聞かれますね。

保護者

理想的な学習のあり方よね。

教室長

今後もタブレット教育は広がる可能性がありますね。ひょっとすると、試験のあり方も変わるかもしれません。

保護者

まさか、紙のテストからタブレットのテストに?

教室長

そんな時代も、もしかしたら来るかもしれませんね。実際アメリカのカリフォルニア州では、州統一テストが紙のテストではなくパソコンで行われています。これがパソコンより低予算で導入できるタブレットで実現されることも、十分考えられますよ。

保護者

保護者の私たちも楽しみになってきますね。

参照:(※1)IT用語辞典 e-Wordsなどを参照した。

参照サイト:(※2)
http://resemom.jp/article/2014/08/08/19874.html
公立小中高校のタブレット端末導入台数、前年比2倍の7万台