世界的に流行を見せるオンライン教育は、日本でも徐々に拡大してきています。オンライン教育は日本の教育現場をどう変えていくのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
目次
オンライン教育を知ろう!
保護者
「オンライン教育」って具体的にどういうものを言うんですか?自宅でできる学習っていうことを聞いて少し興味がわいたんですが、いまいちイメージできなくて。
教室長
インターネットを通じて、ウェブ上で先生の授業を受けられるシステムのことです。
2008年ごろから流行し始めたシステムですね。アメリカなどでさかんですよ。海外では大学の講義を無料で受講できるシステムが広く活用されています。「MOOC」(Massive Open Online Course)などと呼ばれていますね。
保護者
無料ですか!?
教室長
予算的な問題や地理的な問題、時間的な問題があって大学に通えない人を対象にしたサービスが多いためですよ。社会人の方などが対象になっていますね。ちなみに、中学生や高校生向けの教材を配信しているプラットフォームも世界的には多くありますよ。有料のものから無料のものまでさまざまです。
オンライン教育のメリット&デメリットとは?
保護者
じゃあ、オンライン教育にはどんなメリットがあるんでしょうか?
教室長
忙しかったり予算的に厳しかったり、キャンパスが遠かったりする人が大学に通わなくても学習できることが第一ですね。中学生や高校生向けのオンライン教材についても一部同様ですよ。インターネット環境さえあればいつでもどこでも学習できる点は、大きなメリットです。スマートフォンなどですきま時間を使って学習することも可能ですしね。また、たとえば動画形式の教材では、わからないところを何度も巻き戻して繰り返して見たり、逆にわかるところをさっと飛ばしたりして、効率的にしっかり学習できます。
保護者
お子さんが自分のペースで勉強できる点が重要ですね。
教室長
中にはオンライン上でわからないところを先生に質問できるシステムもあるそうです。
保護者
それは安心ですね!
でも、自宅でパソコンを使ってやる学習となると、対面授業に比べてデメリットもありそうですね。
教室長
対面授業に比べると、お子さんがわからない箇所が出てきたときにどうしても対応が遅れてしまいますよね。すぐには質問に答えてもらえないことが多いです。また、IT環境やお子さんのパソコンスキルによって勉強のしやすさに差が生じてしまう可能性があります。
保護者
まずはIT環境を整えることから始めないといけないですね。
教室長
生徒の学習状況の把握も課題の1つです。オンラインでの授業を見たらそれだけでお子さんが勉強した気になってしまって、内容が頭に入っていないという可能性があります。また、自学自習が主体になるので、お子さんのモチベーションが続きにくい場合もあります。
保護者
お子さん1人ひとりの学習状況をきちんとフォローできるシステムが必要ですね。
教室長
実際に、対面授業と併用したり、オンライン教材の最後に確認問題を設けたりして習熟度をチェックするシステムを取り入れている場合には、オンライン教育の効果が大きく表れているそうですよ。
今後、オンライン教育は広まるの?
保護者
実際にはオンライン教育ってどのくらい活用されているんでしょうか?
教室長
世界的なオンライン教育サービスであるKhan Academy(カーン・アカデミー)では、月間600万人が受講している(※1)と言います。
保護者
月600万人もですか!?
教室長
また日本でも、東京大学や京都大学で無料のMOOC(※2)が配信され始めていますし、中学生・高校生向けのコンテンツも、学習塾を中心に展開されていますよ。インターネットのビデオチャットを利用した完全オーダーメイドのオンライン教育も人気です。
保護者
オンライン教育が、今後の教育現場のあり方も変えていきそうですね。
教室長
もし今よりオンライン教育が一般的になれば、先生がこれまで学校で授業をしてきた部分はオンライン教育で行っていくかもしれません。そして学校ではディスカッション形式の授業がもっと増えていって、先生は生徒さんをフォローするという役回りに変わるかもしれませんね。
保護者
子どもが学習しやすいような環境がどんどん整っていくとよいですね。
(※1)参照サイト:
http://kisobi.jp/online-learning/3604/
オンライン教育・MOOCsの現状、課題、可能性 ー Courseraで東大の講義配信開始 – Kisobi キソビ
(※2)参照サイト:
http://www.jmooc.jp/
MOOCとは、Massive Open Online Coursesの略で「多くの人に無料で開かれたインターネット上の講座」のこと。