保護者の方の期待をお子さんが感じる時

保護者

最近うちの子に怒ってばかりになっていて、正直参っているわ。

保護者

私もつい叱ってしまいます。あまり叱るのはよくないと思っているんですけど、やっぱり心配だし、それだけ期待しているんだって言ってしまうんですよね。

保護者

そうそう。もっとうまく期待する気持ちを伝えてあげられるとよいのになと思うわよね。でもそもそも子どもって、どういう時に保護者の期待を感じるのかしら。やっぱりほめられた時かしらね?

保護者

そうかもしれませんね。期待と似ていますが、保護者が応援している気持ちがうまく伝わればよいですよね。

保護者

きっと、子どもが「保護者が自分を理解してくれている」って感じることが大切なのよね。

保護者

でも注意しないと、逆のパターンもあるわよ。

保護者

逆というと、どういうことですか?

保護者

過剰な期待が子どもにプレッシャーを与えてしまう場合ね。最近だと、保護者のほうが進路に熱が入っている場合があるでしょう?子ども自身の行きたい学校ではなく、保護者が行かせたい学校を受験させるといった話もあるじゃない。

保護者

そうですね。私の友だちでも思い当たる方はいますね。

保護者

何よりお子さんのためなんだろうけれど、本人からしたら、自分で選ばせてもらえないって思っちゃうかもね。

保護者

そういうふうに保護者が過剰な期待をかけていると、たとえば子どもの点数が落ちると本気で怒ってしまったり、「あそこのお子さんはもっと勉強ができるのに」っていうふうにお友だちと比べたりもしちゃうんでしょうね。

保護者

そうなると、保護者の期待のせいで、逆に子どもが自信をなくしちゃいそうですよね。

保護者

できればよい期待のかけ方をしたいわ。

ピグマリオン効果とゴーレム効果

保護者

教室長、子どもによい期待をかけるよい方法って何かありますか?

教室長

お子さんの気持ちを正しく知り、お子さんをよい方向に導くことを考えればよいのではないでしょうか。みなさんは、「ピグマリオン効果」(※)ってご存じですか?

保護者

うーん、聞いたことがありませんね。

教室長

「人間は期待されたら、そのとおりの成果を出す傾向にある」ということを言い表した心理学用語ですよ。

保護者

ほめれば伸びる、ということですか?

教室長

まさにそのとおりですね。モチベーションを上げる代表的な手法でもあります。ほめればほめただけ、お子さんのモチベーションを上げられます。ただしここでポイントになるのは、うそのない期待です。保護者の方も一緒になって励まし、喜ぶことが大事ですね。

保護者

確かにほめることのメリットってたくさんありそうですよね。

保護者

愛情を持って伝えることで、お子さんも喜んでくれそうですよね。

教室長

ほめる時のポイントは、できるだけお子さんを承認するような言葉を使うことです。たとえば、「さすがだね」「がんばったんだね」「次も期待してよい?」「その調子」など、お子さんががんばりを持続できるような言葉を選ぶことが大事ですよ。

保護者

何だかうちの子をうまくほめられそうな気がしてきました。

教室長

そうですね。けれども同時に注意が必要な部分もありますよ。

保護者

どういうことですか?

教室長

人はよいことよりも、わるいことのほうが記憶に残りますよね。ですから失敗したり自信をなくしたりすると、負の連鎖でますますわるいほうに転がってしまいがちです。そんな時に厳しい言葉をぶつけたとしたら、お子さんのやる気はもっとなくなってしまうでしょう。どうすればよいと思いますか?

保護者

もしかして、そんな時こそほめるべきってことなんでしょうか?

教室長

そのとおりです。保護者の方がお子さんに期待しないと、その期待の度合いに合わせて点数も下がっていきます。これは「ピグマリオン効果」の逆で、「ゴーレム効果」といいますよ。

 

 

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保護者の期待からくるデメリット

保護者

では逆に、期待からくるデメリットって具体的に何かあるんでしょうか?

教室長

まず、過剰な期待は、お子さんのモチベーションをアップさせるどころか、プレッシャーを与えることになります。プレッシャーを与え続ければ、どうなると思いますか?

保護者

私なら勉強がきらいになりますね。

保護者

そうなると、反抗するようになるかもしれませんね。

保護者

信頼関係が崩れると、保護者への秘密も多くなるわよね。秘密ばかりになった時が怖いわ。

保護者

何だか私たち保護者にとっても悩ましいことが多くなりそうですね。

教室長

そうですね。少し大げさかもしれませんが、そういったことは、後々の子育てにも大きく影響を与えるかもしれません。

保護者

そうならないためにも、人と比べるようなことを言うのはよくないですね。私、気づかずに言っていたかもしれません。

教室長

人と比べるような言葉は特にいけませんね。特に子育てに明確な方針があり、お子さんの進路を長い目で保護者が決めてしまっている家庭ほど注意が必要かもしれません。

保護者

そうですね。私も友人同士で話していると、どうしてもほかの家の学習環境がうらやましかったり、よい点数を取っている子に合わせようとしたりしてしまいますけど、自分の子は、自分の子ですもんね。

保護者

本当そのとおりよね。よし! 今日から一生懸命、愛情いっぱいにほめていくわ!

(※)参考URL

https://psychodriver.com/psycholab/pygmalion/pg-buka/
部下を育てるためのピグマリオン効果&ゴーレム効果とは? | 博士と助手の心理ラボ