先輩に学ぶ!オープンキャンパスの失敗談&成功談

まずは、実際にオープンキャンパスに参加した現役大学生206人へのアンケートから、オープンキャンパスでの失敗談・成功談をご紹介します。

 

調査概要

■調査日:2022年5月26日~27日
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:206名(内訳:男性47名、女性159名)
■調査対象者:大学受験目的でオープンキャンパスに参加したことのある日本全国の現役大学生(短大生・専門学校生を除く)

 

【失敗談】知りたいことをチェックしそびれた……

大学のオープンキャンパスの多くは、気軽に参加できるようになっています。

しかし、オープンキャンパスに行く目的をはっきりさせておかないと、「ここをチェックしておけば良かった」「あそこを聞いておけば良かった」……と、知りたい情報をすべて知ることができずに終わってしまうのです。

 

「まなビタミン」編集部が現役大学生206人を対象に行ったアンケートでも、全体の約70%が「オープンキャンパスに参加した後で、見ておけばよかったことがある」と回答しています。

実際に先輩から寄せられた声も見てみましょう。

2校のオープンキャンパスに参加しましたが、交通手段がいくつかあることを知っておくべきでした。
(神奈川県・女性)

 

高校の友だちといっしょにオープンキャンパスに行きました。
大学にどのようなサークル活動があるのか、当日見ておけばよかったです。
(京都府・女性)

 

【成功談】「志望校選び」という目的を持って参加したら……!

準備が不十分のままオープンキャンパスに参加して失敗してしまった、という声がある一方で、オープンキャンパスにある「目的」を持って参加した先輩からは、参加して良かった という声もあがって います。

ここでは、その一部をご紹介します。

同じ大学を受ける予定の、高校の友だちと参加。
実際に通うことをイメージできて、大学受験のモチベーションアップになりました。
(埼玉県・男性)

 

高校の先輩が通っている大学のオープンキャンパスに行きました。
その先輩から直接話を聞くことができて、説明会では聞けないような具体的な受験対策の内容を教えてもらえたり、大学の雰囲気を肌で感じたりすることができました。
(東京都・男性)

2人の先輩に共通しているのは、オープンキャンパスに「大学受験のための志望校選び」という目的を持って参加しているところです。

目的を持ってオープンキャンパスに参加すれば、「実際に通うとしたらどんな感じだろう?」「合格するためにはどんな対策が必要なのだろうか?」と知りたいことが思い浮かんできて、情報へのアンテナを高く持つことができます。

近年はスマホやパソコンを使って参加する「オンラインオープンキャンパス」が普及し、オープンキャンパス へ参加しやすくなっています。
だからこそ、受け身で何となく参加するのではなく、オープンキャンパス参加の「目的」をしっかり持って、事前にしっかり準備しておくことが大切でしょう。

 

オープンキャンパスで志望校を決める!3つの攻略ポイント

それでは、オープンキャンパスで大学受験の志望校を選び、決めるためには、どんなふうにオープンキャンパスに参加すると良いのでしょうか?
オープンキャンパス “攻略のポイント” は3つあります。

 

(1) 複数の大学のオープンキャンパスに参加しよう

「まなビタミン」編集部が現役大学生206名に行った前出のアンケートでは、高校生の時に「2校の大学のオープンキャンパスに行った」という回答が最も多く集まりました。

この数年は新型コロナウィルス 感染症が流行して、気軽に外出しにくい期間もありましたが、それでも75%以上の先輩は複数の大学のオープンキャンパスに参加していたことが分かります。

 

複数参加することで、客観的に志望校を決められるようになる

上記のアンケートでは2校のオープンキャンパスに参加した先輩が最多でしたが、これから志望校を決めるなら3~4校 のオープンキャンパスに参加することをおすすめします。

大学案内のパンフレットやホームページに載っているのは、大学側がアピールしたい情報がメインです。
複数の大学、それも3~4校のオープンキャンパスに実際に参加してみることで、大学同士を比較することができるようになり、弱点も含めて客観的な目線で志望校を決められるようになりますよ。

また、オープンキャンパスに参加したことで、その大学へのイメージや志望度が大きく変わることもあります。
知名度や偏差値、志望する分野だけで志望校を決めずに、実際の雰囲気や環境などをオープンキャンパスでしっかり確認しておくと良いですね。

 

 

(2)「オンラインオープンキャンパス」も活用しよう

オープンキャンパスは、実際に会場に足を運ぶ来校型、オンライン式の「オンラインオープンキャンパス」があります。

大学によって、来校型のみ実施、オンラインのみ実施、両方実施など開催方法は様々です。
また、学部によって実施方法が異なる大学もあるので、気になる大学のオープンキャンパスは、大学のホームページで確認してみましょう。

オンラインのオープンキャンパスは、移動時間や交通費がかからないのが大きなメリットです。
例えば、地方に住んでいて首都圏・関西圏の大学を目指したいケースなど、交通費や宿泊費、移動時間をかけなくても大学の情報や雰囲気を知ることができるので、ぜひ積極的に参加してみましょう。

もちろん、来校型のオープンキャンパスにもメリットはあります。
大学のキャンパスだけでなく、キャンパス周辺の街の雰囲気や治安をチェックできたり、キャンパスまでの交通の便や混み具合を実際に確かめたりできるのは、来校型ならではの利点です。
例えば、志望度の高い大学は来校型のオープンキャンパスに参加して、それ以外の大学はオンラインのオープンキャンパスに参加する、という使い分けをしてみても良いでしょう。

 

(3) オープンキャンパスで知りたいことを明確にしておこう

志望校を決めるためにオープンキャンパスに参加するとしても、オープンキャンパスを通して何を知りたいのかがはっきりしていないと、有意義な時間を過ごすことはできなくなってしまいます。

そこで、オープンキャンパスに参加する前に、5つの観点から大学のことをあらかじめ調べておくと良いでしょう。

 

① 自分の興味・適性に合っているか
② 就職実績や資格取得状況はどうか
③ キャンパスの環境や施設はどうか
④ 入試方法や配点はどうなっているか
⑤ 受験と入学時に必要な費用はいくらか

 

大学についてある程度知っていれば、「〇〇についてもっと詳しく知りたい」「△△はどうなっているのだろう」と、知りたいことが自然と浮かんでくるようになりますよ。

以下、5つの観点をどのようにチェックするか、それぞれ簡単にご紹介します。

 

①自分の興味・適性に合っているか

高校までと違い、自分から学びたい分野を選び、仲間とともに学びを深めるのが大学です。
オープンキャンパスに参加しようと思っている大学・学部で、自分のやりたいこと・興味のあることを学べるかどうか、大学公式ホームページやパンフレットなどでチェックしてみましょう。

同じような名前の学部・学科でも、大学によって教育方針や学べる内容(カリキュラム)がかなり違っていることもあります。大学や学部の名前だけにとらわれることのないよう、注意しましょう。

なかには、「どの大学・学部のオープンキャンパスに参加すればいいか分からない……」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな場合には、気軽に高校や塾の先生に相談してみるのもおすすめです。
特に、大学受験情報の分析力が強みの個別指導塾「東京個別指導学院・関西個別指導学院 」なら、最新情報をもとに的確なアドバイスを受けられますよ。

 

②就職実績や資格取得状況はどうか

大学では、学習・研究以外に就職や資格取得にも力を入れています。
就活生向けのガイダンスやキャリア相談の充実度、資格取得のための特別講義や資格試験の受験料補助制度などがないかどうか、などを大学案内パンフレットや受験情報誌などから確認してみましょう。

また、「将来この職業につきたい」と決めている方は、その大学からつきたい職業に進んでいる人がどのくらいいるのか、という点もよく調べておきましょう。

 

③キャンパスの環境や施設はどうか

キャンパスの環境・設備はオープンキャンパス当日にも確認できますが、これから4年間通い続ける可能性があるところなので、徹底的に事前リサーチしておきましょう。
校舎・実験室の設備や、図書館などの自習設備がどうなっているかをチェックするのはもちろん、学食や売店なども、事前に写真などで様子をつかんでおくと良いでしょう。

特に、実家を離れて一人暮らしをしようと考えている方は、キャンパス周辺が生活の中心になるので、街の雰囲気や治安なども確認しておくことをおすすめします。

 

④入試方式や配点はどうなっているか

選抜方法 には、「一般選抜」と「学校推薦型選抜 」「総合型選抜 (旧AO入試)」の3種類があります。

同じ選抜方式でも、実際の入試方式や配点は各大学で異なっています。
総合型選抜を行っている大学・学部のなかには、オープンキャンパスに参加することで出願資格を得られるようになるケースもあります。大学パンフレットや受験情報誌をよく確かめて、気になる大学のオープンキャンパスには参加しておきましょう。

また、学力試験の各科目の配点に傾斜がつけられていることもあります。得意科目の配点が高くなっていれば、あなたの合格可能性はより高くなります。
「自分にとって有利な入試方法はあるか」「有利な入試方法はどれ か」をチェックしておくと良いでしょう。

 

⑤受験と入学後に必要な費用はいくらか

国公立大学でも私立大学でも、受験するときには受験料がかかります。それ以外にも交通費や宿泊費、英語資格試験などの検定料などがかかることもあります。保護者の方とよく相談しながら、情報収集を進めましょう。
私立大学のなかには、複数の入試方式に志願すると受験料を割り引くところもあります。大学案内のパンフレットや受験情報サイトで確認しておきましょう。

入学手続きの時には、入学金や初年度の授業料などを払い込むのが一般的です。
大学によっては、複数の大学を受験していてまだ他校の合否が出揃っていない場合に、入学金の一部を支払うことで入学手続きを待ってもらえる場合もありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

合わせて、卒業までに必要な学費や奨学金制度もチェックしておきましょう。
奨学金は、日本学生支援機構(JASSO)以外に、大学が独自で奨学金制度を設けている場合もあります。返還が必要な「貸与型」と、返還不要の「給付型」があるので、どのような制度があるか確認してきましょう。

 

 

【無料プレゼントあり】オープンキャンパスでのチェックリスト

ここまで、大学のオープンキャンパスで「志望校を決める」ための事前準備をご紹介してきました。

準備を進めて、いよいよ迎えたオープンキャンパス当日!
知りたいことを確実にチェックするために、さまざまな観点から大学をチェックしましょう。

ここからは、「まなビタミン」編集部がおすすめする、オープンキャンパスでチェックしておくと良いポイント(全31項目)をお伝えします。

 

● 通学に関する項目
● 研究内容に関する項目
● 資格・免許や卒業生の進路に関する項目
● キャンパスの設備に関する項目
● 大学の雰囲気に関する項目
● 入試に関する項目
● 各種費用に関する項目

 

 

オープンキャンパスでのチェック項目【通学】

通学のしやすさ

(所要時間・乗り換え回数)

乗り換えにかかる時間や電車の混雑度合いなどが分かるので、実際に通うつもりで通学経路をたどってみよう。

学年でキャンパスが変わるか

学年でキャンパスが変わる場合は、別のキャンパスへの通学のしやすさ・周辺環境もチェックしておきたい。

キャンパス周辺の環境

落ち着いて勉学に打ち込める環境かをチェック。

通学定期代

乗り換え案内アプリなどでチェック。

 

オープンキャンパスでのチェック項目【研究内容】

志望学部・学科で学べる内容

大学ホームページの学部案内やSNSなどで事前に確認し、 不明点は個別相談会で学生や教職員に聞いてみよう。

カリキュラム

卒業までに必要な単位数、外国語学習の内容やその他の必履修科目がどうなっているかを確認。

授業時間割で、1時限目の開始時刻や最終時限の終了時刻もチェックしておこう。

実験や実習の状況

キャンパス内外で、どのような実験・実習がどの程度行われているかを確認。

留学制度

プログラムの内容や費用、大学からのサポート有無を確認。今年度のプログラム の変更点もチェックしておく。

ゼミ・研究室の内容

学部案内ホームページ などで、興味ある分野のゼミや研究室があるかをチェック。ゼミや研究室への入室方法も合わせて確認しておく。

模擬講義の印象

興味をもった模擬授業を実際に受けてみて、その分野についてもっと深く追求してみたくなったか、自分のイメージしていた内容だったか、ほか思ったことを記録しておこう。

オンライン授業の有無・サポート有無

パソコンやインターネット接続機器の貸し出しなど、大学から受けられるサポートの有無を確認。

転部・転科、他学部履修

転部・転科制度や、他学部の授業を履修して卒業単位に含めることができるか、などを確認しておく。

 

オープンキャンパスでのチェック項目【資格・免許・卒業生の進路】

取得できる資格・免許

資格そのものではなく、資格試験の受験資格が取得できるケースもあるので注意。大学や学部としての資格取得サポートの内容も確認しておく。

卒業後の進路・就職率

学部によっては特定の業界・職種への就職率が高いこともある。大学案内パンフレットなどをチェックし、気になることは個別相談会などで聞いてみる。

就職サポートの状況

「就職支援事務室」などの名前でサポートが行われている。サポート内容を確認しておく。

 

オープンキャンパスでのチェック項目【キャンパスの設備】

キャンパスの広さ

キャンパス内の自転車移動が認められている大学もある。校門から学部の教室や研究室、学食などへの距離、移動にかかる時間をチェック。

教室

講堂のような大教室からゼミ用の小教室までさまざまなタイプがある。一通りチェックしておくと良い。

図書室

自分の興味ある分野の蔵書数や、開室時間、図書室で受けられるサービス・貸し出しの決まりなどを確認。

ICTルーム

レポートやプレゼン資料の作成に使う。開室時間、席数や雰囲気をチェックしておく。

自習室

図書室の一角に設けられていることもある。開室時間、席数や机の広さ、雰囲気をチェック。

実験・研究設備

実験を重ねていく学部では設備の充実度がカギ。可能なら実際の設備を見ておく。

学生食堂や売店

メニューや品揃え、価格を見ておく。実際に学食を食べてみるのも◎

 

オープンキャンパスでのチェック項目【雰囲気】

学生の印象

学生が話している姿や立ち居振る舞いを見て、「自分がどんな大学生になりたいか?」を自分の感性で判断してみよう。

教職員の印象

模擬講義や個別相談会などの場でチェック。

学生数・男女の割合
(大学全体・志望学部)

大学・学部案内ホームページにも書いてあるので、事前に調べておく。

部活・サークル活動の状況

オープンキャンパス当日に体験入部できることもある。各大学や部活のWebサイトやSNSなどで情報をキャッチしておく。

オープンキャンパスでのチェック項目【入試】

入試制度

入試方式や学力試験の科目・配点を確認。

入試日程

複数校受験するときに、試験日が重ならないようにチェックしておく。

面接での質問内容

入試説明会や個別相談会で聞いてみよう。入試対策方法なども、オープンキャンパス参加者限定で教えてもらえることがある。

入試過去問題の入手

パンフレットといっしょに無料配布されていたり、個別相談会などでもらえたりすることがある。

入試変更点

特に、「自分が受験する年度から何が変わるのか」を確認しよう。

 

チェックシートを無料プレゼント!印刷して持っていこう

「まなビタミン」では、ここまでご紹介した全35項目のチェックポイントをひと目で確認できる「オープンキャンパスチェックシート(PDFファイル)」を無料でプレゼントしています。

裏面には、参加したいオープンキャンパスの日程や予約状況をメモできる欄もあるので、スケジュール管理もバッチリ!
A4サイズの用紙に印刷して、オープンキャンパス当日に持ち歩きながらチェックしてみてくださいね。

 

 

オープンキャンパスで未来の母校を見つけよう

この記事では、大学のオープンキャンパスを有意義な時間にするための “攻略ポイント” をお伝えしてきました。

「志望校を決める」という目的を持ってオープンキャンパスに参加すると、ぼんやりと参加しているだけでは気づけないさまざまな情報を知ることができます。
また、大学受験へのモチベーションも上がるので、受験対策に取り組み始めるきっかけにもなります。

特に「総合型選抜」では、オープンキャンパス参加を出願要件にしている大学もあります。つまり、オープンキャンパスに参加していないと出願できなくなることも!
少しでも気になる大学があったら、ぜひオープンキャンパスに参加してみましょう。

どの大学のオープンキャンパスに参加していいか分からないときは、高校や学習塾の先生に相談して、参加する大学を決めてみてくださいね。

 

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