中学生になると夏休みの宿題の量がグンと増えます。宿題は計画的に取り組むのが大切!とわかっていても、実行するのはなかなか難しいもの。そこで、効率的に宿題を終わらせる計画の立て方を考えてみました。
目次
中学生の夏休みの宿題はどのくらい出るの?
保護者
うちの子は中学生になって初めての夏休みなので「夏休みの宿題はどれくらい出るの?」と心配しています。8月31日が近づくにつれて、「宿題が終わらない!」と言って焦るのは、もうコリゴリです。中学生の夏休みの宿題のボリュームはどれくらいと考えればいいんでしょうか?
教室長
国語、数学、英語、理科、社会などの主要な5教科はドリルやワークといった問題集で出されることが多いですね。
小学校では国語、算数のワークが宿題として出されることが多いです。中学校では単純に教科の数だけでも2~3倍になると考えるとボリュームがイメージしやすいでしょう。
保護者
夏休みの宿題といえば、読書感想文もよくある課題の1つね。学校や先生によって課題図書が決まっていることもあって、原稿用紙に3~5枚程度ということが多いわ。
保護者
何冊かの推薦図書から読む本を選ぶかたちが多いかもしれないわね。読書感想文は「本を選ぶ」「本を読む」「感想を書く」と大きく分けて3つのステップがあって、意外に時間がかかるから早めに取り組むのがおすすめよ。
保護者
うちの子に「中学校でも自由研究はあるの?」と聞かれたんですけど、どうなのかしら?
保護者
厳密に言えば「自由研究」という課題は小学生のものだけど、中学校でも工作であったり、気候や植物の観察であったりという課題が出されることがあるわね。工作ならつくるだけではなくて指定のレポート用紙が配られることもあるそうよ。
保護者
うちの子たちの中学校では、観察日記のノートが配布されました。
保護者
こういう課題もテーマから自由となると「テーマを決める」「材料や道具をそろえる」「つくる」「レポートにまとめる」とやることが多くて時間がかかるから、早めに取り組んだほうがいいと思うわ。
教室長
そのほかにも、音楽、美術、保健体育、技術・家庭といった副教科で宿題が出ることもあります。学校や教科の担任の先生によって内容はさまざまですが、たとえば音楽では指定の曲を聴いて感想文を書く、美術ではテーマに沿った絵画を描く、保健体育では運動の記録をつけるといった内容が宿題として出されることがあるそうです。
保護者
なるほど、小学校の夏休みの宿題の量をイメージしていると、中学生の宿題は終わらないかもしれないという気がしてきました。小学生のときに比べて、より計画的に進めることが必要そうですね!
宿題を効率的に終わらせる計画の立て方
教室長
そもそも夏休みの宿題は、お子さんの自主的な学習を促すために出されるものだそうですよ。
とは言え、自分で計画を立てて学習を進められる中学生のお子さんは少ないかもしれません。計画的に学習する習慣を身につけられるように、保護者の方のサポートが必要です。ぜひお子さんと一緒に夏休みの宿題の計画を立てあげてください。
保護者
わかりました。どんなふうに計画を立てていけばいいのか、教えていただけますか?
教室長
もちろんです。まずは全体の宿題の量を把握することから始めましょう。
保護者
量の把握は大切ですね。以前、うちの子の宿題をあまりチェックしないでいたら、夏休み後半に私が気づいていなかった課題が出てきて焦ったことがありました。
教室長
それは大変でしたね。そうならないためにも、初めに宿題の量をチェックしておきましょう。次にそれぞれの宿題について、細分化した課題をリストに書きだします。たとえばドリルやワークなら何ページあって、1日何ページやればいつまでに終わるか計算してみる。読書感想文や自由研究はどんなステップがあるのかを考えるといった具合です。
保護者
なるほど。ただ「読書感想文を〇日までにやる」と決めても、何日かかるかイメージしておかないと進めにくいかもしれませんね。細かい課題に分けて、スモールステップをクリアしていくほうがよさそうです。
教室長
さらに書き出したリストをカレンダーに当てはめて、何日までに終わらせたいか書き込みます。このようにやるべきことを目に見えるかたちでリストやスケジュールにすることで見通しが立つと、手をつけるときのおっくうさが軽減できますよ。さらに終わったものにはチェックを入れて、どこまで進んだか目に見えるようにするのがおすすめです。
保護者
計画倒れにしないためにも、お子さんが慣れないうちは任せきりにしないで、1週間に1回ほど親子で進み具合をチェックして、必要があればスケジュールを見直していくのがよさそうね。
保護者
一緒にチェックすれば保護者も進み具合を確認できますものね。教えていただいた計画の立て方をうちでもぜひやってみようと思います!
保護者
計画を立てる際に、ドリルやワークを先に進めるか、読書感想文など重めのものから始めるかも悩むところですね。
教室長
基本はお子さんの得意なものから始めていいと思います。「なにから手をつけていいかわからない」というときは、ドリルやワークなどから取り組むのがおすすめですよ。机に向かえば課題が終わっていくので達成感があり、次もやろう!とやる気が出やすくなると思います。
保護者
読書感想文や自由研究のような課題はあと回しにしてしまいがちだけど、夏休み中盤までに終わらせておけばあとが楽になるわ。テーマや読む本を夏休み前に決めておくのもいいかもしれないわね。
教室長
そうですね。とにかく夏休みの宿題は一気に終わらせるのではなく、日割りで継続的に行うのが理想的です。計画を立てれば余裕を持って終えることができますし、高校受験、大学受験で必要になる計画的・継続的に学習に取り組むという習慣づけの練習にもなりますよ。
保護者
なるほど!確かに学習習慣を身につけるのにピッタリですね。
なかには夏休みが始まってから一気に宿題を終わらせるお子さんもいると思いますが、そういう計画の立て方はどうなんでしょうか?
教室長
一気にやってしまおうという意欲と集中力があるのはすばらしいですね。ただ、まったく勉強に触れない日が続くのは感覚が鈍るので、おすすめできません。宿題は少しずつ計画を立ててやっていくところに意義もあるのです。お子さんにとってはせっかくの夏休みですし、中学校1、2年生のうちはまったく勉強しない日があるかもしれませんが、中学3年になったら部活動で忙しくても、なるべく学習時間がゼロの日はつくらないようにしたいですね。
宿題にいまいち集中できないときは?
保護者
夏休み中は学校のように時間割もないしリードしてくださる先生もいないしで、うちの子たちはいまいち宿題に身が入らないときがあるんですよね。
教室長
夏休みの宿題は午前中のほうが集中できるとよく言われますね。午前中は比較的涼しいですし、脳がよく働くと言われているため、午前中に勉強するほうが集中できるという意見は多いです。しかし、必ず午前中でなければいけないということはありません。部活動や塾の予定もあるので、お子さん自身が集中できる時間帯を探してみましょう。
保護者
集中できる時間帯がわかれば、1日のスケジュールも立てやすそうですね。どうしても集中できないときはどうすればいいんでしょうか?
保護者
そんなときは勉強机ではなくリビングに移動してみたり、お友だちと図書館に行ったりして、勉強する場所を変えるのもいい気分転換になると思うわ。
教室長
計画どおりに進めなければと思いすぎると、うまく宿題を進められないときに投げやりな気持ちになってしまうかもしれません。そうならないためにも、翌日に持ち越すということも視野に入れて、余裕をもったスケジュールを立てるのがおすすめです。
保護者
ポイントは余裕をもったスケジュールを立てて、ときどき見直すこと、ですね。
教室長
そうです。さらにお子さんのやる気を継続させるには、保護者の声のかけ方も大切です。「まだこれだけしかできていないの?」「遅れているじゃない!」などと否定的な言葉ではなく、「今日はここまでできたね」「毎日よく続けられているよ」と、本人のがんばりを認めてあげるような声をかけてあげてください。