勉強は、無計画に進めるよりも計画的に進めたほうが、断然大きな効果が出ます。しかし実際は、多くのお子さんがうまく計画を立てられていません。ここでは、実行可能な計画を上手に立てる方法をご紹介しましょう。
目次
勉強計画はなぜ必要?
保護者
うちの娘、テスト前になるとあわてて勉強し出すんですよね。
保護者
私もそうだったわよ。
教室長
学校側の意識もテスト前に勉強をするのが当たり前みたいになっていますからね。定期テストはどのくらいできるようになったのかを見るテストであって、一夜漬けの記憶力を見るものではないのですが。
保護者
テスト3日前くらいにあわてて勉強するから、すぐ忘れちゃうんですよね。
保護者
中高一貫校で受験がないからか、授業は速いのに危機感が薄くて。もう少し計画的に勉強してくれればと思うんですけど。
教室長
そうですね。計画的に学習を進められれば、テスト前に焦って勉強する必要もなくなりますしね。それに、計画を立てるメリットはほかにもあるんですよ。
保護者
どんなメリットがあるんですか?
教室長
計画を立てるということは、達成目標があるということです。何かの締切日があったり、ここまでという期限が設定されたりしていると、やる気や集中力が全然違うでしょう?それと同じで、計画を立てることでゴールが見えるからやる気も維持しやすくなるんです。
保護者
たしかに、「あとこれだけ」と思えばがんばる気になりますよね。
教室長
加えて、計画どおりに学習ができれば達成感も得られます。
保護者
「できた!」と思えば、またがんばってみようと思いますものね。
教室長
計画を立てて勉強すると、より効果的に学習できますから、ぜひ計画的に学習を進めてほしいところですね。
計画倒れしない勉強計画をつくるポイント
保護者
でも、計画って難しくありませんか?計画どおりに勉強できた記憶なんてないんですけど。
教室長
それは計画の立て方がよくなかったんですよ。
保護者
計画の立て方ってあるんですか?
教室長
きっちり計画を立てるなら、長期計画から1週間の計画、1日の計画を立てるんですが、いきなり長期計画を立てるのはハードルが高いので、まずはとりあえず1日の計画を立てましょう。
保護者
1日だけでいいんですか?
教室長
まずは、計画を立てて実行し、達成する感覚をつかむことが大事ですからね。
保護者
成功体験が大事ということですね。
教室長
そうです。ですから、無理な計画を立てないことがポイントです。宿題の時間も計画に入れて、あとほんの少し予習や復習を加えるくらいの気持ちが大事です。
保護者
でもそれじゃ、1日の学習量が少なすぎませんか?
教室長
そこで、「これだけは絶対やるぞ」という計画と、「できればここまでやるぞ」という目標の2つのラインを設定しておくんです。「絶対やる」計画は、無理なく達成できることが大事です。
保護者
なるほど。それだと計画はきちんと達成できて、さらに追加して学習できればもっと充足感が得られるんですね。
教室長
調整日と休息日を設けよう
教室長
慣れてきたら、少しずつ長い期間の計画を立てるようにします。最終目標は、定期テストから定期テストまでですね。
保護者
そこまでできれば、あわてて勉強することもなくなりますね。
教室長
長期の計画を立てる場合には、週に半日は調整日を、週に1日は休息日をつくりましょう。
保護者
調整日と休息日ですか?
教室長
どんなに綿密な計画だったとしても、想定外のことは起こります。風邪をひくかもしれないし、宿題がすごく多い日があるかもしれない。そうすると、そこで計画が崩れますよね。
保護者
うまくいかないと、そこでやる気がなくなりますよね。
教室長
そのとおりです。やる気の減退を防ぐためには、計画がうまくいかなかった時に巻き返すための時間が必要なんです。そのために調整日を設けます。
保護者
でも、半日じゃ計画に追いつけないこともありますよね。
教室長
その場合には、計画に無理がなかったかをもう一度検討して、以降の計画も見直します。それも、調整日の役割のひとつです。風邪で寝込んだために計画どおりにいかなかったのなら、1日あたりの負荷に問題はありません。しかし、毎日積み残しがあったのなら、それは計画自体に無理があったと考えて練り直さなければ意味がありません。
保護者
調整日は振り返る日でもあるんですね。
教室長
そうです。あと、休息日も重要です。人は、週に1日くらいは予定のない日をつくっておかないと息切れしてしまいやすいんですよ。勉強に限ったことではないんですけど。
保護者
なるほど。休息も大事なんですね。
教室長
あとは、がんばりが目で見えるように工夫をすると、もっとモチベーションが上がります。たとえば、カレンダーにスタンプを押していくとか、視覚で実感できるようにするのがいいです。100%達成と120%達成では色を変えてみるというのもいいですね。