高校受験は「英語」の成績アップで差がつく!

英語の苦手意識を克服することにより、高校受験でどのようなメリットがあるのでしょうか?

高校受験は国語や数学よりも、英語で成績の差がつきやすい傾向にあります。次のグラフは、都立高校入試での教科別得点分布をまとめたものです。

グラフを見ると、国語や数学は平均点付近に山ができていて、得意な生徒と苦手な生徒の人数に大きな差がありません。一方、英語は得点分布に大きな山がなく、得意な生徒と苦手な生徒の両方がまんべんなくいます。

英語の成績に大きな差が出ていることから、英語の苦手を克服して良い成績を取れると、他の生徒と差をつけられ、高校受験でも有利になりやすいとわかりますね。

さらに、最近は「英語を重視する学部」の受験倍率が下がっていたり、定員割れする中堅・私立大学も増えたりしています。

これは裏を返せば、英語を克服できると、お子さまが受験する高校や大学の選択肢を増やせる可能性があるということです。

もちろん英語以外の教科も大切ですが、高校受験で周りと差をつけたり、志望校の選択肢を広げたりするには、中学1年生の今から英語の成績をアップしていきましょう。

 

英語が苦手な子どもが増えている3つの理由

なぜ、「英語」に苦手意識を持つ子どもが増えているのでしょうか?理由は、主に3つあります。

  • 小学校で学ぶ教科に「外国語(英語)」が追加された
  • 小学校と中学校で「学習内容」が大きく変わる
  • 新しい学習指導要領により「覚える単語数」が大幅に増えた

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

小学校で学ぶ教科に「外国語(英語)」が追加された

「英語の勉強は、中学校からの一斉スタートじゃないの?」と思う保護者さまもいるのではないでしょうか。

実は、2020年度から小学校の学習指導要領が変わり、小学5・6年生で学ぶ教科に「外国語(英語)」が追加されました。そのため、中学校に入学した段階で、すでに英語に苦手意識を持っている子どもも多いのです。

また、中学校の英語の授業は小学校で学んだ内容を前提に進んでいくため、基礎知識を理解しないまま授業に参加して、勉強についていけなくなる子どももいます。

 

小学校と中学校で「学習内容」が大きく変わる

小学校と中学校では、英語の学習内容に大きな違いがあります。

小学校の英語では、聞く・話すなど「音声」によるコミュニケーションが重視され、特に「書くこと」はあまり扱いません。

しかし、中学校からは読む・書くと言った「文字」によるコミュニケーションが加わり、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能がバランス良く求められます。そのため、学校の授業が理解できなくなる子どもも多いのです。

 

新しい学習指導要領により「覚える単語数」が大幅アップ

中学校では、2021年度から新しい学習指導要領(新課程)が実施されました。

新課程により、中学3年生までに覚える単語数は1,200語から2,200~2,500語まで大幅に増えており、このうちの600~700語は小学校の授業で学習します。

中学1年生の教科書に出てくる英単語の約50%は、小学校で習うものです。中学1年生になると、小学校で習った単語はすでに知っている単語として扱われ、定期テストで書けることが求められます。そのため、中学1年生の1学期の段階から、語彙力に差がついている状態に……。

小学校で学んだ英単語を覚えて書けるようにしておかないと、中学校の授業や教科書の内容についていくのが難しくなってしまうのです。

 

英語の苦手を克服するには「中1」からどんな対策をしたらいいの?

では、お子さまが英語の苦手を克服し、成績をアップするには、どうやって対策していけば良いのでしょうか?

中学1年生では、まずは「単語」と「文法」を強化することが、成績をアップするためのポイントになります。

単語の意味や基本的な文法を正しく理解した上で、文章を作成したり和訳したり……と言うように、覚えた知識を活用できる状態にしておきましょう。

続いて、単語と文法を強化するための対策方法をお伝えしていきます。

 

「予習中心」の学習が英語の成績アップのカギ!

英語の単語や文法を習得していくには、「予習中心」の学習が効率的です。

新たな学習指導要領(新課程)により、中学校で覚える単語数は大幅に増えています。学校の授業の時間で新しい単語や文法を学ぶ……と言うやり方では、授業自体についていくのが難しくなり、定期テストまでに学習内容の習得が間に合わないかもしれません。

さらに、新しく習う単語だけでなく、小学校で学んだ単語を覚えているかを確認し、書けるようになることも必要です。

そこで、家庭学習で単語や文法の知識を事前に予習しておき、学校の授業を「復習」の時間として利用することで、学習内容の理解をより深めることができます。

また、学習内容の理解を深めるには、学校の教科書の内容に沿って、何度も問題演習を繰り返すことも重要です。

保護者さまが中学生だった頃とは異なり、新課程の英語では、中学1年生の1学期からbe動詞・一般動詞の使い分け、命令文、疑問視(What、When、Why、Howなど)を使った表現がテストに登場します。演習の機会を増やして問題を解くことに慣れると、定期テストや模擬試験の成績アップ、高校入試の対策にもつながります。

英語の成績をアップするための具体的な方法として、中学1年生から次の3つを対策していきましょう。

  1. 教科書に出てくる単語を完璧に習得する
  2. 教科書以外の読解問題にも慣れておく
  3. 英作文で自分の意見を書けるようにする

中学校によっては、定期テストの英語語彙問題で、英単語を単純に和訳するのではなく、英単語の類義語を書かせたり選ばせたりするような問題も出ています。英単語の意味がわかる、和訳できる……と言っただけでは得点につなげることができず、難度が上がっていると言えるでしょう。

このように、一問一答では対応できない問題が出題されることもあるため、教科書に出てくる単語の「読み」「書き」「聞き取り」「発音」を完璧に習得した上で、類義語や対義語も習得していきましょう。

そのほか、「あなたはこの考えについてどう思いますか?」と言うような英作文問題も出題されるため、自分の意見を英語で表現できるように練習する必要があります。

そして、新課程が始まってからは、英語の読解問題でも、教科書の本文ではなく、初めて見る文を出題する中学校が増えています。

これらのことから、単語や教科書の本文を単に丸暗記するだけでは、定期テストや模擬試験の問題に対応できません。

学校の授業で習う内容に沿って「予習中心」の学習を行い、授業を受けた後は「反復演習」と「応用演習」を行うことで、英語の成績アップを目指しましょう。

 

英語の対策と一緒に「主体的に学習に取り組む態度」も身につけよう

ここまで、英語の成績アップに向けた対策方法をお伝えしてきましたが、同時に身につけておきたい力があります。それは「主体的に学習に取り組む態度」です。

「主体的に学習に取り組む態度」とは……
相手に配慮しながら主体的に英語で話された内容を聞き取ろうとしたり、英語で伝え合おうとしたり、英語で書こうとしたりする態度や、子どもたちが自ら学びを振り返ったり、次に向けた学習計画を考えたりする姿勢のこと。

主体的に学習に取り組む態度は、授業で積極的に挙手をし、発言することだけではありません。

例えば、定期テストの結果が目標に届かなかったとき、「点数が低かった原因はなんだろう?」「次の定期テストで良い点数を取るためには、どうすればいいのか?」など、自分で考えて行動に移していくことが当てはまります。

また、テニスが大好きならば“I like tennis.”よりも“I love tennis.”“I really like tennis.”と言う表現で話す……と言ったように、主体的に相手に伝えようとしているかなども、主体的に学習に取り組む態度で求められる力です。

なぜこのような力が必要になるのかと言うと、新しい学習指導要領の実施により、どの中学校の観点別評価にも「主体的に学習に取り組む態度」が追加されているからです。

観点別評価から「内申点」として、やがて高校受験にも影響します。特に、神奈川県立高校入試や共通選抜の第2次選考では、調査書の「主体的に学習に取り組む態度」を数値化して、選抜に利用されます(2024年2月実施以降)。

「主体的に学習に取り組む態度」は、すぐに身につけられる力ではないので、中学1年生から自発的に考え、行動することを習慣づけていきましょう。

 

「主体的に学習に取り組む態度」を身につけるには?

「主体的に学習に取り組む態度」を身につけるには、日頃の親子間の対話が大切です。

例えば、以下のような対話をして、学習の振り返りを意識してみると良いのではないでしょうか。

対話
「なぜ?」と子どもに考えさせる対話 「なんでそう思ったの?」
「どうしてその答えが不正解だと思ったの?」
子どもに学習計画を立てさせる対話 「今日の学校の授業で、どんなことができるようになったの?」
子どもに学習計画を立てさせる対話 「今回のテストは、どうして目標の80点に届かなかったのかな?」
「次のテストに向けてどうしたい?」

このような対話を習慣づけると、指示されたことだけを行ったり、計画を立てたまま途中でやめてしまったりするのではなく、自発的に学習を振り返って次のアクションを起こす力が身につきます。

とは言え、親子は近い関係だからこそ、コミュニケーションがうまくいかないこともありますよね。子どもは親が口うるさく感じたり、親は子どもが言う通りに勉強をしてくれずイライラしたり……というように、親子関係がぎくしゃくすることがあるかもしれません。

そんなときは、学校や塾の先生など、第三者に入ってもらうことも一つの方法です。第三者をうまく活用しながら、「主体的に学習に取り組む態度」を身につけていきましょう。

 

高校受験で周りと差をつけるなら「中1」のうちから英語の対策を!

英語は成績に差がつきやすい教科であるため、苦手を克服できれば、高校受験で周りと差をつけられる、志望校選択の幅を広げられる……などのメリットにつながります。

今回ご紹介した「予習中心」の学習方法で、英語の成績アップを目指しましょう。

とは言っても、「すでに子どもが英語嫌いで、勉強しようとしない……」「苦手な部分はどうやって克服していけばいいの?」「予習中心の学習方法の進め方がわからない」と悩む保護者さまもいらっしゃるかもしれません。

そんなときは、お子さま1人ひとりに合った勉強法をご提案する「個別指導塾」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

東京個別指導学院・関西個別指導学院では、生徒1人ひとりの苦手な教科や、復習が必要な箇所を洗い出して対策するため、効率良く成績を伸ばすことができます。高校受験に向けて、今のうちからお子さまの英語の成績をアップしていきたい方は、ぜひ一度ご相談してみてくださいね。

 

個別指導塾が英語の成績アップをサポート

個別指導塾の東京個別指導学院・関西個別指導学院では、お子さまの学校の授業の進度や学習進捗に合わせて、授業の内容を予習できる体制をご用意。苦手な部分など、必要な部分に絞った対策ができるので、お子さまの英語の成績を効率良くアップできます。

中学生の個別指導について詳しく見る »