中学生のお子さまから作文の書き方やコツを聞かれた時にどう答えれば良いかわからず、お子さまへの声かけに対して悩んでいる 方は多いのではないでしょうか。
この記事では、「作文で悩んでいる子どもに助言をしたい」という保護者さまに向けて、作文の 書き方や コツ、アドバイスする際のポイントを解説します。高校受験に 役立つ作文力の鍛え方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
中学生が作文に対して苦手意識を持ちやすい理由
そもそも、中学生が作文に対して苦手意識を持つのはなぜでしょうか。中学生が苦手意識を持つ理由には以下のようなものがあります。
- 何から書けば良いかわからないため
- 書き言葉の表現や語彙力が求められるため
- 作文のルールがわからないため
それぞれの理由を詳しく解説します。
何から書けば良いかわからないため
作文のテーマが決まっていても、何から書けば良いかわからず、作文が進まないケースがあります。
なかでも、福祉や国際理解、環境、人権などの難しいテーマは、普段からあまり意識していない場合があるため、どういった切り口で書き始めれば良いかわからないことが考えられます。
また、作文を書き慣れていないことにくわえ、日頃、活字や文章に触れていないことも作文に苦手意識を持つ要因です。
書き言葉の表現や語彙力が求められるため
「感じたことや言いたいことを、うまく言葉で表現できない」という課題に直面し、作文に苦手意識を持つ中学生もいるでしょう。
表現力や語彙力が身についていない中学生の作文は「でも、私はそう思う」「雪じゃなくてあられだと思う」など、単調で違和感のある文章になりやすいです。
普段から、「すごい」などの話し言葉特有の表現を多用していると、書き言葉が使いにくくなるため、主張したいことがうまく表現できなくなります。
また、中学では新たな表現技法や語彙を習うため、それらを取り入れた作文を書くことが求められます。しかし、表現技法や語彙をうまく活用できないと、作文を書くことが難しいと感じてしまい、苦手意識を持つでしょう。
作文のルールがわからないため
作文には、基本的なルールがあります。このルールを知らないと構成や文章に違和感が出てしまい、「うまく書けない」と苦手意識を持つ原因になります。
句読点の付け方や原稿用紙の使い方、文体を統一するなど、まずは、お子さまが作文の基本ルールを押さえられるようにすることが大切です。
中学生が作文を書きやすくなる基本の書き方
ここからは、作文の書き方のコツを解説します。基本的なルールをお子さまに伝えることで、スムーズに作文に取り組めるようになるため、ぜひご活用ください。
- タイトルは最後につける
- 1文は20〜40文字前後を意識する
- 主語と述語、語尾を揃える
- 冗長表現や重複表現を避ける
書き方のポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
タイトルは最後につける
一般的に、タイトルを自分でつける場合は、作文全体で最も伝えたい内容をタイトルにします。
作文を書く前に、タイトルから考えようとしても、全体がまとまっていないため難しいでしょう。作文を書き終えたあとは伝えたいことがまとまっているので、内容に沿ったタイトルをお子さまが考えやすくなります。
また、最初にタイトルを決めると、作文を書いている途中にタイトルに縛られてしまい、書ける内容が制限される可能性があります。
1文は20〜40文字前後を意識する
1文が長くなりすぎると、読みづらい作文になります。1文が40文字以上にならないように注意しましょう。文章が長すぎる場合は、「2文に分割すると読みやすくなる」などとアドバイスしましょう。
また、1つの文に1つの内容を含ませるように意識することがおすすめです。簡潔な文章を意識することで、無駄のない読みやすい作文になります。
主語や述語、語尾を揃える
「誰が何をした」という主語と述語の関係が正しく揃っていないと、不正確な文章になります。主語と述語が正しく対応しているか、書き終わったあとに一緒に読み返して確認しましょう。
また、「です・ます」調、「だ・である」調など、語尾の口調が揃っているかどうかも確認が必要です。「です」と「だ」など、異なる口調を同じ作文内で併用した場合、読みにくい文章になります。
冗長表現や重複表現を避ける
冗長表現とは、文章内の不必要な語句や表現のことです。例えば、以下のような冗長表現を修正することで、すっきりと読みやすくなります。
- 「〜するようにしましょう」→「~しましょう」
- 「〜することができる」→「〜できる」
ほかにも、より読みやすい文章にするために、重複表現を使わないようにすると良いでしょう。「各〇〇ごとに」「約1週間程度前に」など、同じ意味が繰り返されている言葉は、それぞれ「〇〇ごとに」「約1週間前に」のように修正します。
お子さまだけでは気づきにくい場合があるため、一緒に確認することがおすすめです。
つい使ってしまう冗長表現や重複表現ですが、省いたり、同じ意味を繰り返さないように違う表現に変えたりすることで、読みやすい作文になります。
作文を書く前に押さえておきたい、作文が書きやすくなるコツ
作文を書く前に、作文が書きやすくなるコツを押さえましょう。以下のような手順で進めると、スムーズに作文に取り組めます。
- どのようなテーマで書くのか決める
- 作文の構成を考え下書きをする
- 書きたいことをメモする
- 原稿用紙に清書する
- 読み直して推敲して完成
すぐに原稿用紙に書こうとしても、何も浮かんでいない状態では筆が進みません。テーマが決まったら、そのテーマから考えたことやテーマに関連した体験、要素をメモに書き出しましょう。ここでは無理にまとめようとせず、箇条書きでも大丈夫です。
お子さまがメモに苦戦している場合は、保護者さまが「この場面ではどう感じた」などと声をかけると、取り組みやすくなります。
メモをもとに作文の構成を考え、下書きをしてある程度まとめたら、原稿用紙に清書します。書き終わったらそれで終了ではなく、より良い表現がないか推敲することが大切です。
なお、メモや下書きをする際は、ワードソフトなどを利用すると、字数計算や修正が簡単に行えます。そのため、お子さまがパソコンやタブレットを使い慣れている場合は、ワードソフトIT機器を利用することも有効な手段です。
また、確認をする際は声に出して読むと、お子さまが間違いや不自然な部分に気付きやすくなります。
作文の構成とは
作文の基本的な構成方法として挙げられるのは、以下の2つです。
- 序論本論結論
- 起承転結
それぞれの特徴や構成の作り方について、詳しく解説します。
序論本論結論
序論本論結論は、以下の3つのまとまりで構成されています。
- 序論(はじめ)
- 本論(なか)
- 結論(おわり)
序論は、作文のテーマや方向性を紹介する段落です。本論では、根拠をもとにテーマについて具体的な説明をします。最後に、それまで書いた内容をもとにして、文章を締めくくる部分が結論です。
また、序論・本論・結論はそれぞれ以下のような文章量を意識すると、バランスの良い作文を書きやすくなるので、アドバイスをする際などに参考にしてください。
- 序論:10〜20%
- 本論:60〜70%
- 結論:10〜20%
起承転結
「起承転結」を意識すると、バランスの良い文章に仕上がります。それぞれの段落の役割は以下の通りです。
- 起:作文のテーマについて書く部分
- 承:テーマを受けてさらに内容を深める。自分の意見や疑問を述べる
- 転:自分の意見に対して、理由や根拠を挙げて主張をする
- 結:テーマに関する自分の意見をまとめる
起承転結を意識した作文を書く際は、「転」でいきなり関係のないことを書かないように気を付けてください。
また、子どもの考えを述べるような作文の場合、「承」で自分が感じた疑問を投げかけ、「転」で問いに対する思いや主張などを記載すると、より子どもの考えが伝わりやすくなります。
保護者さまがお子さまの作文についてアドバイスする際のポイント
ここからは、保護者さまがお子さまの作文についてアドバイスする際のポイントを解説します。思春期のお子さまに対して、どのように声かけをしたら良いか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
- お子さまが書いた作文や意見について否定しない
- 作文の書き方や内容など、良いところをしっかりと伝える
アドバイスをする際のポイントを、詳しく解説します。
お子さまが書いた作文や意見について否定しない
お子さまの作文についてアドバイスをする時は、決して否定しないように注意しましょう。保護者さまに否定されると、作文に対してやる気がなくなったり、苦手意識が高まったりする場合があります。
まずは、お子さまの作文や意見を否定せずに受け入れましょう。その後、「ここをこうしてみたら?もっと伝わりやすくなると思う」など具体的なアドバイスをしてください。
作文の書き方や内容など、良いところをしっかりと伝える
作文の書き方や内容など、お子さまが良くできたところをしっかりと伝えて「すごくわかりやすいね」「ここの文章読みやすかったよ」などと褒めることも重要です。そのうえで、作文を書くコツを伝えると、素直にアドバイスを聞いてもらいやすくなります。
ただし、思春期のお子さまは、保護者さまからのアドバイスを嫌がるケースもあるでしょう。
そのような場合は無理に口を出さず、「もし困っていたら教えてね」など、お子さまに寄り添った声かけで、お子さまが相談しやすくなる状況を作りましょう。意識が勉強に向かっているタイミングで声かけを行うことも効果的です。
また、どうしても声をかけにくい場合や具体的なアドバイスがわからない場合は、学校や学習塾などの第三者にチェックしてもらうことも1つの方法です。
高校受験でも役立つ作文力を鍛える方法
授業や夏休みの課題だけではなく、高校受験でも作文・小論文が出題される場合があるため、早い段階から作文力を鍛えることがおすすめです。
ここでは、中学生が作文力を鍛えるためにおすすめの方法を解説します。以下のような方法を取り入れることで、作文力の向上が見込めるでしょう。
- 教科書に載っている説明文や物語文を要約する
- 塾などで作文を添削してもらう
それぞれの方法について、詳しく解説します。
教科書に載っている説明文や物語文を要約する
教科書には、中学生で習う表現技法や語彙、文章の構成方法が記載されています。教科書に載っている文章を「要約」をすることで、作文 力が向上するだけでなく復習にもなります 。
要約は、文章全体を書き写すのではなく、要点を押さえて新しい文章を作ってまとめる作業です。全体を理解していないと要約はできないため、読解力や作文 力を鍛えられます。
お子さまが要約をする際は、まず文章に目を通して、文章全体のテーマや繰り返し使われるキーワードがないかチェックしてもらいましょう 。文章の要点となる筆者の主張を見つけたら、根拠も含めて文章にまとめます。
筆者の主張とは反対の意見が述べられている場合、要約に反対意見も加えると、より主張を際立たせることが可能です。 不自然な文章にならないように、書き直しながら要約してもらうと良いでしょう 。
教科書に載っている文章を要約する以外に、高校の入試問題や問題集に載っている文章を活用することもおすすめです。頭の中で文章を要約して組み立てる力は、高校受験 にも役立ちます。
塾などで作文を添削してもらう
作文は回答例や解説を読んでも、どこが正解なのか、または間違いなのかがわかりにくい課題です。また、自己採点だけでは、お子さまの解答が何点取れているのかがわかりません。
そのため、より点数が取れるように具体的な指導を受けられる、塾や家庭教師などを利用することがおすすめです。
作文は、読む相手に正しく伝わる文章を書くことが大切です。第三者に添削をしてもらうことで、読みづらい部分などを指摘してもらえるため、作文力が 向上し、 高校受験対策に も役立ちます。
特に、高校受験で推薦方式を利用する場合は、作文・小論文だけでなく志望理由書をまとめるのにも作文力が重要なため、塾講師などによる添削が必要です。
東京個別指導学院・関西個別指導学院では、お子さまと相性の良い講師が作文の添削などを行います。お子さまの学力に合わせて作文の授業や添削を行うため、効率的に作文力を向上させることが可能です。また、面接対策などの受験に向けた対策も実施しています。
東京個別指導学院・関西個別指導学院の高校受験への取り組みが気になる保護者さまは、下記ページをご確認ください。
お子さま専用の学習プランで、作文添削も!
東京個別・関西個別の高校受験対策
作文の書き方やコツを把握し 、高校受験にも役立つ作文力を養おう
作文は、子どもが苦手意識を持ちやすい課題の 1つです。「何から書けば良いかわからない」「そもそも作文のルールがわかっていない」ことなどが原因として考えられます。
基本的な作文の書き方や構成を押さえることで作文は書きやすくなるため、この記事で紹介した基本的な書き方をアドバイスすると良いでしょう 。
お子さまの作文にアドバイスをする際は、決して否定をせず、良いところを褒め ることが重要です 。また、1回で上手に書けるようになるのではなく、書き直しをして上達していくものだということも伝えると良いでしょう。
作文力を向上させることは受験対策としても役立ちます。作文力を身につけるには練習が必要ですが、保護者さま が全てにおいてアドバイスをするのは難しいでしょう。
その場合は 、塾などの 第三者に添削して もらうこと も検討してください。作文力が鍛えられるだけでなく、受験対策なども受けられます。
作文力が求められる高校受験の指導実績が豊富な 東京個別指導学院・関西個別指導学院なら、お子さまの作文に対して的確なアドバイスをすることが可能です。個別指導を 行っているため、作文を書いていてわからない部分や悩みもすぐに相談できます。
教室見学や体験授業は随時受け付けているため、 東京個別指導学院・関西個別指導学院についてもっと知りたい方は、公式サイトをご覧ください。
目標達成を自分のペースで。1人ひとりに最適な学習プランを組み立て、着実なステップアップを応援します。高校受験、私立補習・内部進学、定期テスト、英検対策までお任せください。中学生の個別指導