中学受験といえば、中学受験塾に通って受験するもの……と思いながらも、さまざまな理由から塾なしで受験したいと思う方も多いのではないでしょうか。
とはいえ「塾に通わず中学受験をするのは難しい?」「今は塾に通っているけど、途中でやめたら失敗する?」など、疑問や心配が残りますよね。
この記事では、塾なしで中学受験に挑戦するケースや、中学受験を成功に導くための5つのポイントをご紹介していきます。判断に迷った際は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
塾なしで中学受験するケース①はじめから塾に行かず受験にチャレンジ
中学受験に向けて塾に通う小学生の数は年々増えています。
特に、難関校を目指す場合の入塾時期が早くなってきています。
しかし、なかにはもちろん、はじめから塾に通わず中学受験にチャレンジする方もいます。
中学受験には、受験料や模試の費用、さらに私立中学校であれば入学時・入学後の学費もかかります。
そのため、「なるべく費用を節約したい」と考えるのは自然なことです。
それ以外にも、「クラブ活動や習い事などを中学受験と両立したい」「共働きで塾への送り迎えができない」といった理由で、中学受験の塾に通わずに受験をする場合があります。
中学受験塾に通うと、勉強時間や勉強量が増えて忙しくなり、クラブ活動や習い事など、これまで続けてきたことをお休みしなければいけない場面も出てきてしまいます。
そのため、「これまで子どもが頑張ってきたことや、好きなことを中断させたくない」と思い、あくまで両立したいという理由で、中学受験塾に通わない選択をする方もいます。
塾なしで中学受験するケース②途中から塾なしに切り替え
なかには、一度は中学受験塾に通ったものの、途中で塾なしの中学受験に切り替える方もいます。
例えば、中学受験塾に通わせたものの、成績や模試の結果が思うように伸びず「このまま塾に通っていても意味がないのでは?」と思った結果、通塾をやめる選択をした、というような場合です。
そのほか、子どもが塾の授業内容についていけなかったり、教え方や雰囲気が合わなかったりすることで「塾に行きたくない」と言い始めて、やむを得ず塾に通うことをやめてしまうケースもあります。
中学受験で大切な5個のこと【勉強面&サポート面】
「中学受験を成功させるには、塾に通わないといけないの?」「塾に通わないと、中学受験って失敗するの?」
そう心配される方もいるでしょう。
塾に通うか・通わないかを考える前に、中学受験を成功に導くために大切なことをご紹介します。
〈中学受験で大切な5つのこと〉
- 正しい生活習慣・学習習慣をつける
- 適切な志望校を選ぶ
- 合格までの計画を立てる
- じっくり考え繰り返し学習する
- お子さまのモチベーションを保つ
これらの多くは、中学受験の塾に通えばサポートを受けられます。
しかし、塾なしで中学受験を行う場合は、保護者さまが意識しなくてはいけないことです。
「塾なしでも、すべての項目を家庭内でカバーできる!」と自信を持てるのであれば、塾に通わず中学受験に挑むことができるでしょう。
ここからは、それぞれの項目について、実際の保護者さまの声も交えながら紹介していきます。中学受験塾に通うか通わないか、迷ったときの判断基準にしてみてくださいね。
1. 正しい生活習慣・学習習慣をつける
まず、中学受験に挑む前に、規則正しい生活習慣と学習習慣を身につけることが大切です。
ほとんどの小学生、とくに低学年や中学年のお子さまにとって、自ら毎日集中して勉強に取り組むのは難しいものです。
そのため、保護者さまがお子さまの勉強を習慣化してあげることで、学習機会を確保していく必要があります。
中学受験塾に通うことになれば、勉強時間は自然と確保できますが、そうでない場合には保護者さまが仕事や家事の合間をぬって、お子さまの学習をサポートすることになります。
塾に通わないお子さまが塾と同じくらい勉強の機会を確保できるか、保護者さまの関わりや指導がより重要だとわかりますね。
2. 適切な志望校を選ぶ
次に、適切な志望校を選ぶことも、中学受験で成功するために大切なポイントです。
「絶対にこの学校に行きたい!」という希望はもちろんのこと、お子さまの学力や性格、受験までに残された時間に見合った志望校を選び、合格に向けた対策を行うことが必要です。
中学受験の競争は激化してきている状況です。そのため、「どうやってお子さまに合う志望校を選び」「受験スケジュールを組むのか」という受験戦略を立てることが重要となります。
例えば、あえて中学受験をして国私立中に通わせたいと……決断したそもそものきっかけを思い出し、ご家庭での学校選びのこだわりポイントで志望校を選んでいきましょう。
〈こだわりポイントの例〉
- 面倒見のよい学校か、自主性を尊重する学校か
- 学校の歴史や設立の経緯
- 大学付属校か、準付属校か、進学校か
- 男子校・女子校か、共学校か
- 力を入れている教育内容(理科教育、外国語教育など)
- 自宅からの通学時間
- 入りたい部活動の有無
- 施設(広いグラウンド、天文台など)
次に、チャレンジ校・実力適正校・押さえ校・安全校など、志望校をレベル別に分けて考えてみましょう。
あえてチャレンジ校を狙うなど目標を高くして、模試でお子さまの可能性を広げていくことも1つの方法です。
そのほか、中学受験に関する全般の情報はもちろん、志望校に特化した情報・ノウハウの収集も大切です。
実際に塾なしで中学受験に挑んだ保護者さまからは、さまざまな情報が流れていて「どの情報が正しいか判断できなかった」「志望校の出題傾向が掴めなかった」という声が上がっています。
自ら戦略を立て、情報収集までカバーするのは、難しいと感じる保護者さまもいらっしゃるかもしれません。
3. 合格までの計画を立てる
志望校が決まったら、合格に向けて「どんな勉強を」「いつまでに」「どのくらい」やるべきか計画を立てる必要があります。
中学受験に成功するためには、計画の進捗具合やお子さまの状況に応じて、どんな教材やテキストを使用するかを考えることが大切です。
また、志望校の過去問や模試を受験させて目標に対する進捗をチェックし、必要に応じて計画を見直していくことも欠かせません。
中学受験の集団塾では、教材やカリキュラムが決まっており、模試受験もセットになっているところが多いですが、塾に通わないご家庭ではその役割を保護者さまが担うことになります。
実際に塾なしで中学受験に挑んだ保護者さまからは、「どのくらいの学力が子どもについてきたのか分からず、大変だった」という意見も出ています。
4. じっくり考え繰り返し学習する
中学受験に向けた学習は、ただテキストを解いて答え合わせをすれば良いのではありません。集中して真剣に問題に取り組み、定着するまで繰り返し学習することが大切です。
精読・反復・要点・暗記が中学受験のポイントです。
繰り返し学習によって、学習内容の理解を深め、定着することができます。
また、入学試験は制限時間があるので、ただ正解できるだけでなく「時間内に正解する」ことが必要です。
丸暗記をすると、「目先の成績」は上がる可能性はありますが、理解しているわけではないので、全く同じ問題にしか対応できない、ということになりかねません。長い目線で考えると成績が下がってしまう恐れがあります。
繰り返し学習を通して、じっくり考えて何度も学習する習慣がお子さまに身につくよう、工夫していくことが必要です。
5. お子さまのモチベーションを保つ
中学受験に挑戦するお子さまは、同じ小学校に通って公立中学校への進学を考えている子どもたちと比べると、学校以外の多くの「時間」と「労力」を中学受験の勉強にあてる必要があります。
そのため、比較的自由な時間がある子どもたちがうらやましくなり、「どうして自分だけ、こんなに頑張らないといけないんだろう?」など、ときにはモチベーションが下がってしまうこともあるかもしれません。
塾なしで中学受験にチャレンジした保護者さまのなかには、「自分で家庭教師のように子どもの勉強をサポートしたものの、毎日ケンカしてばかりだった」「自分の頭で考えて勉強しなければ、という子どもの焦りを感じた」などの声がありました。
中学受験は、数年の「期間」をかけて走り続けるマラソンのようなものです。
通常は、小学4年生ごろから塾に通って対策を始めます。それだけ早いうちから対策を始めなければならない、大変なイベントといえます。
お子さまは、そんなマラソンに立ち向かう「選手」です。
中学受験の過程では、勉強がうまくいっているときもあれば、逆になかなか思うようにならず、苦しい時期もあるかもしれません。
特に、中学受験は、お子さま1人ひとりの精神的・身体的成長の差異が大きいため、その時々の適切なペースが異なります。
そんなとき、保護者さまは選手の良き「トレーナー」として、たくさん褒めてあげたり、ときには優しく見守ってあげたりしましょう。
【結論】中学受験をサポートするには「覚悟」が必要
中学受験に成功するための5つのポイントを読んで、「家庭内だけで子どもの中学受験をサポートするのは不安……」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的に公立小学校では、中学受験に深く関わるケースは多くありません。そのため、ご家庭や中学受験塾などの場所での努力が必要となります。
もちろん、中学受験塾に通わなくても、通信教育や参考書を使って対策をすることも可能です。
実際に、塾に通わずに中学受験をした保護者さまからは
「過去問を保護者さま自身が分析して、お子さまと一緒に勉強した」
「参考書を使って、お子さま自身のペースで学べた」
といった声も上がっています。
しかしその場合、保護者さまが学校情報や入試情報を集めて過去問を分析したり、参考書を選んでお子さまの学習を見たりする必要があります。
ほかにも、日々、お子さまの様子を観察して、モチベーション面やメンタル面のケアが必要となるので、親子ともに精神的・肉体的に大きな負担がかかる可能性が高いです。
このような負担すべてを理解した上で「それでも塾なしで中学受験できる」と判断できるか、改めて考えてみることをおすすめします。
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