紙の辞書と電子辞書どちらがいいの?

保護者

新しい国語辞典の購入を考えているのですが、電子辞書を使うお子さんも多いそうですね。紙の辞書と電子辞書、どちらがいいのでしょうか。

保護者

うちは紙の国語辞典を持たせています。電子辞書よりも調べるのに時間がかかるけど、辞書に直接メモできるから使いやすいみたいですよ。

保護者

うちの子は電子辞書を使っています。調べるのに時間がかからない手軽さがいいみたいです。軽くて持ち運びやすいところも気に入っていると言っていました。

教室長

紙の辞書と電子辞書は、一概にどちらのほうがいい、ということはありません。お子さんの目的や用途、性格に合う辞書を使うことをおすすめします。

保護者

目的や用途以外に性格も関係するんですか?

教室長

はい。紙の辞書と電子辞書には、どちらもメリット・デメリットがあります。紙の辞書は持ち運びが不便で、調べるのに時間を要します。しかし、時間をかけて調べた分、頭に入りやすくなるメリットがあります。先ほどおっしゃっていたように、調べたページに直接メモをとれるのもうれしいポイントです。
一方、電子辞書は時間をかけずに調べることができて持ち運びに便利です。しかし、その反面で電子機器は集中力の妨げになる懸念材料でもあります。

保護者

メリットとデメリットをお子さんの性格と併せて考えるということですね。うちの子は、スマートフォンを長時間使い続けてしまう傾向があるから、紙の辞書にしてよかったかもしれません。

保護者

うちは中学から紙の辞書と電子辞書の両方持たせていたわ。大学生になった今でも、そのときの目的や用途に合わせて変えているみたいよ。

教室長

それはとてもいいですね。2つの辞書をケースバイケースで使い分けて活用できるのが理想的です。

国語辞典の正しい使い方とは

保護者

うちの子はせっかく国語辞典を買ったのに、全然使ってないみたいなんです。なぜ使わないのか聞いてみたら、「どのタイミングで使えばいいかわからない」と言っていました。

教室長

実際、辞書を正しく活用できているお子さんは少ないと思います。ただ、大人でも書き言葉になると、自信がないと言う方も多いと思います。子どもだけの問題ではありませんよ。

保護者

確かにそうかもしれないですね。私も正確に理解できている自信がないです。

教室長

表記や用法に自信を持って説明できる言葉は案外少ないと思います。正しく言葉を理解するためにも、ふだんから気になる言葉を調べる習慣をつけておきましょう。

保護者

そう考えると、調べる言葉はけっこうありそうです。私たち保護者も学習する心を忘れないようにしないといけませんね。

教室長

辞書を引く大きなメリットは、単語の意味だけでなく用例や慣用句も一緒に学習できることです。その言葉の「プラスアルファ」を知ることで、理解を深めることができると思います。

 

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保護者

先日、うちの子が部活動の先輩から国語辞典をもらったみたいです。辞書は学年をまたいで長く使えるので便利ですよね。

教室長

辞書をおさがりでもらうという話はよく耳にしますが、同じ辞書を長く使い続けることはあまりおすすめしません。

保護者

え、そうなんですか?

教室長

部活動の先輩あるいはお兄さんやお姉さんのおさがりを使うケースも多いかと思います。しかし、言葉は日々変化するものです。時代と共に、使われる言葉はすこしずつアップデートされています。ですので「言葉は生き物」と思って、必ず最新版を用意するようにしましょう。

保護者

そうだったんですね。うちも最新版の国語辞典を用意する必要がありそうです。

教室長

また、できれば2冊以上の国語辞典を手元に用意しておくとよいでしょう。書いてあることはだいたい同じだと思われがちですが、実は辞書によってすこしずつ説明や表現のしかたが違っています。1冊の辞書で100%理解するのではなく、疑問が残る言葉が出てきた場合に、2冊以上の国語辞典で比較できると便利でしょう。

保護者

そうなると、やはり収録語の多い辞書を選んだほうがいいのでしょうか?

教室長

収録語が多い辞書=いい辞書、とは限りません。語数の数え方もさまざまなので、あまり参考にしないほうがいいでしょう。

保護者

そうなんですね。わかりました!

教室長

ここまでのポイントをまとめてみましょう。

1:最新版を使用する
2:最低2冊以上の国語辞典を用意する
3:収録語が多い辞書=いい辞書とは限らない

辞書にはそれぞれ個性があります。最新の言葉に強い辞書、説明に特化している辞書…など、その特性を生かした辞書を選びましょう。

保護者

具体的にどんな国語辞典をセレクトしたらいいのかしら?教室長のおすすめを教えてください。

教室長

わかりました。どういう国語辞典がいいというイメージはありますか?

保護者

うちの子には、メディアで使われる言葉を理解して、世の中の動きを知ってほしいと思うので、最新の言葉に強い辞書がいいと思います。

教室長

メディアや世の中の動きに強いといえば、現代語を多く収録した『三省堂国語辞典』(三省堂)がおすすめです。「スマホ」「ゆるキャラ」「TPP」などの新しい言葉に強く、実感的な語釈にも定評がある国語辞典です。見たままの描写で、わかりやすく説明されているので、知らないものでも姿かたちをイメージしやすくなっています。

保護者

うちの子は集中力があまり続かないんですよね。読んでいて楽しくなるようなものはありますか?

教室長

そんなお子さんには、ユニークでおもしろい語釈が魅力の『新明解国語辞典』(三省堂)がいいでしょう。この辞書は、読む辞書とも言われています。この辞書の最大の魅力は人間的な語釈です。言葉が実社会で、どのようなニュアンスで使われているかを配慮しています。語源についてもほかの辞書よりも記述が豊富です。思わず「へぇー」と言いたくなるような言葉のトリビアがたくさんありますよ。

保護者

一番ベーシックな辞書というと、どれになるのかしら。

教室長

安心安定の『岩波国語辞典』(岩波書店)がいいでしょう。特色を打ち出した辞書が多い中、堅実で一番ベーシックなものがこの辞書です。なるべく多くの人が疑問なく、納得できるような定義をしてくれています。

保護者

本当にいろいろな個性の辞書があるんですね。辞書選びも楽しみになりました。

教室長

ほかにも、誤用について詳しい『明鏡国語辞典』(大修館書店)もおすすめです。間違えやすい言葉の解説を積極的に掲載し、正しい言葉の使い方をわかりやすく指摘しています。全体的に文字が太めで読みやすいのもポイントですね。

保護者

実際に書店で国語辞典を選ぶ時のポイントはありますか?

教室長

辞書選びに困った際は、同じワードを複数の辞書で引いて、語釈が一番しっくりくるものを選ぶといいと思います。ほかにも、装丁のデザインや紙質なども学習のモチベーションに大きく影響します。言葉の魅力は奥が深く、国語辞典には新しい発見がたくさん詰まっています。ぜひ、お子さんにピッタリの辞書を一緒に見つけてみてください。