勉強が楽しかったらどんなによいことでしょう。そう思えるくらい、勉強に対してマイナスのイメージを持っているお子さんは多いものですし、保護者自身も勉強は楽しくないものだと思っていらっしゃるかもしれません。ここでは、勉強を楽しくする方法について考えていきましょう。
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勉強は義務感でやると楽しくない
保護者
勉強って、どうすればやる気になれるんでしょうね。家では宿題とテスト前の勉強くらいしかしてくれなくて。私も、自分がそんなに勉強したかと言われると痛いところですけど。
教室長、勉強好きでしたか?
教室長
勉強は、本来楽しいものなんですよ。
保護者
勉強がですか?教室長だけじゃないんですか?
教室長
そんなことありませんよ。たとえば、江戸時代には寺子屋が流行ったでしょう?みんな勉強したかったんです。
保護者
でも、楽しいなんて思った記憶はほとんどないですよ。
教室長
勉強が楽しくない理由はいくつかあります。まずは、やらなければならないという「義務感」。人間、義務になってしまうと楽しさが半減してしまいます。そして何より、「わからない」「できない」という理由が大きいですね。
保護者
たしかに、やらなければならないことってやる気が起こりにくいですよね。それが難しかったりできなかったりすると、叫びたくなっちゃうかもしれません。
教室長
大人でもそうですよね。子どもなら、なおさらです。しかも勉強は、子どもたちにとって優劣を測る尺度でもあります。日本の教育は特に、年齢で学習内容が決められていて、必ずしも自分の能力に合った学習ができるわけではありませんから、「やらなければならない」→「やりたくない」→「わからない・できない」→「もっとやりたくない」と悪循環が起こってしまうんです。
まずは「できる」を体験して自信をつける
保護者
でも、それってどうしようもないですよね。この日本という社会で生きていく以上、勉強はしなければならないし、年齢で学習内容が決まっているのも、どうしようもないですし。やっぱり、勉強は楽しくならないものなのでしょうか。
教室長
そんなことはありませんよ。できないから楽しくないわけですから、勉強ができるようになればいいんです。
保護者
どういうことですか?
教室長
たとえば、中学2年の連立方程式ができなかったとする。さて、なぜできないのでしょう?
保護者
そうですね…中学1年の1次方程式ができないからですか?
教室長
では、もしその1次方程式ができなかったとすれば、それはなぜでしょう?
保護者
ええと…移項ができないとか、負の数の計算ができないとか…。
教室長
そうですね。では、そのお子さんは足し算や九九ができないと思いますか?
保護者
え? たぶん、できるんじゃないでしょうか。
教室長
そうなんです。どんなに「勉強ができない」と思っているお子さんにもできるところはあって、途中のどこかでつまずいているからできないだけなんですよ。だったら、できるところまで戻って勉強すれば、「わかった」「できた」という成功体験を積み重ねることができます。もっとも、自分ではどこでつまずいているのかがわかりにくいこともありますが、そこは大人や先生の出番です。単に「勉強しなさい」ではなくて、「どこがわからないの?」と聞いてあげることで、学習が少しずつ楽しくなっていくんですよ。
保護者
なるほど。
教室長
また、数学・英語・国語の積み上げ科目が苦手でも、理科・社会の暗記で自信をつけていく方法もあります。得意分野にしぼって学習すれば、自信がつき、勉強に対するイメージが変わりますよ。
ゲーム感覚ならもっと楽しめる!
保護者
でも、結果が出るまでモチベーションを保つのは難しいですよね。
教室長
一時的ではありますが、ほかにも楽しんで勉強する方法はありますよ。
保護者
どうすればいいのでしょう?
教室長
勉強はきらいだなと思っても、テレビのクイズ番組はおもしろく見ることはできませんか?
保護者
確かにそうですね。簡単な問題も、「わかるわけない」って思うような難しい問題も、見ていておもしろいです。
教室長
あれは、勉強だと思っていないからおもしろいんですよ。「勉強だ」と身構えるから「やらなければならない」と感じてしまうので、逆にゲーム感覚で学習すればその気持ちを取り払えるんです。
保護者
クイズ形式にすれば楽しく学習できるということですね。
教室長
やっていることは、単語帳や暗記ブックをつくって設問に答えるのと変わりませんが、それを友だちや家族と出し合うだけで、クイズになるんです。クイズ以外にも、絵が得意ならマンガにしてみるとか、マンガやアニメが好きなら好きなキャラクターと関連づけて歴史を覚えるとか。勉強を切り離して身構えるのではなく、娯楽と結びつけて楽しむようにすれば、ずっと取り組みやすくなりますよ。
保護者
おもしろそうですね。
教室長
楽しんで学習したことは忘れにくいという効果もあります。勉強の成果がどこかで実感できれば、机と問題集に向かう勉強も少しずつ好きになっていきますよ。