一般的に宿題は子どもにとって面倒でやりたくないものです。一方、保護者にとっては早く自主的に終わらせてほしいものでもあります。この「差」を少しでも解消するためにも、日頃から子どもの宿題とどう向き合っていけばよいか考えていきましょう。
目次
宿題にきちんと取り組むメリットとは?
保護者
うちの子たち、最近は全然宿題をやらなくなっちゃって。
保護者
2人とも運動部だから、宿題をやる体力が残ってないんじゃないの?
保護者
もともと部活動中心の生活ですからね。学校で習ったことを忘れないようにしっかりやってほしいんですけどね。
教室長
学校で習ったことを復習して定着させるためにも、授業という一過性の学習だけで済ませるのではなく、家庭で繰り返し反復することによって学習の定着度を高めることが必要です。学習時間に限りのある学校だけではなく、家庭でも落ち着いてじっくり取り組むことで学習効果が高まっていきます。でも、宿題の役割はそれだけじゃないんですよ。
保護者
え、そうなんですか?
教室長
ほかにも、
・ふだんから机に向かう習慣をつける
・やるべきことを「やりぬく力」を育成する
といったことがあります。これらは、子どもの心の成長の部分で期待される効果です。さらにいえば、定期的に勉強する習慣をつけることで、前向きな学びを促進しますし、目の前に与えられた課題をクリアしていくことは社会性の醸成にも役立ちます。
保護者
なるほど。確かにそうかもしれません。
学習内容の定着を高める!宿題の効果的な活用法
保護者
学校の授業で教わることって、子どもたちにとっては初めて習うことばかりだから、しっかり復習させたいですね。
教室長
塾などで先取り学習などをしていないのであれば、学校の授業は初めて習うことが多くなります。授業で先生が説明をしてくれると、その場では理解できた気になりますが、それだけでは短期的な記憶となり、時間が経つとすぐに忘れてしまう傾向にあります。学んだ内容を本質的な学力の向上に結び付ける手段として繰り返し行う復習があり、宿題はそのためのものなのです。
保護者
授業って、習ったことを元にしてより発展的な内容に進んで行ったりするから、忘れてしまうと大変ですよね。
教室長
そうですね。応用問題や発展問題は、基礎的な内容が使えることを前提になっています。こうした問題に取り組める応用力をつけるためにも、基礎的な内容の理解定着に宿題が活用できると理想的ですね。
保護者
やっぱり、習った当日にやることが大切なんですよね。
教室長
学校で習った当日に宿題で復習することは定着に役立ちますし、すぐに宿題に取り組めると安心ですよね。でも、お子さんが自主的に宿題に取り組める年齢になったら、わざと時間を空けてから宿題に取り組むことも効果的なのですよ。教育心理学の用語でレミニセンス効果というものがあります。習った直後よりもむしろ少し時間が経ってからほうが知識の活用がうまくなっている場合もあるのです。1週間後に再度同じ宿題や問題に取り組み、学習内容が短期的な記憶ではなく中長期的な記憶として身に付いているかを検証していきます。そうやってレミニセンス効果がついているのを確かめながら実力アップを図るハイレベルな高校受験生、大学受験生たちもいます。
保護者
それはちょっとうちの子には高等テクニック過ぎるかもしれませんね。でも宿題の活用法としてはとても興味深い考え方ですね。
タイプ別:宿題を無理なく進められるコツ!
保護者
それはそうと、保護者から見ると宿題は必要って思えるんですけど、当の子どもにとっては宿題の重要性ってなかなか感じにくいのかもしれないですね。
保護者
目の前にある遊ぶ時間とか自由な時間をとられてしまうと思ってしまうかもしれませんね。
教室長
そうですね。なかなか宿題ができない原因をあげてみましょう。
①宿題の管理が上手ではない
自分にどのような宿題が出ていて、どのような難度で、どのくらい時間がかかるか理解できておらず、どの程度の生活上のパワーとスケジュールを宿題に割くべきかわからない。
②心理的な負担感からの逃避
宿題をやらなくてはいけないという圧迫感が強い。子どもにとってわかりやすいメリットが体感できないことから、心理的に「やる気がでない」「めんどくさい」「やりたくない」といった拒否反応が出てしまう。
③量の多さや難度の高さ
やる気がないわけではないが、出された宿題の量や難度が子どもに合っていない。そのためなかなか手が進まない。
保護者
でも、「宿題はやらなきゃいけないもの」って多くの子どもは理解していると思うんですよ。
保護者
理解はしているけど、それでもやらない、やれないってことですかね。
教室長
宿題をやれるように自分でいろいろ工夫したり、努力をしたりする子どももいるとは思います。ただ、多くの場合、保護者が寄り添って、子どもが自主的に宿題を進められるようにサポートしてあげる必要がありそうです。宿題をやりたくない理由を明らかにして、子どもと一緒に解決していくことが大切ですね。
保護者
「宿題をやりなさい!」って言うだけじゃダメですね。
保護者
さきほど宿題ができない3つの原因がありましたけど、それぞれどんなことが対策として考えられるのでしょうか?
教室長
「①宿題の管理が上手ではない」場合、何を、どのように、いつまでに、といったタスクやスケジュールを明らかにして、管理してあげるとよいでしょう。「○時になったら宿題をする」とか「1日に問題集を○ページやる」といった約束事を決め、これを子どもが守れるようにサポートします。
保護者
宿題管理アプリを使ってみたり、パソコンソフトで表を作ったりして、「見える化」するのも効果がありそうです。
教室長
「②心理的な負担感からの逃避」の場合には、最初はわかりやすいメリットを子どもに与えるとよいでしょう。たとえば、小学4年までであれば、宿題ができたらシールを貼ってあげたりするなど、あまり手間がかからずに子どもがちょっと喜ぶことで構いません。もし中学生、高校生であれば、本人がもっと喜びそうな別のことを考えなければなりませんが、大切なのはモノで釣ることではありません。きちんとできたことをかたちにして表現すること、そして保護者から言葉をかけてしっかりと褒めてあげることが重要です。保護者のほうから寄り添ってお子さん自身を見てくれていることが実感してもらえると理想的ですね。
保護者
そういえば、宿題はやって当たり前と思っているから、宿題ができたから褒めるということはしていなかったかも…。
教室長
「③量の多さや難度の高さ」の場合には、一緒に学習内容の振り返りをするなど、子どもが宿題をできるように誘導してあげるとよいでしょう。すぐにヒントを出してしまうと、子どもは考えるということをせずに終わってしまいます。しかし、あまりに難しすぎる宿題では十分な学習効果が見込めないのも事実です。あくまで宿題は学校で習った内容の反復が基本です。部活動と両立できない量の宿題や、宿題の難度が高すぎる場合は思い切って先生と相談してみてもよいでしょう。
保護者
なるほど、よくわかりました。でも、自分の子どもに勉強を教えていると、つい感情的になってしまうという話を聞いたことがあります。
教室長
確かに、他人の子どもには感情を抑えることができても、自分の子どもだとそれが難しい、というのはわりと耳にしますね。ほかにも、仕事などの関係でなかなか時間がとれなかったり、子どもが反抗期でコミュニケーションがとりにくかったりなどといった事情もありますね。お子さんの勉強に親がどうかかわっていくかは、こちらの記事も参考になります。
一方で、お子さんに対して感情的になってしまうのは親子であれば当然の部分もあります。そういうときは、近くの学習塾に相談してみてはどうでしょう。特に個別指導塾塾の講師であれば、いろんなタイプのお子さんと日々接していますから、子どもの個性別にピッタリ合った対応をしてくれます。私の知っている信頼できる個別指導塾であれば、学校の宿題を塾の学習プランの中に組み込むなど、より柔軟な対応をしてくれるようです。困ったときは、こうした近くの学習塾のサポート体制を活用してみるとよいでしょう。
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