「漢検」は、公益財団法人 日本漢字能力検定協会が実施する「日本漢字能力検定」のことで、小学生から社会人まで2018年度には約198万人が受検しています(公益財団法人 日本漢字能力検定協会 発表)。漢検には、漢字能力を正しく身につけることで文章の理解力を深め、基礎学力を強化するというメリットがありますが、それだけではありません。なんと、高校入試や大学入試、さらには就職活動のさまざまな場面で役立つ資格なのです。入試や就活にどのように役立つのか、漢検の魅力をご紹介しましょう。
目次
年齢を問わず受検できる「漢検」
「漢検」には10級~1級までのレベルがあり、漢字の「読み」「書き」という知識はもちろん、漢字の意味や、適切に使える能力を測ります。級が上がれば部首・対義語・類義語・熟語・故事成語やことわざ、古典的文章での漢字など幅広い語彙力も問われます。
漢字は年齢を問わず学ぶことができるため、3歳から102歳という幅広い年齢層の方が漢検に挑戦しているそうです。
受検方法としては、年3回実施される「個人受検」、学校や塾・企業などの団体で受検する「団体受検」、都合のよい日程を選んで受検できる「漢検CBT受検(コンピューターを使って受検するシステム)」の3種類があります。
入試での加点や、合否判定の参考として活用されることも
「漢検」には、漢字に関する学力の向上だけでなく、12段階のスモールステップで取得する級を上げていくことにより、学習のモチベーションが維持しやすく、目標に向かって取り組む力が身につくなど、さまざまなメリットがありますが、高校入試・大学入試に役立つことでも注目を集めています。
高校入試の場合、点数加算や、合否判定の際の参考として活用する高校が多く、推薦入試の出願要件としている高校もあります。漢検3級(中学校卒業程度)以上を条件としている高校が多いようです。漢検を評価・活用している高校は2000校以上あります(公益財団法人 日本漢字能力検定協会 発表)
漢検の3級以上をめざして取得しておけば、漢字に関する学力を向上させるだけでなく、高校によっては入試で直接点数がプラスされたり、調査書や面接時の自己PR資料として活用できたりとメリットが多いので、ぜひ漢検にチャレンジしてみられてはいかがでしょうか?
大学入試の場合も同様に、点数加算や、合否判定の際の参考、推薦・AO入試の出願要件などに漢検を活用している大学が多く、級を指定している場合は2級以上・準2級以上が多いようです。
これからの大学入試では、思考力・判断力・表現力が重視されますから、漢検で身につく漢字能力や背景知識をともなった語彙力は入試につながる力になりますし、上級を取得しておけば入試時にプラスになることもあるので、取っておいて損はない資格だと言えます。
さらには、就職活動の際も、企業によっては新卒採用の評価指標として漢検を活用していることがありますし、書類の記入時や筆記試験での漢字・語彙力に自信を持てます。
このように、年齢を問わず幅広く役立ち、メリットが多いのが漢検の魅力です。
サポートは東京個別・関西個別にお任せ!
受検する級の目安
漢検は、各級により、レベルと対象漢字数が異なります。お子さんが、どの級から挑戦すると良いか、大体の目安を知っておくと受検しやすいでしょう。
公益財団法人 日本漢字能力検定協会のWebサイトで掲載されている、各級のレベルと対象漢字数は下記の通りです。
【10級】小学校1年生修了程度(80字)
【9級】小学校2年生修了程度(240字)
【8級】小学校3年生修了程度(440字)
【7級】小学校4年生修了程度(640字)
【6級】小学校5年生修了程度(825字)
【5級】小学校6年生修了程度(1006字)
【4級】中学校在学程度(1322字)
【3級】中学校卒業程度(1607字)
【準2級】高校在学程度(1940字)
【2級】高校卒業・大学・一般程度(2136字)
【準1級】大学・一般程度(約3000字)
【1級】大学・一般程度(約6000字)
問われる内容は、漢字の読み・書き、部首の知識、対義語・類義語、四字熟語を正しく意味まで理解できているかなどです。
さらに、準1級・1級では、長文を読み、その文章の中で使われている漢字を正しく読み書きできるかという力も問われます。漢字能力に加え、文章を正しく読み解く力も求められます。
受検級に迷う場合は、公益財団法人 日本漢字能力検定協会のWebサイトで10問の問題に挑戦して受検級の目安をチェックすることもできますし、各級の出題内容や問題例も掲載されているので、参考にするといいでしょう。
「手で書いて・声に出す」を繰り返すことが漢検対策の基本
漢検対策としては、漢字が「読める」ことをベースに「書ける」を目指してください。まずは漢字の「読み」を正しく身につけるために、「声に出して読む」ことをおすすめします。
次に、実際に「書いて覚える」ことが重要です。書いて覚えない限り、正しい漢字を身につけることはできません。受検する級によっては漢字の書き順を問われる級もありますので、正しい書き順で書いて覚えることをおすすめします。
最近はパソコンやスマートフォンの普及により、手を使って書く機会が減っています。
「読めるけれど、いざ書こうとすると正しく書けない」という経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
漢検の教材としては、級ごとに問題集や過去問集、参考書などが販売されています。
また、スマートフォンやタブレットで使える漢検対策アプリもあり、指を使って書く練習ができたり、クイズ形式で覚えられたりと、スキマ時間で手軽に対策することができます。
中高生の場合は特に、普段の予習・復習や宿題に加えての対策となるため、通学時間にアプリを取り入れるなど、効率的な対策を工夫するといいでしょう。
漢字に関する学力を高め、さらには入試でも役立つ漢検。
頑張った分だけメリットがあるので、漢字に苦手意識がある人も、漢検を目標にして取り組めばモチベーションが上がるかもしれません。先に紹介したように、過去問やアプリなどさまざまな教材がありますが、お子さんひとりではなかなか対策が進められない時は個別指導塾で対策するのも1つの手です。
似たような漢字が多いものや画数の多い漢字など、お子さんが覚えるのに苦労している点を見つけてもらい、お子さんに必要なところから優先順位をつけて対策できた方が効率もよいですよね。ぜひ、お子さんに合った対策で、漢検取得を目指してみてください。