中学校に入ってから始まる「定期テスト」は、生徒さんにとって悩みの種のひとつ。効果的・効率的に定期テスト対策を行うための勉強法や、定期テストに向き合う際の基本的な心構えなどをお伝えします。
目次
まずはテスト範囲・重要なポイントを把握する
保護者
今日はいつもより学生さんが多いように感じられます。普段だったら部活動で汗を流している中高生も多いだろう時間帯。今日は部活動はお休みなのでしょうか?
保護者
もうすぐ中学校の定期テストですからね。
保護者
そっか、そんな時期ねぇ。中学生も大変よねぇ。
保護者
中学生にとっては一大イベントですよね。喜ぶ子は少なそうですけど。
保護者
そりゃ、成績に大きくかかわってくるものね。教室長の中学時代はどうでした?
教室長
どうだったでしょうか、なにせ何十年も前の話ですからね。ただ、そうですね…、テストにそこまでいやな感覚はなかったかもしれません。
保護者
えー、そうなんですか。私なんて、いやで仕方なかったですよ。
保護者
私も同じです。テスト勉強しなくちゃ!と思うんだけど、結局何をどう勉強したらいいのかよくわからなくて、とりあえずノートを書き写してみたり。でも、書き写したことでどれだけ勉強になったかと言われたら、ちょっとわからないですよね。
保護者
あら、でもそれをやるだけ偉いわよ。私なんてなかなかやる気が出なくて、気づいたらテスト前夜。もう大体一夜漬けだったわ。教室長はどうでした?
教室長
そうですね、最初に何をどういう順序でやっていくか、計画を立てるところから始めていたかもしれません。科目数を考えても、勉強しなくてはいけない範囲が広いので、ちゃんと効率的にやっていかないと大変ですからね。
保護者
はー、教室長みたいに普段から勉強している人でも、テスト前はちゃんと勉強するんですね。普段から勉強しているんだから、テスト勉強なんてしなくてもよさそうなのに。
教室長
いえ、やっぱりテスト勉強と普段の勉強というのは、ちょっと異なるんですよ。普段の勉強は「内容を理解する」ということ、テスト勉強は「問題を解く」ということで別物なんですよね。
保護者
へー、そうなんですね。ちょっとそのあたり詳しく聞きたいです。実はうちの子ももうすぐテストなので、勉強方法のコツとかあれば、教えてあげたくて。
教室長
ヤマをはる、というわけではないですけど、「どこがテストに出そうか」というところを考えるのは大切なことですよ。授業中に先生が強調していた部分とか、「ここテストに出るぞ」なんて言っていたところは、やはり各科目の重要なポイントなので、重点的に勉強しておいた方がいいところです。
保護者
なるほどね、もし聞き逃していたら、友だちに聞いておいた方がよさそうですね。他には何かあります?
教室長
まず絶対に押さえなければいけないのは、テスト範囲です。ここを間違えてしまったら元も子もありませんから、友だちや先生に確認して、間違いのないようにしておかなければいけないですね。
保護者
あぁ、確かに、当日になってテスト範囲じゃなかったって知って、青ざめてた人いましたね!
暗記は一度に多くの時間をかけるより、繰り返すことが大切
教室長
その上で私は、まずは暗記をしなければいけないものの準備をしていましたね。
保護者
暗記の準備、ですか?
教室長
えぇ、英語で言えば、単語やイディオム、数学でいえば公式など、最低限暗記をしておかなければいけないものを洗い出して、単語帳などを用意するんです。暗記というのは、時間をかけることよりも、繰り返すことの方が大事だと思ったので、テスト前の期間中に何度も暗記の練習ができるように、なるべく早い段階でその準備をしてましたね。
保護者
なるほどねぇ。でも暗記って、なかなか難しいのよね。
教室長
これはもう、覚えるまで繰り返す、というのが一番だとは思いますが、英語であれば、「音読する」というのも結構大切なポイントだと思いますよ。例えば前置詞なんかも、「on Monday」って何度も音読をしておくと、いざテストでその前置詞を問われた際に、「at Monday」だと頭の中で音にした時に違和感を覚えたりするんですよ。それで音が記憶を呼び起こして「on」だって思い出せることもあるんです。単語のスペルだって、完璧ではないにしても、音さえ思い出せればスペルを想像することもできますしね。ただ字として覚えるよりも、音もセットで覚えた方が、暗記の精度が上がると思うんですよ。
保護者
はー、目だけじゃなくて、耳も使って覚える、ということね。ところでさっき、「内容を理解する」ということと、「問題を解く」というのは別物だって言っていましたけど、あれってどういうことなんですか?
問題のパターンを知り、弱点を把握する
教室長
たとえば教科書の説明を読むというのは、「知識を得る」という行為だと思うんですが、問題を解くというのは「知識を使う」行為なんです。得た知識を正しく使えるかどうか、これは問題をたくさん解かなければなかなか身につかないんです。
テストというのは、まさに「知識をいかに使えるか」が問われる場だと思うので、「知識を得る」ことばかりではなく、「知識を使う」練習をたくさんする必要があります。だから、学校で配られるワークや問題集をたくさん解く必要があるんです。
保護者
なるほど、より実践的な練習、ということですね。
教室長
その通りですね。実践を繰り返すことはとても大切なことです。あと、問題集を解くことは他にも意義があって。それは、問題のパターンを知ることができる、ということなんです。
保護者
問題のパターン?
教室長
はい、たとえば距離=時間×速さという公式があるじゃないですか。あれって極端に言えば、距離を問う問題と、時間を問う問題と、速さを問う問題に大きく分類できるんですよ。そうやって、問題になりやすい傾向や問題のパターンを掴んでおくと、いざ本番のテストのときも「あ、これはこのパターンか」なんて思えたりするんです。
保護者
確かにそれはあるかもしれませんね。それにそうやってパターンを見つけながら問題を解いていくと、自分の弱点も見つけられそう。
教室長
まさにその通りです!私は問題をたくさん解いていく中で、間違えた問題を見返し、その部分をノートにまとめておきました。そうすると、私の弱点が詰まったノートができあがるんですね。テストの前日や直前などは、そのノートを見返すようにしてました。
保護者
それはいいですね、勉強の効率も上がりそう。
保護者
あぁ、私も当時そのやり方を知っていれば、一夜漬けで徹夜なんてことせずに済んだのになぁ。
教室長
一夜漬けももちろんですが、徹夜はやっぱりおすすめはできないですね。肝心のテスト中に頭がボーっとしてしまって、わかる問題すら解けなくなってしまう可能性がありますから。
保護者
教室長、そりゃ私だって、したくて徹夜したわけじゃないんですよ?
保護者
あはは、それはそうですよね。でも、だからこそそうならないように、事前にしっかり計画を立てて、準備をしておくことが大切なんですね。
教室長
おっしゃる通りです。
保護者
しかし、テストは「知識を使う場」かぁ。子どもの頃はなんでテストなんてあるんだろう、って思っていたけど、そういうふうに考えれば、大人になっても必要な力を養う大切な場だったのかもしれないですねぇ。