お子さんのテスト結果がよくなかったとき、つい叱ってしまった経験があるという方も多いのではないでしょうか。しかし、結果がわるかったことを叱るのは逆効果になることもあります。結果を次に生かすために、保護者がすべきことや基本的な考え方について見ていきたいと思います。
目次
もっともよくないのは他の人の点数と比べること
保護者
うちの子、この前のテストの結果がよくなくて、昨日もテスト結果をめぐって、親子で口論になってしまいました。
保護者
私もつい「もっと勉強しておけばよかったのに」、「いつも遊んでばかりだから、そうなるのよ」と、強く言ってしまったことがあるわ。
保護者
私も先日、うちの子の模擬試験の結果があまりよくなくて「そんなことで、受験どうするの?」と叱ってしまいました。
保護者
お子さんの成績や将来について真剣に考えているからこそ、叱ってしまう気持ちもわかるわ。でも、叱られたことでお子さんのモチベーションが下がってしまわないか心配ね。
教室長
そうですね。叱られたことで「どうせ自分は勉強したってダメなんだ」と開き直らせてしまうかもしれません。
保護者
でも、「次がんばれば大丈夫よ」「あなたはやればできるんだから!」と、その場限りの気休めを言うのもよくないですよね。
保護者
確かにそうね。本人が定期テストを軽く考えてしまうかもしれないし、単なる気休めの言葉だと、本人の心に響かないかもしれないわね。あと、自分の過去の経験や、友だち、ほかの兄弟や姉妹たちと比べてしまう発言にも注意が必要よ。
教室長
そうですね。「お母さんはもっとできたわよ」とか「お兄ちゃんはこんな点数取ったことないのに」などの発言は、お子さん本人にとって必要以上に強いプレッシャーを与えてしまいます。
保護者
私自身、テストの結果で叱られたことがあるので、つい言ってしまうのよね。
教室長
そこに大きなヒントがあると僕は思うんです。きっと、テストにあまりよいイメージがないのだと思います。そんな気持ちがお子さんに伝わってしまうのではないですか。
保護者
確かに、心当たりがあります。
保護者
自分もドキっとしました。
教室長
テストがイヤなものという思いはお子さんにそのまま伝わってしまいます。さらに中学生になると、多かれ少なかれ、自分のことは自分で決めたいという気持ちが高まってきます。だからテストの点数や勉強のことについて、いろいろと言われてしまうと、素直に聞き入れにくいのです。ですからテストへの取り組み方や点数のことは、誰かとの比較ではなく、自分の問題として向き合えるように持っていってあげてほしいですね。
定期テストに向き合うために…
保護者
どんなふうにして自分のこととしてイメージさせていけばよいですか?
教室長
中学生にとって、一番近くにある大きな目標は「高校受験」でしょう。行きたい高校に入るために、学校の定期テストで何点くらいを取る必要があるか、あるいは模試でどれくらい取ればいいのかを逆算していきます。そこから定期テストの得点をアップさせるには、日々の勉強をどうしていけばよいかを考えていくのです。
保護者
大きな目標を達成するための小さな目標を設定していくということですね。
教室長
そのとおりです。そうやって順序だてて考えていくと、「次の定期テストで何点を目指すべきか」「そのためには今日なにをすべきか」がわかってきます。具体的な目標が明確になると、きっと勉強する意欲も湧いてきますよ。
保護者
でも、それだけでテストにしっかり取り組むことになるのかしら。
教室長
やはり勉強ですから、大変な部分もあるので、実際にはそう簡単には行かないでしょう。ただ、高校受験という目標から見た場合は、定期テストの答案はたくさんのヒントがあります。自分が今できていることとできていないことが書かれているわけですから、間違ってしまった部分から目標に向けてもう一度出発すればいいのです。このように、テストに対するマイナスのイメージをプラスに転換できるとよいですね。
保護者
うちの子をそこまで持っていくことができるのかしら。
教室長
実は、そのために学習塾はあるのですよ。保護者の言うことには耳が傾けられなくても、塾のお気に入りの先生の言葉ならよく伝わることもあります。特に個別指導塾であれば、担当の講師と接する時間が長いので、お子さんとじっくり時間をかけながら前向きな気持ちで取り組んでもらえるように導くことも可能なのです。
保護者
なるほど、塾に対する見方が変わりました。
定期テストは自分との戦い!段取りよく勉強しよう!
保護者
さきほどの日々の小さな目標設定の方法について、詳しく教えてください。
教室長
たとえば、次の定期テストで「5教科で300点取る」と目標を決めたとしましょう。まず今回のテストを振り返って、「5教科300点になるには、なにが足りないか」「なにが今回はよくなかったか」を考えます。そうすることで今まで得意だと思っていた教科に意外な弱点があったり、好きな教科でもいまひとつ伸びていないことに気がついたりできるはずです。
保護者
自分の弱点や課題を自覚するということですね。
教室長
そうです。その上で、「得意科目はなぜ得意なのか、どういうところが好きなのか」「きらいな科目とはどう付き合っていけばよいか」といったことを、お子さんが自分で考えることが大切です。そうやって弱点や課題を掘り下げることで、「どの単位や教科に力を入れるべきか」に気づけます。
保護者
なるほど。なにをするかがわかったら、次の定期テストまでの期間で課題をクリアできるように、具体的な勉強時間や内容を割り振っていけばいいんですね。
保護者
「テストの1ヵ前にはこれをしよう」「2週間前までにこれを終わらせよう」「1週間前にはこれを集中してやろう」というように、ここでも大きな目標から小さな目標にしぼっていくイメージですね!
教室長
はい、そのとおりです。
保護者
大きな目標を達成するには段取りが大事。それは勉強でも仕事でも同じね。
教室長
日常生活でも段取りは大切です。朝、遅刻をしないよう登校するために、起床時間を考えて就寝時間を決めたり、お風呂に入る時間を決めたりといった日々の細かい段取りが勉強にも生きてくると思いますよ。
保護者
毎日、「段取り力」を鍛えるシーンはたくさんあるんですね。
教室長
そうですね。今日のまとめになりますが、まずお子さんの点数を家族の誰かと比較したり、友だちと比較するのではなく、自分の問題として向き合えるようなコミュニケーションをとるように心がけてください。また、自分で立てた目標を確実に達成していくというのは根気のいることです。だからこそお子さんがきちんと段取りを整えて、着実に目標に向かっていけるように、温かくサポートしてあげられるといいですね。
保護者
はい!
教室長
そして、最後にもう1つ。定期テストには本気で向き合ってほしいですが、仮に失敗してしまったとしても「巻き返しが可能である」ということは忘れないでください。イヤな気持ちで向き合うと失敗しやすくもなります。1回の定期テストだけで将来が決まってしまうわけではありませんから、ぜひ保護者の方もお子さんも心に適度な余裕を持ち、のびのびとした気持ちで次の定期テストに臨んでもらえたらと思います。
中学生の個別指導
目標達成を自分のペースで。1人ひとりに最適な学習プランを組み立て、着実なステップアップを応援します。高校受験、私立補習・内部進学、定期テスト、英検対策までお任せください。