中央教育審議会が検討する学習指導要領の全面改訂の目玉のひとつが「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる学習・指導方法の導入です。ここでは「アクティブ・ラーニング」とは何か、授業がどのように変化していくのかをご紹介します。
目次
「アクティブ・ラーニング」とは?
保護者
「アクティブ・ラーニング」ってなんですか?
保護者
いきなりどうしたの?
保護者
この前テレビを見ていたらニュースでやっていたのよ。今後は「アクティブ・ラーニング」が主流になるとかなんとか。
教室長
次の学習指導要領の改訂の目玉ですからね、注目を集めていると思います。
保護者
そうそう、そんなことを聞いたわ。でもちょっと理解できなくて。
教室長
そうですね、「アクティブ・ラーニング」とは、日本語に訳すと「能動的学習」となるのですが、その名の通り生徒さんが主体的に問題を発見し、答えを見つけていくような学習方法のことを指します。
保護者
んー、それはたとえばディベート(討論)とか、グループワークみたいなもののことなのかしら?
教室長
その通りです、理恵さん。仰る通りディベートやグループワークは代表的なアクティブ・ラーニング手法のひとつです。
保護者
授業でそういったことが行われるようになるっていうこと?
教室長
えぇ、これまで講義型の授業が中心だったものを、より生徒さんが主体的に参加できるようなものにしていこう、というものですね。
保護者
なるほどねぇ、でもそう簡単に授業のやり方なんて変えられるのかしら?
教室長
そうですね、簡単ではないでしょう。でも、「アクティブ・ラーニング」はすでに取り組まれているんですよ?
保護者
えっ、そうなの?
保護者
あー、わかった。理科の実験とか、そういうことね?
教室長
えぇ、その通りです。
保護者
「アクティブ・ラーニング」のメリットとは?
保護者
能動的学習って言われれば、なんかよさそうな気はするけど、実際にはどんなメリットがあるのかしら?
教室長
やはり理解度の違いが一番大きいでしょうね。例えばケーキの作り方についても、自分でレシピ本やレシピ動画を見て学ぶのと、料理教室で先生が作っているのを見て学ぶのと、料理教室で実際にケーキを作りながら学ぶのとだと、理解度はきっと違いますよね?
保護者
確かに、最後のが一番理解は早いですよね。ケーキの作り方なんて、いくら知識を詰め込んでも、やってみないとわからないし。
教室長
えぇ、まさにその「やってみないとわからない」ことを実践するというのが、アクティブ・ラーニングの最大の特徴と言えるかもしれません。
保護者
そうか、講義を聞いて知識を入れただけだと本当に理解できているかわからないけれど、実際にディベートやグループディスカッションなどで知識を使う場があれば、自分がどれだけ理解できているかもわかりそうですもんね。
教室長
はい、ですから、もし活発にディスカッションが生まれたりすれば、それはその知識を深く理解するのに大きな助けになるでしょうね。
保護者
なるほどねぇ。でもそんなにうまくディスカッションが生まれたりするのかしらね?
教室長
過去のアクティブ・ラーニングのうまく行かなかった事例をみていくと、基本知識が足りなくて議論が進まなかったというケースが多いようです(※)。逆に言えば、先生も生徒もしっかりと準備して臨めば、議論もはずむのではないでしょうか。
保護者
なるほどね。どこまで行っても、やっぱり基本が大事なのね。
教室長
そうですね。学ぶ楽しさを知って、生徒さんの主体性を引き出していくには、基本知識も大切ということだと思います。
※参照:『アクティブラーニング失敗事例ハンドブック』(名古屋商科大学、2015年)。