「チャレンジスクール」という新しいタイプの高校ができているのをご存じですか? 今回は、チャレンジスクールの魅力や特色についてお話しします。
目次
不登校や中途退学の生徒さんも学びやすい高校
保護者
この間、テレビのニュースで「チャレンジスクール」っていうのを紹介していたわね。
保護者
え? 何ですかそれ。初めて聞きました。
保護者
チャレンジスクールですか。教室長、ぜひ詳しく教えてもらえませんか?
教室長
もちろんです。まず、「チャレンジスクール」というのは、小・中学校で不登校だったり高校を中途退学したりした生徒さんで、「高校でもう一度がんばりたい」というお子さんに対して、支援教育を行う昼夜間3部制の定時制・単位制・総合学科のことです。現在は桐ヶ丘高校、世田谷泉高校、大江戸高校、六本木高校、稔ヶ丘高校の5校が実施しています。また、八王子拓真高校ではチャレンジスクールに準じた教育が受けられる「チャレンジ枠」があります。
保護者
「エンカレッジスクール」というのもありますよね?
教室長
はい。エンカレッジとは、「励ます」とか「力づける」という意味。こちらは、可能性を持ちながらも力を発揮できなかった生徒さんに対して、やる気を育て、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を身につけることを目的とした、学年制の全日制高校です。現在は足立東高校、秋留台高校、練馬工業高校、蒲田高校、東村山高校の5校にあります。
保護者
東京都にしかないのですか?
教室長
チャレンジスクールもエンカレッジスクールも、都立高校に特有の呼称です。ただ、大阪や神奈川でも同じような教育目標を掲げる「クリエイティブスクール」というのがありますよ。
保護者
新しいタイプの高校がいろいろできているんですね。自分に合った学び方ができて、可能性が広がりますね!
チャレンジスクールの5つの特色
保護者
ところで、チャレンジスクールは普通の高校とどう違うんですか?
教室長
大きく5つの特色があります。順番に見ていきましょう。
まず1つ目は、試験科目が違います。入試に学科試験がなく、内申書も重視されません。入試選抜は、小論文(作文)・面接・志願申告書で行われます。
保護者
学科試験も内申書も重視されないのは、どうしてですか?
教室長
お子さんの「これまで」よりも「これから」の部分を評価したいと考えているからです。
保護者
なるほど。
教室長
2つ目は、生徒さん1人ひとりのケアがきめ細かいことです。もし学校や集団生活になじめなかったとしても、カウンセリングや教育相談が充実しています。
3つ目は、定時制・単位制・総合学科があって、普通科の高校とは違った、自分の生活スタイルや学習ペースに合った教育を受けることができます。一般的に、定時制は働きながら学びたい生徒さんに向いています。総合学科は、普通科に比べて選択科目が多く、専門的な科目も学べます。単位制は、自分で時間割を組めるので、関心のある分野を深めることができます。
保護者
本人のチャレンジ意欲を支援する体制が整っているんですね。
保護者
そうね。不登校だった生徒さんでも、これなら通学しやすそうだわ。
教室長
4つ目は、社会で生かせる基礎能力の育成に力を入れていることです。ビジネス系・芸術文化系・生活福祉系など、実践的な知識や技術を学ぶ学科が設置されています。また、ボランティア活動などの体験的な活動を取り入れている学校も多いですよ。
そして、5つ目は、少人数制クラスが主流ということです。集団生活や人間関係が多少ニガテだとしても心理的な負担が少ないと思います。
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「高校でもう一度がんばりたい!」という気持ちが大事
保護者
チャレンジスクールに入学したい場合には、どんな準備や勉強が必要ですか?
教室長
チャレンジスクールは小・中学校を休みがちだったり、高校を途中で続けられなくなったりしたお子さんが、もう一度仕切り直しができるチャレンジの場です。ですから、「高校で何を学びたいか」「高校に進学することで将来的にどうなりたいのか」といった考えが本人の中にしっかりあることが大前提になります。
保護者
入試倍率は高いのでしょうか?
教室長
決して低くはないですね。高校でがんばりたい生徒さんは多いですから。単に「高校に行きたい」という気持ちでは、なかなか合格しにくいと思いますし、もし不合格だった時のために私立高校との併願作戦を立てておくのは必須でしょう。やはり「学びたい」という強い意欲や理由を作文や面接で十分に伝えられるように、入試の準備をしておくことが大事ですよ。