「自分が勉強できないのは才能がないからだ」と思い込んでしまうお子さんを目にすることは多いかと思います。勉強のできる/できないは、生まれつきの才能によって左右されてしまうのでしょうか。また「勉強の才能がある」とはどういうことなのでしょうか。今回は、才能のせいにして勉強をあきらめがちなお子さんに対して、保護者ができることを中心に考えていきたいと思います。
目次
勉強ができないのは才能がないから?
保護者
最近うちの子が「勉強ができないのは才能がないからだ」なんて言い出すようになってしまって、困っているんです。中学生になって定期テストの結果をお友だちと比べてしまうみたいで…。
保護者
うちの子たちもたまにそんなことを言っているわ。「自分は勉強よりスポーツのほうに才能があるから」なんて言って。部活動を優先する口実をつくっているだけのように聞こえるけどね。
保護者
努力しても結果が出ないときって、ついそういう考え方をしてしまうのよね。定期テストに向けて、苦手な数学を毎日何時間もがんばったのに、点数が上がらなかったら「自分には数学の才能がないんだ」と思ってしまうとかね。
教室長
確かにそういった話はよく耳にしますね。「才能がないから」と勉強をあきらめてしまったり、勉強ができる人に対して「もともと頭がよくて才能があるから、努力しなくても勉強ができるんだ」と思い込んでしまったりすることは、お子さんにはよくあると思います。
保護者
やっぱり勉強と才能って関係があるのでしょうか?
教室長
一概には言い切れませんが、「才能」を理由に思考が止まってしまうのはすごくもったいないことだと思いますよ。保護者も、気持ちが弱っているお子さんに寄り添って、「果たして本当に勉強のできる/できないは才能だけが関係してくるのだろうか?」「才能だけのせいにしてあきらめていいのだろうか?」ということを、一緒に考えてあげられるといいんじゃないでしょうか。
勉強の才能があるとはどういうことか?
保護者
そうですね。つい才能のある/なしで簡単に片づけてしまいたくなるけど、それだけではないこともたくさんありますよね。
保護者
そもそも「勉強の才能がある」ってどういうことなのかしら?
教室長
私が思うに、勉強の才能があるように見える人たちは「効率のいい勉強法を実践している」んでしょうね。
保護者
効率かあ。確かに長時間必死でやっているようには見えないのに、テストの結果がいい人って、まわりの人からは「努力しなくても頭がいい、勉強の才能がある人」と思われがちですよね。
保護者
「効率のいい勉強法」って具体的にどのようなことをやっているんでしょうか?
教室長
テスト本番までのスケジュールを適切に立てたり、暗記ものを自分なりに工夫して行ったり、本番で確実に点数が取れるように問題演習をくり返し行ったりといったことですね。
保護者
授業の受け方もかかわってきそうですね。
教室長
そうですね。授業で先生が話す「定期テストに出やすいポイント」を正しくつかむことも、効率を上げるカギとなるでしょう。また電車やバスを待つ時間など、細切れの時間を上手に使うことも効率をよくするポイントですね。
保護者
なるほど。常日頃の積み重ねが「才能」を生んでいると言ってもいいんですね。
教室長
共通して言えるのは、定期テストや受験といった目的に対して、まわり道をせず、つねに最善策を探しながら勉強していることでしょう。
保護者
やみくもに勉強しているわけではないってことね。
教室長
そうですね。勉強ができるお子さんは、この「少ない労力で点数を上げる工夫」が無意識のうちにできているために、「才能がある」と思われがちなんです。「勉強ができる人は努力しなくてもいいからうらやましい」という意見もよく聞きますよね。とはいえ、実際そうした勉強のできるお子さんは、テストや受験に出やすいポイントを集中してやっていたり、効率的に勉強時間を確保していたりするなど、「工夫」という名の努力をしていると言えるんじゃないでしょうか。
才能のせいにしてあきらめないために
保護者
「勉強ができない=才能がない」と決めつけるのではなく、勉強法を考え直すことが大切な気がしてきました。
保護者
でも、効率のいい勉強法を実践するためには、どこからスタートすればいいのかしら。
教室長
知識の整理方法を見直すことから始めるのはひとつの方法ですよ。「聞く」「話す」「読む」「書く」など、知識のインプット/アウトプットには人によって向き不向きがあります。このうち自分の得意な知識の整理方法を見つけると勉強の効率をグンと上げられると思いますよ。
保護者
苦手科目についてはどう対処すればいいですか?どうしても才能がないせいにしてしまいがちですが…。
教室長
確かに科目によって「得意/不得意」はあるかもしれませんね。とはいえ、中学生までの学びは、才能によらずに正しいやり方で学べば習得可能なものです。決定的な苦手科目をつくらず、勉強方法を工夫することで、どの科目もまんべんなく学んでおきたいですね。そして科目ごとの専門性が増していく高校生になったら、得意なものを磨くという考え方へシフトしていってもいいと思いますよ。
保護者
お子さんが勉強への自信をなくしているときに、保護者も一緒にできることはありますか?
教室長
そうですね。ふだんのお子さんの学習の様子を観察し、改善できることはないか話し合うのがいいんじゃないでしょうか。たとえば、身近な人の体験談や書籍などで、「勉強ができなかったけどできるようになった」というようなエピソードを共有してみると、よい解決策が見つかるかもしれませんよ。
保護者
それなら私にもできそうです。ただ保護者の言うことだと、素直に聞いてもらえるかどうか心配で…。
教室長
それなら塾を活用してみるのはいかがでしょうか。特に個別指導塾なら、経験豊かなプロの講師が1人ひとりの適性に合った勉強法を提案してくれます。東京個別・関西個別でも1人ひとりに合った勉強法をご提案できるので、ぜひ一度相談してくださいね。
保護者
なるほど。ぜひ相談してみたいと思います!