教科書に記載されている図表は、言葉だけでは理解が難しく、混乱の恐れがある箇所をまとめているものです。その図表を自分でつくることは、理解を深め、基礎をしっかり固めることにつながります。今回は、応用力につながる図や表を使った勉強法をご紹介します。
目次
図表を使って学習した内容をしっかり記憶に定着させよう
保護者
自主学習が上手なお子さんは、ノートの使い方も上手だと聞きます。ノートの上手な使い方とは、具体的にどんなものがありますか?
教室長
ノートをより上手に使うために、図表をとり入れてみてはどうでしょう?
板書を写すときや、自主学習でまとめノートをつくる際に、キーワードを色づけしたり、表を使ってまとめたりしますよね。図表を使った学習はその発展型と考えるとわかりやすいと思います。
保護者
図表を使うメリットはなんでしょうか?
教室長
授業中にとっているノートは、先生の説明を聞きながら書いているので、仮に聞き洩らしがあったとしても、なかなかそれに気づくことはできません。また、自主学習用のまとめノートも、論理的に理解する力が必要なのはわかっていても、実際には順序立てて考えることよりも、暗記が優先されていることが少なくないでしょう。
保護者
確かに、うちの子も自主学習のときはひたすら書いて覚える勉強をしているかもしれません。
教室長
覚えたいキーワードを文字としてだけ書いていると、そのキーワードだけで覚えてしまいがちですが、そうではなく覚えたいキーワードをそれぞれ関連づけることで、より理解を深めることができます。図表は、「キーワード」を関連づけるのにとても効果的です。図表にまとめることで、全体の流れや、仕組み、比較検討などがしやすくなるので基礎知識を応用問題で生かしやすくなるんです。
保護者
キーワードを図に当てはめていくのではなく、それぞれのつながりをわかりやすい図表にまとめていくイメージですね。
教室長
そのとおりです。簡単な図表をつかった具体的なまとめ方の例を見ていきましょう。
共通点を考えて覚える「グループ分け」
教室長
英単語や理科の用語はグループに分けると理解しやすくなると思います。理科であれば「水に溶けやすい」、「水に溶けにくい」、「酸性」、「アルカリ性」などの性質ごとに物質を分けてみましょう。
保護者
ほかにも、元素記号のまわりに分子構造を書くなどするとイメージしやすくなるかもしれないですね。
教室長
いいと思います。グループ分けの目的は、それぞれを比較することで、共通点・相違点を可視化することです。大きさを明確にしたり、比重を表すように上下に書いてみたりするなど、図表でまとめているうちにまとめ方のアイデアも出てくると思います。
保護者
関連事項や流れは矢印をつかって理解しよう
保護者
図表をつかった学習は、数学や歴史にも応用できますか?
教室長
もちろんです。数学の公式や、歴史のように「流れ」のあるものは矢印を使うことでまとめやすくなります。たとえば数学では、複雑な多項式をどこから計算するかを考え、フローチャートをつくってみると解き方がわかりやすくなります。頭で考えている公式の流れを可視化していくイメージです。
保護者
歴史であれば事件の起こった順に矢印でまとめてみたり、関係のあった歴史上の人物同士をつないでみたりする感じですね?
教室長
そうですね。矢印と併せて「なぜそうなるのか」という理由や、「それに至った原因」を書き込んでいくと、より理解が深まると思います。
保護者
こういったまとめ方は、化学の実験内容をまとめる際にも使えそうですね!
教室長
はい。英文法も矢印をつかったまとめ方が有効です。SVOCにあてはめて分けた単語を矢印でそれぞれ5文型に派生させると、語順をイメージしやすくなると思います。
保護者
確かに文法も図表にすると覚えやすそうですね。
教室長
英文法は、グループ分けと矢印を組み合わせて関連づけを増やしていくのがおすすめです。
保護者
なるほど。でも、関連づけを増やしていくとなると、きれいな図表にするのがなかなか難しそうですね。
教室長
理解を深めるために関連づけをしていくことが一番重要なことなので、きれいで完璧な図表にしていく必要はありません。一見散らかったように見える図表でも、書きながら理解が深まっていきます。
保護者
ある程度理解できたら、一度書いた図表を清書してノートをまとめてみるといいかもしれませんね。
教室長
友だちとまとめた図表を見せ合うのもいいと思います。まとめ方を工夫して、応用力につなげていきましょう。「横線を引いた文章罫」ではなく「ドット状の線のある図表罫」のノートを使うと、より図表がまとめやすくなるのでおすすめですよ。
■参考
(※)すべての勉強は図でうまくいく:驚きの「図解式勉強法」とは何か? – ITmedia エンタープライズ
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1210/03/news042.html