どの科目も得意というお子さんはほとんどいません。得意科目かニガテ科目かで、学力を上げる勉強方法には違いがあります。それぞれの科目に対する意識に合った、効率的な勉強方法を試してみてください。
目次
中学生が、得意科目の学力を上げるには?
保護者
最近うちの子、テストのたびに友だちと点数の話題になるらしくて、点数の差を気にしているみたいなの。
保護者
テストが終われば、たいてい5教科の合計の話にはなるわよね。志望校のことを考えると、効率的に学力を上げる方法があったらよいと思うわよね。
教室長
まだ中学1、2年生ということであれば、総合的な学力を上げるには、まずは得意な科目から強化するのがおすすめです。得意な科目や好きだと思える科目は点数を上げやすい傾向にあるんですよ。
保護者
「好きこそものの上手なれ」ってよく言いますしね。
保護者
うちの子、英語ならクラスの中では上位になれる点数が取れるようです。でも学年全体で見ると平均より少し上くらいなので、好きな科目なのに点数が上がっている状態とは言えない気がするんです。
教室長
好きそうな科目なのになかなか点数が上がりにくいなら、勉強方法を変えてみるのも手です。テストの点数を上げやすい得意科目の勉強方法があるんですよ。
保護者
ぜひ教えてください!
教室長
まずは、テスト範囲の問題集を解きます。授業で使っているもので構いません。コツは採点方法です。正解か不正解かの二択で採点をします。途中まで合っていたなどで、あいまいな「△」の採点はしません。
保護者
私も昔、自己採点ではよく△をつけていたわ。
教室長
よくやりがちなのですが、自分の間違えやすい傾向がはっきりわかるので△は不正解と判断しましょう。そして不正解だった問題は、その解答を書き写すだけで終わらせないことも大切です。
保護者
なぜ間違えたのか理解していないのに、わかった気になってしまうからですね!
教室長
そうなんです。不正解だった問題は解説を読んで理解しましょう。一通りテスト範囲が勉強できたら間違えた問題だけもう一度解いて、また同じルールで採点します。さらに不正解だった問題のみ解説をまた読んで理解する、という行程を繰り返します。間違え続けた問題だけ、解き方やどうして自分は間違えやすいのかをまとめた「弱点ノート」をつくります。
保護者
好きな科目なら勉強に対するモチベーションを上げやすいから、「早めの段階」から「繰り返し」取り組みやすそう。この勉強方法はとても有効そうですね。
教室長
そうですね。あとはテスト前日や直前にこの「弱点ノート」を見返せば間違えやすい問題だけを復習できるので、隙間時間を有効に使えます。好きな科目なら、きっと間違えやすい問題もあまり抵抗なく頭に入れられて実力も上げやすいと思います。
保護者
「自分の得意な科目」って思えると、自信にもつながりそうよね。
教室長
中学生のニガテ科目は「ニガテ意識克服」で学力が伸びる
保護者
逆に、ニガテ科目の勉強方法ってあるのかしら。
教室長
もし「ニガテだなあ」と思ってしまっているなら、まずはニガテだと思ってしまう「意識」の部分から克服する勉強方法が有効だと思います。
保護者
ニガテ意識があると問題を解くことすら、大きなハードルなんですよね。
教室長
まずは目につきやすいところに、その教科の教科書や資料集を置いておくだけ。テスト範囲の資料集や出題確率が高い部分がわかるものがあれば、なおよいです。得意科目のような繰り返し問題を解いて理解するという勉強らしい勉強ではなく、その教科に「慣れる」ことから始めるのがコツです。
保護者
塾のバッグに入れさせたりして、持ち歩かせようかしら。
教室長
それもとても効果的だと思います。テレビを見ている間のCMの時間や、寝る前にパラッと見て「そういえば授業でやったなあ」と思うだけで大丈夫です。ニガテ克服の行程なので、イラストや写真、図などがあれば、それを見るだけでOKです。「絵」として覚えているうちに、基礎的な考え方が自然と頭に入ってきやすくなります。
保護者
真剣に読んだり問題を解いたりする必要がないなら簡単にできそうね。
教室長
もしテストまで時間があるなら、1日1回、数分でも充分です。テスト間近なら、その時間を15分、30分、1時間と増やしていきます。2、3日前〜前日になったら、その教科の「基礎的な問題」から解く時間に当てていきましょう。
保護者
ニガテ意識がなくなったら、得意科目の勉強方法も利用できそうね。
教室長
そしていちばん大切なのは、さきほども少し触れましたが、「基礎的な問題」から取り組んでいくことです。ニガテ意識を克服するためには、基礎や基本が理解できているか確かめることで「できるところ」まで戻って学習し直し、「ここまではできる!」という自信を持つことが大切なんです。
保護者
うちの子、そう上手くいくかしら。
教室長
ニガテ意識を復活させては逆効果なので、焦ってスタミナ切れにならないように。大切なのはそのお子さんのペースで進めることです。テスト間近になれば自然と問題に取り組む時間も増えていくと思いますよ。
保護者
それでもやはりニガテ意識の克服が難しい場合はどうしたらよいかしら。
保護者
私が生徒だった頃は元素記号表や英単語の活用の一覧など、ポスターのようにトビラに貼っていたわね。
教室長
それも効果的ですね。またテスト前だけでも塾などの自習スペースで勉強すれば、年齢の近い生徒や、わからないポイントについて教えてくれる先生もいるのでよい環境だと思います。
保護者
やっぱり学年が低いほうがニガテ意識を克服しやすいのでしょうか。
教室長
その傾向はあります。ニガテ意識が勉強の仕方をわからなくしている側面もあるので、より基礎に近いことから勉強し直しやすい1・2年生のうちのほうがニガテ意識を克服しやすいと言われています。
得意とニガテを攻略して学力を効率よく上げる
保護者
得意な教科とニガテな教科の勉強法ってこうも違うんですね。
保護者
そうですね。どうしてもニガテ科目の克服に集中させがちだけど、まずは得意科目の成績を効率よく上げられれば「勉強自体がニガテ」という意識は持ちにくいですよね。
教室長
得意科目なら勉強するのもほとんど抵抗なく取り組めるかと思います。得意な科目の効率のよい勉強方法を知っていれば成績も上げやすいですし、成績が上がればもっと好きになれるはずです。
保護者
それはとてもよい循環ですね。
保護者
うちはもう部活動で疲れ果てているみたいだから、テスト前でなければ勉強する気になるまで時間がかかっているようだわ。
教室長
それならまずはニガテ科目の勉強方法で、少しずつ慣れていくとよいですよ。
保護者
なるほど。勉強自体なかなか手につかない場合も、この方法が役立つんですね。
教室長
あとは、自分の成績の中でいつもよい点数が取れるものを「得意科目」と思い込むだけで、少しずつ好きになれると思います。
保護者
自分の「得意科目または好きな科目」、「ニガテ科目」を認識したり、つくったりしていくこともポイントなのね。「彼を知り己を知れば百戦危うからず」といったところかしら。