お子さんの計算ミスを軽く見ていませんか? 計算ミスはテストにおいて特にもったいない間違いのひとつです。小さな計算ミスでも積み重なると大きな点差になってしまいます。今回はお子さんの計算ミスをなくす方法についてご紹介しましょう。
目次
数学で計算ミスがなくならない原因
保護者
今日、下の子のテストが返ってきたんですけど、すごく悔しい結果でした。
保護者
どうして?
保護者
計算ミスだけで、10点も落としているんですよ。とてもショックです。
保護者
それはお子さん本人もショックでしょうね。でも計算ミスをなくすのって、どうすればよいんだろう。教室長、なにかよい対策があれば教えてください。
教室長
基本的に計算ミスの要因は1つだけですよ。それは基本的な問題の反復練習が絶対的に足りていないことです。厳しいようですが、究極的にはそういうことです。
保護者
何度も何度も計算問題をやり続けることが大切っていうことですか?
教室長
そのとおりです。計算問題は文章題や図形などに比べても、解き方さえ理解できれば比較的苦にならない分野です。だからこそ、そこに対する練習量も、ほかに比べて少なくなることもあるのではないかと思います。しかしその油断が、計算ミスにつながるんですね。
保護者
うちの子、計算問題を解く時間が、なんとなく遅いような気がするんですけど、それも反復練習の不足が原因でしょうか?
教室長
そうかもしれませんね。時間をいかにうまく使えるかどうかも、反復練習による計算への「慣れ」にかかってきます。さらに決まった計算方法を実践で使いこなせないことも、問題を自己流で乱雑に解いてしまって起こる計算ミスも、つまるところすべて反復練習の不足が原因にあるといえるでしょう。
保護者
よいことを聞きました。でも家で量をやるって、お子さんにとっては単調な作業で、集中力も続きにくいと思うんですけれど、そこはどうすればよいんですか?
教室長
学習塾に通っておられるなら、塾でやってみることをおすすめしますよ。塾に行けば、お子さんの実力にピッタリと合った問題を選んでくれます。難しすぎても、やさしすぎても集中できないものですが、自分の実力にピッタリの問題が出されると、確実に前進している感覚がついて、自然と集中して反復練習ができるようになるものです。これは家庭学習にも応用可能な考え方ですよ。
計算ミスを防ぐには?
保護者
反復練習が必要なことはわかりました。でも単純に量をやりなさいって言っても、なかなかお子さんには通じないことも多いんじゃないかと思うんです。具体的に計算ミスを防ぐ方法ってありますか?
教室長
計算ミスを防ぐ方法としては、必ず途中式を書くことですね。
保護者
ちょっと懐かしいですね。私も中学生だったころは、よく先生に言われました。
教室長
むかしから一貫して言われていることですが、だからこそ、それだけ重要な方法でもあるんです。
保護者
うちの子もよく暗算ですまそうとしています。暗算のほうが速いからと思って見逃がしていたんですけど…。
教室長
単純な計算ならなんとかなるかもしれませんが、途中式をきっちり書くお子さんとそうでないお子さんでは、受験の時や模擬試験の時などに大きく差が出ますよ。
保護者
どうしてですか?
教室長
学年が上がると、1つの問いの解答を導き出すまでにかなり時間がかかる問題も出てきます。途中式をきちんと書き、順序立てていくことで、正確な回答が導き出せるんです。そのプロセスを飛ばしてしまうと、情報処理が適切にできずに、せっかく時間をかけて導き出した答えを間違えてしまうことも多いです。
保護者
先のことまで考えると、今のうちからきちんと途中式を書いたほうがよいなと思いますね。そういえばノートをきれいに使うことが、計算ミスの防止にもなるって聞いたことがあるんですけど、それはどうでしょう?
教室長
きれいなノートも情報整理のために必要ですね。ノートを広く使うと、視覚的に情報を整理しやすくなります。さらに途中式も書いておけば、どこで間違えたかもはっきりします。
保護者
計算ミスを発見しよう
保護者
教室長、テスト中に計算ミスに気づけるようになる方法も教えてください。
教室長
見直しをすることがもっとも大切ですね。普段から意識して見直しする習慣をつけていくことが肝心です。さらに言えば、見直しの時間をつくるための時間配分も考えなければなりませんよ。
保護者
確かに時間配分も大事ですよね。焦って解いてしまうと、ミスの原因になりますし。普段から時間を計って問題を解く習慣をつけておくとよいですよね。
教室長
おっしゃるとおりですね。なお単純に計算ミスと言っても、お子さんによってニガテな単元は違います。ですからその単元に合わせた反復練習の方法を見つけ、練習していくことが大切ですよ。
保護者
でもニガテな単元の分析や単元に合わせた反復練習の方法って、お子さんや保護者の方だけではなかなかわからないですよね。どうすればよいんでしょうか。
保護者
私は塾の先生に聞くようにしているわ。集団講義タイプの塾ではなかなかそこまで細かく見てくれないけれど、個別指導塾ならばそれぞれの生徒ごとに分析と対策をしてくれるのが安心よ。
教室長
中学校の前半までは「計算ミスをしちゃった」くらいで片づけられるかもしれませんが、受験ではその1点で勝敗が分かれることがたくさんあります。1点の大切さをきちんと理解し、対策を立てていくことが必要ですね。個別指導の指導法は、問題を解くプロセスに踏み込んでしっかりと指導してくれますので、私はとても有効な指導方法だと考えています。