お子さんに「どうして勉強しなきゃいけないの?」と聞かれたら、どんなふうに答えますか?そもそも勉強はなんのためにするのでしょうか。今回は、お子さんに勉強をする理由を聞かれた際に答えるヒントをご紹介しましょう。
目次
勉強の目的:なぜ勉強するの?
保護者
今までお子さんに、「なんのために勉強するの?」って聞かれたことあります?
保護者
もちろんあるわよ。保護者なら誰でも経験があるんじゃないかしら。
保護者
その時どう答えていました?
保護者
「将来のため」とか、ごく当たり前な回答しかできなかったように思うわ。私自身よくわかっていないところがあるから、そうなっちゃうのよね。あなたも聞かれたの?
保護者
ええ。「勉強しなさい」って言うと、うちの子、最近よく「なんのために勉強するの?」って聞いてくるようになったんです。私も同じように答えるんですけど、なかなかうまく伝わらなくて。
せめて将来の夢が具体的であれば、勉強する理由も説明しやすいんでしょうけれど、うちの子は今が楽しいみたいで、将来のことなんてあんまり考えていないように思うんです。
保護者
やっぱり保護者としては、やりたいことやなりたいものを見つけて、目標に向かってがんばってほしいって思うじゃない。だからいろいろ提案してみるんだけれど、お子さんからすると面倒くさいみたいよね。
保護者
本当にそうですよね。そういうお子さんに対してどうアプローチすればよいんでしょう。
保護者
「将来のことなんて考えられない」ってお子さんは多いと思うわ。もちろんなにか具体的な夢や目標があって、それに向かってがんばっているお子さんもいるでしょうけれど、まだ全体のごく少数でしょう。だからこうした悩みも自然なんじゃないかしら。
保護者
でも、のんびり過ごしていても受験は近づいてきますし、私ばかりが焦っているんです。なにもできないのも歯がゆくて。
保護者
教室長は、夢や目標がまだ具体的にないお子さんに対して、勉強する理由をどう説明しますか?
教室長
私であれば、「今の勉強が、やりたいことを見つけることにつながるんだ」と説明すると思います。また「これから先、もしやりたいことが見つかった時に備えて勉強しよう」とも言えますね。たとえば海外で働きたいと思った時に、英語ができないと、夢が遠くなりますよね。だから今がんばっておけば、なにか目標を見つけた時にスムーズにことを進められる、と説明できますよ。
保護者
なるほど。
教室長
ただ、思春期というのは精神の成長期でもあります。特に中学生から高校生に上がる時期は、人として自我が確立される時です。私たち大人がなにか言わなくても、お子さん1人ひとりが自分自身で、目標を見つけていく必要があるのかもしれません。
保護者
そうですね。ただできれば保護者としては、少しでもよい方向に導いてあげたいです。
ゴール設定:お子さんをどう導くか
保護者
特に勉強する意味がわからなくて、勉強することに対してイヤな気持ちになっているお子さんにはどうすればよいんでしょう。自分で自分の可能性を狭めようとしていることにも、おそらく気づいていないと思うんです。
教室長
そういうお子さんほど、ゆっくり、時間をかけて相談に乗ってあげることが大切になると思います。どうしても大人は早く結果を出したがるものですが、そこで答えが見つからなくても、私はよいと思っています。そういったことを重ねて、最終的に、お子さんが自分でなんらかの答えを見つけられればよいですよね。
保護者
そういえば最近、うちの子となかなかゆっくり話せていない気がします。
たとえば私は塾や習い事を決める時、できるだけうちの子と相談して考えるようにしているのですが、そういうことも子どもを導くという点で意味があるのでしょうか。
教室長
とてもよいと思います。お子さんが勉強する意味を見出すためには、保護者とお子さんとのコミュニケーションが大切ですからね。なにかご自宅でやっていますか?
保護者
私は職業の一覧表をつくってうちの子と仕事について調べたり、近隣高校のパンフレットを一緒に見たりしています。
あとは、うちの子が自分でラジオをつくる趣味があったので、それに協力するようにしましたよ。趣味がもっと深くなれば、やりたいことも見つかるかなと思ったんです。
教室長
すばらしい取り組みをしていらっしゃいますね。これらの取り組みのどれも、時間をかけることが大切だと思います。保護者の方がお子さんを導くというよりは、保護者とお子さんが協力しながらゆっくり目標を見つけるやり方のほうがよいかもしれませんね。
保護者
お子さんによって、ペースも全然違いますものね。
保護者
わが家はわが家のペースとやり方で、ということですね。
保護者
確かにそうやって少しずつ子どもに寄り添い、ゆっくり将来の話をすれば、モチベーションも上がってくるかもしれませんね。少し気が楽になりました。
目標を決められないわけ?
保護者
でも私たちが中学生だったころって、やりたいこととか、なりたいものの話をもっとしていたように思うんだけど、最近って夢のないお子さんが多いって聞くじゃない?どうしてなのかしら?
教室長
そういう風潮はあるのかもしれませんね。
保護者
原因はなにかあるのでしょうか。
教室長
やや漠然とした言い方ですが、社会の価値観が変わったり、先行きの見えない状況にあったりするのが原因の1つかもしれませんね。
保護者
インターネットもそうですよね。たくさんの情報があふれ返っていて、私なんか目を回しそうなほどです。
ほしいものも比較的簡単に手に入るし、やりたい遊びも、むかしよりずっと増えたのかも。
教室長
そうですね。小さな満足が多くなった分、それでよしと思ってしまうお子さんも多いと思います。だから心の底から達成感を覚えることも少なくなっていると言えるかもしれませんね。
1つ言えるのは、何歳になっても学び続けるということだと思います。30代からでも必要になったら英語力をブラッシュアップすればいいし、40代で法律の知識が必要になったら、新しく学び直せばよいのです。大切なのは、将来新しい学びが必要になっても、それに耐えうる基礎力を身につけることなのではないでしょうか。
保護者
深い言葉ですね。そして、だからこそ保護者とお子さんが向き合い、真剣に時間をかけて話すことが大切なんですね。
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