ゲームの好きなお子さんは多いですよね。ゲームがすべてわるいものだとは言いませんが、やり過ぎにはさまざまな弊害がつきものです。ゲームと勉強をきちんと両立させられるよう、ゲームと勉強の関係やゲームの注意点について考えましょう。
目次
ゲームのしすぎは学力低下につながる
保護者
あら、ゲームするのね。
保護者
スマートフォンだと無料でできるゲームがたくさんあるものだから、ついやってしまうんですよね。やってみるとおもしろくなっちゃって。でも、息子がゲームばっかりしてても、叱りにくくなっちゃったんですよね。
保護者
気持ちはわかるけれど、それはちょっと困るわね。
保護者
「あとで勉強もするから」なんて言われちゃうと、「しかたないかしら」って気分になっちゃって。
教室長
ゲームをやりすぎると、勉強時間を確保しても学力は低下するんですよ。
保護者
え?勉強しても学力が低下するんですか?
教室長
ええ。平成21年度に静岡大学が調査したデータがあるのですが、平日の勉強時間にかかわらず、長時間ゲームをするにしたがって、教科の学力が低くなる傾向が見られたそうです(※1)。特に1日に4時間以上ゲームをすると、長時間勉強しても学力が低くなるというデータが得られています。
保護者
ええ!? ゲームを長くやると、勉強しても成果が出ないのですか?
教室長
その調査では明確な結論を導いているわけではありませんが、平日に4時間もゲームをしようとすると、睡眠が不十分になったり、体に疲労が蓄積したりするのかもしれませんね。いずれにせよ、ゲームにあまり長い時間を費やしていると、学力は確実に低下するということです。
保護者
思った以上にゲームはよくないんですね。
教室長
あくまで長時間ゲームをするのはよくないということで、ゲームはすべて禁止すべきだということではありません。節度を持ちながらゲームをやる分には問題はないんですよ。
スマートフォンのゲームに注意!
保護者
でもスマートフォンでゲームって、ついついやっちゃうんですよね。
保護者
手軽にできちゃうものね。
保護者
そうなんですよね。テレビゲームみたいな据え置きのゲームをやろうとは思わないんですけど、スマートフォンだとどこでもできちゃうし、時間限定のイベントなんかもあるんです。夕方18時から2時間はアイテムのドロップ確率アップ、とか。
教室長
ゲーム専用機だけでなく、最近はスマートフォンを使ってゲームをする機会が増加していますからね。それは大人だけでなく、お子さんも同じです。いつでもすぐに始められるうえ、そういったイベントで現実の時間が拘束されることもあって、従来のパッケージゲームと比較して、自制が難しくなってきています。
保護者
そうなんですよね。子どもたちも、しょっちゅうスマートフォンをいじっていて、ちょっと問題だなぁ、と思っていたところです。
保護者
でも、スマートフォンって便利じゃない?学習アプリとか辞書アプリも充実してるし。電車の中なんかで見ても、遊んでるのかと思ったら、勉強してるお子さんもけっこういるわよ。傍から見ただけじゃ、怒っていいものなのかわからないんじゃないかしら。
教室長
確かにスマートフォンの勉強ゲームアプリは便利ですが、もしも自制できずゲームをしてしまうのなら、ある程度、便利さを手放すことも考えたほうがいいですよ。たとえば、辞書アプリは電子辞書にするのがよいでしょう。また、学習アプリを使うとしても、アプリの時間と机に向かって学習する時間を分けて確保するなどしたほうがよいかもしれませんね。ゲームばかりに流されない工夫も大事です。
ゲームと勉強を両立させるルールづくり
保護者
スマートフォンのゲーム、消しちゃおうかしら。なんだかよくない気がしてきたわ。
保護者
大人はそれでもいいかもしれないけれど、「ゲーム禁止!」ってお子さんに言うのは考えものよ?
保護者
そうですか?もう家族みんなでゲーム禁止にしようかとさえ思ってきました。
教室長
保護者にゲームを禁止されると、ゲームが気になって集中力が低下してしまったり、保護者への反発の気持ちが増大してしまったりする可能性もありますからね。1時間未満なら学習にさほど支障はないでしょう。
保護者
なるほど。確かに、保護者になにかを禁止されると、すごくイライラした記憶があります。
保護者
スマートフォンでゲームをするなら、スマートフォンのルールも決めておけばいいのよ。勉強時間中はスマートフォンをリビングに置いておくとかね。
保護者
なるほど。家族で管理できるようにしておけばいいんですね。
教室長
そうですね、ルールづくりが大切です。あとは、勉強もゲーム感覚で楽しめるように、目標やゴールをスモールステップで用意して取り組めば、しっかりメリハリをつけて学習できる習慣がつきますよ。
保護者
安易にゲーム禁止にせず、いろいろと対策を考えてみます!
参照URL:(※1)文部科学省(全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議)
「読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究 調査研究報告2」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/045/shiryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2011/03/02/1302195_02.pdf