お子さんに「どうして勉強をしなければいけないの?勉強なんて意味がない!」と言われた経験はありませんか?「勉強は将来役に立つからしなきゃいけないの!」「数学の2次関数なんて役に立たない!」「黙って勉強しなさい!」といった具合に、保護者の意見を押しつけてしまったことのある方もいるかもしれません。お子さんに勉強する意味を尋ねられたら、どう答えればよいのでしょうか。
目次
勉強をする意味を考えよう!
保護者
このあいだうちの子に「勉強なんて意味がないんじゃないの?」と言われてしまい、うまく答えられなくて。
教室長
「いいから黙って勉強しなさい」というのはよくないでしょう。お子さんも反発心から、勉強に身が入らなくなってしまうと思います。
「勉強なんて意味がない!」「勉強する意味ってなに?」と言っているお子さんに対しては、まず「勉強って意味がないと思う?」「どうして勉強に意味がないって思うの?」と尋ねてみるとよいでしょう。そのとき、保護者の方は反論せず、最後までお子さんの考えに耳を傾けることが大切です。
保護者
勉強する意味を、お子さんと保護者で一緒に考えるということですね。でもいろいろ考えた結果、お子さんが「勉強に意味がない」という結論に至ってしまったら、保護者はどうフォローすればいいんでしょう。
教室長
「勉強はつらい」っていう印象があるから、そういう結論に至るのかもしれないですね。そもそも、「勉強しなさい」「ちゃんと勉強したの?」といった言葉を使って、「勉強はつらいけれど、やらなければならないもの」といった刷り込みをしているのは大人のほうなのかもしれませんね。
保護者
なるほど、そこに最初の問題があるかもしれないんですね。
教室長
勉強は、今まで知らなかったことを知ったり、今はできないことをできるようにしたりする部分もあるので、確かに、勇気をもって臨まなければならない面もあると思います。でも本来的には、勉強は、なにかを乗り越えた瞬間に自分の世界が広がっていく楽しい場でもあるはずですよね。
それが実体験のなかから伝わればいいと思います。たとえば、テストの間違い直しの場面を考えてみるといいかもしれません。
保護者
自分の間違いと向かい合う、つらい作業のひとつですよね。
教室長
その一方で、考えようによっては、実力アップできるチャンスを見つける作業でもあります。それは楽しい作業とも言えるのではないでしょうか。
保護者
テストの間違い直しって、テスト本番のときは間違えてしまったけれど、あらためて解いてみると正確に解けるようになっているってこともありますよね。そうした体験は、「勉強が楽しい」「やりがいがある」などと思えるきっかけにもなると思います。
教室長
「勉強ってイヤだ」「学校って怖いところだ」というような気持ちから、うまくイメージの転換を図ることがポイントなのかもしれませんね。
【科目別】勉強をする意味を聞かれたら
保護者
じゃあ、イメージの転換を図れるよう、科目別に具体的に考えてみましょうよ。まずは、国語を勉強する意味、国語を通じて勉強が楽しくなることってなにかしら。
教室長
国語を勉強する意味は、言葉を使ったコミュニケーション力をつけるためだと考えられます。正しい日本語でコミュニケーションができることで、人と人との信頼関係を構築できるようになりますよね。
保護者
ちょっとした言い回しが、人を傷つけたり、逆に人を喜ばせたりするから、言葉によるコミュニケーションの大切さは、中学生も実感できると思います。
教室長
それに、読解力をつける訓練は人の心を読めるようになることに役立ちますよね。友だちの考えていることを想像できるようになれば、より交友関係も豊かになるんじゃないでしょうか。
保護者
数学はどうでしょうか。私自身、数学が苦手だったので、なかなか思い浮かばないです。
教室長
数学を勉強する意味は、数字の扱いに慣れ親しんでおくためだと考えられます。確かに、2次関数や連立方程式などを考えると、実生活で直接その知識を使うことはないかもしれませんが、数字に慣れ親しんでおくことは中学生や高校生の実生活でも大切です。
身近な話で言うと、お小遣いのやりくりなどですね。
保護者
あっ、そういえば、高校生になったら、文化祭の模擬店で経理をすることもあるかもしれませんよね。むかし友だちが大変だったって言っていました。「仕入れがいくらで、機材のレンタル代がいくらだから、1つ●円以上で売らないといけない、利益率は●割にしよう」って、ある程度複雑な計算も必要になったって。
では英語はどうでしょうか。
教室長
英語を学ぶ意味は、英語を通じて、異文化に触れる楽しさを得るためだと考えられるでしょう。身の回りで、英語が由来のカタカナ語はたくさんありますかね。
高校生の身近なところで言うと、アプリ→application、パソコン→personal computer、ファストフード→fast foodといったところですね。そうしたカタカナ語が「実は英語で直訳するとどういう意味なのか」ということがわかれば、おもしろいかもしれませんね。
保護者
言葉から文化の世界が広がりますね。
教室長
次は理科について考えてみましょう。理科を勉強する意味は、身の回りの事象や物事の成り立ちを理解するためだと考えられますね。たとえば「夏は色の薄い服を着たほうが涼しく、冬は色の濃い服を着たほうが暖かい理由」、「身の回りの家電が動く基本的な仕組み」など、理科ではおもしろく実生活に役立つ知識をたくさん学べますよ。
保護者
あと、日本は災害大国だから、地震や天気に関する知識は、自分の身を守るためにも役立ちますよね。
教室長
最後は社会ですね。
社会を学ぶ意味は、世の中の仕組みを知るためですね。たとえばSNSやブログで、自由に自分の思ったことを書けるのは、憲法で「表現の自由」が保障されているからですよね。逆に、「心ないウェブ上の発言で炎上させてはいけない」など、「公共の福祉」のために我慢しなければならないこともあります。そうした身近なことと照らし合わせると、社会を学ぶのも楽しくなるでしょう。
保護者
社会を学ぶことで、より充実した生活を送るヒントを得られるんですね。それに、生きていくうえでのルールを守るために、重要なことを学べるのも大きいと思います。
5教科見てきたけど、こうやって勉強する意味を考えることって、とても楽しい作業ですね!
教室長
そうですね。お子さんと保護者で勉強の意味について話し合うのは、お子さんの勉強のモチベーションを高めるために意義のあることです。今回のように、話しているうちに楽しくなってくるような話し合いになるといいですよね。