国語は、成績が上がりにくい科目です。問題集を解いても手応えを感じられなかったり、定期テストはできても模試はできなかったりといったお子さんは少なくないはず。ここでは、現代文の効果的な学習を紹介します。
目次
まずは語彙力を高めよう!
保護者
国語って、どうやったらできるようになるんでしょうか。
保護者
あんまり「国語の成績が急に上がった」って聞かないわよね。
保護者
そうなんですよね。やっぱり読書量に比例するのかしら。
教室長
小学生くらいまでなら読書が好きになることがとても重要ですが、中学生以上のお子さんであれば、違ったことをおすすめしたいですね。
保護者
中学生の場合はどうすればいいんですか?
教室長
まずは語彙力を高めることですね。
保護者
語彙力?
教室長
じゃあ、ちょっとイメージしてみてください。「そのボーイはショルダーをブレイクしたのでベースボールをやめた」。
保護者
ええ? ボーイは男の子、ベースボールは野球で、ショルダーは、「ショルダーバッグ」のショルダーだから…。
教室長
じゃあ、「その少年は肩を壊したので野球をやめた」なら?
保護者
そっか、ショルダーって肩のことですよね。
教室長
語彙力の低い人は、現代文を読んでも「そのボーイはショルダーをブレイクしたのでベースボールをやめた」のようなわかりにくい文を読んでいるようなものなんです。文を読んでも、何を指しているのかすぐにはイメージできないんですよ。
保護者
なるほど。言葉の意味をどれだけ知っているかで、現代文の読みやすさが大きく違ってくるんですね。
漢字は意味を例文で覚えよう
教室長
国語の学習でよく言われるのが漢字ですが、漢字をひたすら練習するのはあまり得策ではありません。
保護者
そうなんですか?
教室長
定期テストのように、範囲が狭く決まっている場合には、しっかり漢字を覚えれば確実な得点源です。ただ、中学校で読みたい漢字は2000字近くあり、読み書きを含めて使い慣れるべきとされる配当漢字でも1000字以上あるんです(※)。それなのに、書き取りの出題は多くても5問程度ですから、なかなか学習の成果を実感しにくいんです。
保護者
でも、漢字の勉強は必要ですよね?
教室長
もちろんです。授業で出てくる新出漢字をそのつど覚えていくことは、必ず行わなければならない学習だと言えます。ただ、ひたすら漢字の練習をするのは効果的ではないのでちょっと工夫したいところです。さきほどの現代文を読むには「語彙力が大事」だという話につながるんです。
保護者
そっか、漢字の書き方だけ覚えるんじゃなくて意味を覚えるんですね。
教室長
そういうことです。漢字を何度も書いて無理に覚えるのではなくて、漢字を意味のある言葉として覚える。これが大事なんです。ですから、漢字だけをひたすら練習するのではなくて、例文を書いて文で覚えるのが一番いいんです。そうすれば、語彙力を高めながら漢字を学習することができるので、効果的に学習することができます。
保護者
中学の時なんて、漢字の宿題で漢字ばっかり書いていましたよ。
教室長
意味を知って例文で覚えると、同音異義の漢字もわかりやすくなります。意味で漢字をとらえるようになれば、漢字自体の覚えやすさもぐっと増しますよ。
まずは説明文から読もう!
教室長
実際に問題を解くことも大切です。学校で学ぶ国語程度なら、設問にパターンがありますから、問題に慣れることも必要です。
保護者
どういう問題を解けばいいとか、おすすめはありますか?
教室長
まずはやさしめの問題集から始めましょう。その中でも、説明文から手をつけるのがいいですね。
保護者
え? 説明文って、なんだか難しそうな言葉で、「これはこうだからこう」みたいに書かれている文ですよね?難しくないですか?
教室長
今、「これはこうだからこう」って言ったでしょう?説明文のいいところは、はっきりした結論があって、それを順序立てて説明してくれるという文章構造にあるんです。もっとも簡単な構造で言えば、問題提起、具体的な事例、結論という順に段落が構成されています。
保護者
なるほど。文章構造にパターンがあって、結論がはっきりしているから、勉強しやすいってことなんですね。
教室長
一見難しそうに見えますが、実は物語を読むよりもずっと簡単です。物語は、人物が多く心情がとらえにくかったり、場面が急に変わったりするので、どうしても文章構造が複雑になってしまいますからね。
保護者
言われてみればそうかもしれませんね。
教室長
問題を解いたら、必ず採点して、間違った部分をもう一度見直します。その中で、わかりにくい言葉があれば調べ、例文全体の意味を覚えていく習慣をつければ、国語の成績はかなり伸びますよ。学校で問われている国語は、文章のセンスではなく知識や読み方が問われるものですから、効率よく学習していきましょう。
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(※)参照:新旧学習指導要領における漢字の取扱い(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/076/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2010/10/04/1297504_04.pdf