「勉強していると思っても、すぐに気が散って別のことをしている」「だらだらと勉強して見えることが多い」など、お子さんの集中力が続かないことに悩んでいる保護者のみなさんへ。今回は、お子さんの集中力を高める方法と、保護者ができるサポートについてお話しします。
目次
子どもの集中力が続かない原因を考えよう
保護者
うちの子は勉強していても、すぐに「疲れた」と言って休んでしまいます。集中力が続く、いい方法はないでしょうか。
教室長
お子さんはスポーツをされているのですよね。スポーツをしているときは、集中力はどうですか?
保護者
そういえば、夏場でも長時間やっているようです。
教室長
だとすると、集中力がないわけではないようですね。お子さんのように、「好きなことなら何時間でもできるのに、勉強は続かない」というお子さんは、勉強の集中をじゃまする原因がなにかありそうです。
保護者
たとえば、どんな原因が考えられますか?
教室長
大きく3つあります。1つ目の原因は、「気になることやストレスがある」。勉強以外にやりたいことがあって、そちらに気が向いてしまうことがあります。学校でイヤなことがあったり、勉強や部活動についていけない不安があったりして、ゆっくり勉強するどころではない場合もあります。あと、「隣の部屋のテレビの音がうるさい」「部屋が寒すぎる・暑すぎる・空気がわるい」など、環境によるストレスもあります。
保護者
「ゲームの続きがやりたい」「友だちとのSNSが気になる」など、私の時代に比べて今は誘惑そのものが多そうね。
教室長
2つ目の原因は、「勉強が楽しくない」。得意科目なら集中できるのに、苦手科目になると続かないという場合は、これに当てはまる可能性が高そうです。
保護者
好きな科目はどんどんドリルが進むけど、苦手な科目はいつまでも手つかずのままという経験が私にもあります。苦手なことって、集中するのにパワーがいりますよね。
教室長
そして、3つ目の原因は、「寝不足、あるいは何か特定の栄養が不足しているなど身体的な問題」。お子さんが空腹、睡眠不足、脳の栄養不足、体調不良などの状態にあったら、勉強に集中するのは困難です。
1~3まで、なにか思い当たることはありましたか? ふだんの生活を見直して、思い当たる節があれば解決していきましょう。
集中力を高めて維持する具体的な方法
教室長
では、集中力を高めるための解決策を考えていきましょう。全部で5つのポイントにしぼりました。
① は、「時間やルールを決める」です。
「テレビは休憩時間に10分だけ見る」「勉強中はスマホの電源を切る」「友だちとのSNSは朝と夜の決まった時間にだけ」「今日のノルマをこなせたら、好きなだけゲームをしてもいい」というように、ルールを決めてみましょう。
保護者
ルールを決めてしまったほうが、勉強するときと休憩するときの区切りがつけやすいですね。これなら、ONとOFFの両方の時間を大切にできそうです。
教室長
②は「心配事やストレスはできるだけ解消する」です。
お子さんがそわそわしていないか、落ち込んだ様子はないか、食欲はあるか、朝はちゃんと起きられているかなどを、チェックしてください。もし元気がなさそうに見える場合は、保護者の側から「なにかあったの?」「心配事があったら聞くよ」と声掛けをしてあげてほしいです。
保護者
すぐに解決しない問題でも、保護者がかならず味方になることを伝えてあげれば子どもも安心できますね。
教室長
学校でのいじめや勉強についていけないなどの課題を抱えている場合は、すみやかに対処することをおすすめします。こうした課題は放置していると、次第に複雑化していき、解決に多くの時間がかかることがあるからです。学校や塾、相談センターなど、しかるべきところに相談しましょう。
保護者
はい。
教室長
③は、「勉強に集中できる環境を整える」ことです。
部屋の温度や湿度、照明、座りやすいイスなど、快適な部屋づくりをしてあげてください。また、お子さんが勉強しているあいだは、保護者もテレビの音を小さくする、大声での電話をひかえるなどの配慮をお願いします。
あと意外に忘れがちですが、空気の換気は大事です。
保護者
確かに空気がわるいと、頭が働かなくなってしまいますよね。
教室長
④は、「適度な休憩をはさむようにする」です。
人間の集中力は1時間くらいしかもたないと言われています。それ以上がんばっても、能率は落ちていきます。「疲れた」「眠い」「飽きた」は脳が休みたがっているサインと考えましょう。
保護者
適度な休憩って、どのくらいの時間をとればいいのでしょうか?
教室長
たとえば30分勉強するごとに約5分、1時間勉強するごとに約10分、休みをはさんでみましょう。眠いときは仮眠をとるのも手です。
保護者
仮眠は、「30分以内を目安に」でしたね。コーヒーを飲んだり、ストレッチしたりするなどして、眠気を覚ます方法も以前教えてもらいました。
教室長
そのとおりです。最後の⑤は、「お子さんの体調管理とやる気をサポート」することです。これは特に保護者に気をつけてほしいことです。
食事の面では、栄養バランスや量、時間などに気をつけてみてください。夕飯の時間が遅いと就寝が遅くなり、朝起きられない悪循環におちいりがちです。また、夜食は消化のいいものを出してあげてください。
保護者
よく眠れる環境を整えてあげることとか、風邪を引かないように室温調節に気をつけてあげることなども大切ですね。
教室長
それから、できるだけ多くお子さんのがんばりをほめてあげてください。「計画どおりに勉強できたね」「今日もがんばったね」など保護者が努力を認めることで、お子さんのやる気がアップします。
プロの手も借りながら、集中力アップの訓練を
保護者
だいぶ解決の道が見えてきました。でも、苦手な科目だけは、どうしても集中できない気がします。この点はどうすればいいですか?
教室長
一番の近道は、苦手科目を克服して、好きな科目を増やすことです。ただ、これは本人や保護者の力だけでは難しいでしょうから、プロの手を借りるのがベストです。
保護者
プロというと、学習塾でしょうか?
教室長
はい。特に個別指導塾がおすすめです。個別指導塾では、お子さんに合った勉強法を教えてくれます。苦手な教科でも、ピタッとはまる勉強法が見つかると、内容が理解できるし成績もアップするのでお子さんも勉強が楽しく思えてくるはずですよ。
保護者
成績がアップすればモチベーションも上がりそうです。
教室長
最適な勉強法を見つけるには、勉強のやり方やペース、習熟度などを客観的に診断する必要があります。また、個別に教材やカリキュラムを組み立てる必要もあるでしょう。弱点の克服は、個別指導塾の得意とするところですから、相談に行ってみるといいのではないでしょうか。
保護者
そうしてみます。今日は集中力について、たくさん勉強できました。ありがとうございます。
教室長
たしかに集中力は才能の一種かもしれません。しかし、生まれつきの才能というわけではなく、正しいやり方をすれば、かならず鍛えられます。最初は5分でもいいので、集中する時間をとれるように毎日がんばってみましょう。そうするうちに、10分、20分と集中できるようになっていきます。
保護者
わかりました。毎日コツコツとやってみます。
教室長
集中力を鍛えることには、「時間管理の練習」という面もあります。ここぞというときに高い集中力を発揮できるようになれば、高校、大学での学習や、社会人としてのビジネスの場、あるいはスポーツの試合など、将来のさまざまな場面で役立ちますよ。
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