規則動詞〈過去形〉の発音

一般動詞の〈過去形〉は、動詞の〈原形〉の語尾に-edがついたものが基本です。
そして、いくつかのバリエーションがあるものの、基本的に語尾に-edをつけることで〈過去形〉をつくる動詞を〈規則動詞〉と言いました。
この〈過去形〉語尾-edの発音には、[d]・[t]・[ɪd]の3通りがあります。以下に整理します。

 

【中学英語】一般動詞の過去形をばっちり理解しよう!-1

 

〈有声音〉と〈無声音〉

 

〈有声音〉とは、声帯を震わせて発する音で、喉から声を出す音と言い換えられます。たとえば、英語のいんはすべて有声音です。いんでは、[d][g]の他、[b][v]なども有声音です。
一方、〈無声音〉は、声帯を震わせずに発する音で、唇や舌だけで出す音と言い換えられます。たとえば、英語の子音には、[t][k]の他、[p][f]など、多くの無声音があります。母音に無声音はありません。

 

■ 個別指導塾の基本問題に挑戦!
《問題》次の1)~3)について、見出し語の下線部と同じ発音の-edを含むものを選びなさい。
1)moved:  
 ① talked   ② arrived  ③ visited
2)washed:  
 ① stopped  ② tried   ③ needed
3)started:  
 ① watched  ② stayed  ③ collected

 

《正解》
1)② arrived
2)① stopped
3)③ collected

《解説》
1)movedは、原形moveの語末が([d]以外の)有声音であるため、過去形語尾の発音は[d]です。選択肢の下線部の発音はそれぞれ、① [t]、② [d]、③ [ɪd]です。
2)washedは、原形washの語末が([t]以外の)無声音であるため、過去形語尾の発音は[t]です。選択肢の下線部の発音はそれぞれ、① [t]、② [d]、③ [ɪd]です。
3)startedは、原形startの語末が[t]であるため、過去形語尾の発音は[ɪd]です。選択肢の下線部の発音はそれぞれ、① [t]、② [d]、③ [ɪd]です。

 

不規則動詞の語形変化

規則動詞に対し、語尾に-edをつけないで〈過去形〉をつくる動詞を〈不規則動詞〉と言いました。不規則動詞は基本的に、その語形変化を暗記することになります。
前回は、中学校英語における代表的な不規則動詞について、その〈原形〉と〈過去形〉を紹介しただけでした。今回は、そこに〈過去分詞〉を加え、1つの動詞について〈原形-過去形-過去分詞〉を1組として、不規則動詞の語形変化を確認します(〈過去分詞〉が関係する文法事項は別記事で解説します)。
この〈原形-過去形-過去分詞〉の語形変化のパターンには、主に4通りあります。それについて、前回挙げた45の動詞を分類し、以下に再整理します。

 

【中学英語】一般動詞の過去形をばっちり理解しよう!-2

 

この表を何度も見直して、必修動詞の語形変化を徹底的に頭に入れておくようにしましょう。

 

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〈過去形〉か〈現在形〉か

 

〈過去形〉は、規則動詞の場合、〈原形〉の語尾に-edがつきます。不規則動詞の場合、先の表のように、さまざまな変化形で表されます。
では、I play the guitar every day.(私は毎日ギターを弾きます。)の動詞playは何形でしょうか。答えは〈現在形〉です。文の内容からもわかりますが、play自体も特に語形が変化していないからです。
次に、Chris plays the guitar every day.(クリスは毎日ギターを弾きます。)の動詞playは何形でしょうか。これも〈現在形〉です。動詞playの語尾に-sがついていることから、この文は、主語が〈三人称・単数〉、時制が〈現在〉と判断できるからです。
そして、Chris played the guitar yesterday.(クリスは昨日ギターを弾きました。)の動詞playedは何形でしょうか。これは〈過去形〉です。動詞playの語尾に-edがついているからです。playは規則動詞です。
さらに、Chris ate too much yesterday.(クリスは昨日食べ過ぎた。)の動詞ateは何形でしょうか。〈過去形〉です。ateはeat(食べる)の〈過去形〉です。eatは不規則動詞です。

それでは、次の①②はどうでしょうか。各々の動詞hitは何形ですか。

 

 ① I hit a double in the last game.(私は前回の試合で二塁打を打ちました。)
 ② I’m a great hitter. I often hit a double.(私は好打者です。よく二塁打を打ちます。)

 

①②共に、動詞hitのかたちは同じです。しかし、①は〈過去形〉で、②は〈現在形〉です。hitは、A-A-A型の不規則動詞で、〈原形〉と〈過去形〉が同じです。つまり、主語が〈三人称・単数〉でない限り、〈現在形〉と〈過去形〉は字面が同じです。そのため、①②の〈時制〉は文の内容で判断しなければなりません。

 

次の③④はどうでしょうか。それぞれの動詞は何形でしょうか。

 

 ③ Chris hit a double in the last game.(クリスは前回の試合で二塁打を打ちました。)
 ④ Chris often hits a double in home games.(クリスはよくホーム試合で二塁打を打ちます。)

 

動詞は、③がhitで、④がhitsです。そして、時制は、③が〈過去形〉で、④が〈現在形〉です。この③④の場合、主語はChrisで〈三人称・単数〉です。したがって、動詞hitの語尾に-sがついた④hitsは〈現在形〉とわかります。しかし、〈過去形〉は、主語の様態(何人称か、単数/複数か)に影響されません。つまり、hitの〈過去形〉は、主語が何であれ、hitなのです。

英文法を学び始めたばかりのときは、〈現在形〉より〈過去形〉の方が明らかに語形が変化するためわかりやすいという印象を持っている人がいるかもしれません。しかし、①~④のようなA-A-A型の不規則動詞の場合、それが〈過去形〉か〈現在形〉かを判断する際に少し戸惑うことがあります。その場合、文の内容と共に、主語のタイプを見極めることで、冷静に判断するように心がけることが大切です。この観点や意識は、その後の英文解釈や英文和訳で大いに効果を発揮します。

 

■ 個別指導塾の基本問題に挑戦!
《問題》次の1)~3)について、(  )に入る適語を選びなさい。
1)These days he (   ) hard every day.
 ① work ② works ③ worked
2)I (   ) a new hat yesterday.
 ① buy ② buys ③ bought
3)She (   ) the dishes on the table last night.
 ① set ② sets ③ setted

 

《正解》
1)② works
2)③ bought
3)① set

《解説》
1)文意は「最近彼は毎日忙しく働いている」です。文頭のThese days(最近)から、時制は〈現在〉と判断できます。主語heが〈三人称・単数〉であるため、動詞は〈現在形〉worksです。
2)文意は「私は昨日新しい帽子を買った」です。文末のyesterday(昨日)から、時制は〈過去〉と判断できます。動詞は〈過去形〉boughtです。
3)文意は「彼女は昨晩皿を食卓の上に並べた」です。文末のlast night(昨晩)から、時制は〈過去〉と判断できます。動詞は〈過去形〉setです。〈過去形〉は主語のタイプに影響されず、しかもsetは不規則動詞で〈過去形〉もsetであるため、注意が必要です。

 

今回は「一般動詞の〈過去形〉」に焦点をあて、〈過去形〉全般を扱った前回に触れられなかった点も取り上げながら、学習内容を深掘りしました。特に〈不規則動詞〉の語形変化を覚えることがポイントです。まずは、前回と今回の記事で紹介した45の不規則動詞の変化を徹底的に頭に入れて覚えることを、お子さんにすすめてください。繰り返し練習して、いつでもすらすらと使える知識になるまで理解を深めておくことが、安定した学力につながります。

実際に英語学習を進めてゆく上で〈過去形〉につまずいて苦手意識を持ってしまった場合、個別指導塾の対策指導で苦手を克服できるかもしれません。決して一人で悩まず、個別指導塾の無料学習相談会などの機会を利用して、ぜひ経験豊富なプロの学習アドバイザーに相談してみてください。

 

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