今回は、〈過去進行形〉について説明します。
〈過去進行形〉は、以前に扱った〈現在進行形〉を過去時制にしたものです。〈現在進行形〉が理解できていると、〈過去進行形〉もスムーズに理解できますので、〈現在進行形〉の回の記事も併せ読みながら、〈過去進行形〉の理解に努めるよう、お子さんに助言してあげてください。
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目次
〈過去進行形〉のつくり方
〈進行形〉は、〈be動詞+動詞の-ing形〉で表します。〈現在進行形〉と〈過去進行形〉の違いは時制だけですから、以下のように基本を整理するとわかりやすいでしょう。
〈現在進行形〉:〈am[are / is]+動詞の-ing形〉「(今)…している」
〈過去進行形〉:〈was[were]+動詞の-ing形〉「(そのとき)…していた」
このように、〈現在進行形〉と〈過去進行形〉の「現在/過去」は、〈be動詞〉の〈現在形〉と〈過去形〉で表します。
〈過去進行形〉の考え方
〈過去進行形〉は〈過去時制〉の1つです。過去の事柄を表す〈過去時制〉には〈過去形〉もあります。
〈過去形〉と〈過去進行形〉はどう違うのでしょうか。
〈進行形〉の考え方
そこで、まず〈進行形〉の考え方について説明します。日本語の例で考えてみましょう。
ア この小説はもう読んだ。
イ この小説を今読んでいる。
ア「読んだ」は〈過去形〉のように感じられますが、このア・イの文は共に「私の読書が現在いかなる状態にあるか」について述べています。つまり、現在の状況を表しているのです。このとき問題になるのは、「その行為が現時点で完了しているか・完了していないか」ということです。完了しているのがア、完了していない(まだ進行している)のがイです。したがって、ア・イを英訳すれば、アは〈現在完了〉、イは〈現在進行形〉で表されます。
ア I have read this novel. 〈現在完了〉※中学校2~3年生の学習内容です。 イ I am reading this novel. 〈現在進行形〉 |
つまり、現時点で完了していない(まだ進行している)行為を〈現在進行形〉で表すのです。このように、〈進行形〉は、「(その時点での)未完了・進行中」が中核となるイメージです。
〈過去形〉と〈過去進行形〉
以上を踏まえ、〈過去形〉と〈過去進行形〉について考えてみましょう。
① He read the novel. 〈過去形〉(彼はその小説を読みました。) ② He was reading the novel. 〈過去進行形〉(彼はその小説を読んでいました。) |
①は〈過去形〉(read)、②は〈過去進行形〉(was reading)が使われた文です。①②は共に「彼の読書が過去のある時点でいかなる状態にあったか」について述べています。①は、(〈完了形〉を用いないまでも)〈過去形〉で表すことで、彼の読書を完結したものとして、あるいは1つのまとまった出来事として提示しています。それに対し、②は、〈過去進行形〉で表すことで、彼の読書を「(その時点での)未完了・進行中」の出来事として提示しています。
ここで注意しておきたいことは、①②において、「彼がその小説を読んだ」という行為自体は、客観的事実として変わりありません。〈過去形〉で表そうが〈過去進行形〉で表そうが、「彼が(例えば昨晩20~21時の1時間)その小説を読んだ」という事実自体に違いはないのです。重要なのは、「彼の(昨晩の)読書」を完結した出来事としてとらえているか、その行為の最中に視線を注いでいるか、という視点の違いです。
③ When I entered his room, he was reading the novel. (彼の部屋に入ったとき、彼はその小説を読んでいました。) |
③は〈過去時制〉の文で、entered(入った)は〈過去形〉、was reading(読んでいた)は〈過去進行形〉ですが、その過去の時点において、I entered his room(私は彼の部屋に入った)は完結した出来事としてとらえられているのに対し、he was reading the novel(彼はその小説を読んでいた)は未完了・進行中の行為としてとらえられているのです。
このように、〈過去形〉は完結した1つのまとまった出来事、〈過去進行形〉はその時点で未完了・進行中の行為を表すと言えます。
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《問題》次の1)~4)を英訳しなさい。 1)彼女は今、テレビを見ています。 2)私はそのとき、新聞を読んでいました。 3)トムは先週、アメリカに行きました。 4)彼らは英語を話していました。 |
《正解》 1)She is watching TV now. 2)I was reading the newspaper then. 3)Tom went to America last week. 4)They were speaking English. |
《解説》
1)「(今)…している」は未完了・進行中の行為なので、〈現在進行形〉で表します。「テレビを見る」はwatch TV、「今」はnowです。
2)「(そのとき)…していた」はその時点で未完了・進行中の行為なので、〈過去進行形〉で表します。「新聞を読む」はread the newspaper、「そのとき」はthenです。
3)「(過去に)…した」は〈過去形〉で表します。「アメリカに行く」はgo to America、「先週」はlast weekです。
4)「(そのとき)…していた」はその時点で未完了・進行中の行為なので、〈過去進行形〉で表します。主語が〈複数〉であるため、be動詞はwereです。「英語を話す」はspeak Englishです。
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〈現在進行形〉の否定文と疑問文のつくり方
〈過去進行形〉の否定文および疑問文のつくり方は、〈現在進行形〉の場合と同様です。つまり、be動詞を用いた文の否定文・疑問文のつくり方に準じます(「be動詞って何?」の記事 を参照)。
〈過去進行形〉の否定文のつくり方
「Xは(そのとき)…していた」を表す肯定文に対し、「Xは(そのとき)…していなかった」を表す文が否定文です。そして、〈過去進行形〉の否定文をつくる場合、否定語not(ない)をbe動詞(was / were)の直後に置き、動詞(V)を〈was[were] not+動詞の-ing形〉のかたちにします。
⑪【肯定文】I was listening to the radio then.(私はそのときラジオを聞いていました。) 【否定文】I was not listening to the radio then.(私はそのときラジオを聞いていませんでした。) ※ I didn’t listening to the radio then.(×)などとしないように注意してください。 |
〈過去進行形〉の疑問文のつくり方
「Xは(そのとき)…していた」を表す平叙文(肯定文)に対し、「Xは(そのとき)…していたか」を表す文が疑問文です。そして、〈過去進行形〉の疑問文をつくる場合、主語の前にbe動詞(Was[Were])、文末に疑問符(?)を置き、文全体を〈Was[Were]+X+動詞の-ing形…?〉にします。
⑫【平叙文】He was listening to the radio then.(彼はそのときラジオを聞いていました。) 【疑問文】Was he listening to the radio then?(彼はそのときラジオを聞いていましたか。) ※Did he listening to the radio then?(×)などとしないように注意してください。 |
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《問題》次の1)~3)は否定文、4)~6)は疑問文にしなさい。 1)We were making a bookshelf then. (私たちはそのとき、本棚をつくっていました。) 2)My father went there yesterday. (父は昨日そこに行きました。) 3)Hiroki was listening to music. (ヒロキは音楽を聞いていました。) 4)He played baseball three days ago. (彼は3日前、野球をしました。) 5)She was washing the dishes then. (彼女はそのとき、お皿を洗っていました。) 6)You were reading a book in your room.(君は部屋で本を読んでいました。) |
《正解》 1)We were not making a bookshelf then. 2)My father didn’t go there yesterday. 3)Hiroki was not listening to music. 4)Did he play baseball three days ago? 5)Was she washing the dishes then? 6)Were you reading a book in your room? |
《解説》
1)〈過去進行形〉の否定文をつくるため、be動詞(were)の直後にnotを置きます。「私たちはそのとき、本棚をつくっていませんでした。」という文になります。
2)一般動詞〈過去形〉の否定文をつくるため、Vを〈didn’t+動詞の原形〉で表します。「父は昨日そこに行きませんでした。」という文になります。
3)〈過去進行形〉の否定文をつくるため、be動詞(was)の直後にnotを置きます。「ヒロキは音楽を聞いていませんでした。」という文になります。
4)一般動詞〈過去形〉の否定文をつくるため、文全体を〈Did+S+動詞の原形…?〉で表します。「彼は3日前、野球をしましたか。」という文になります。
5)〈過去進行形〉の疑問文をつくるため、be動詞(Was)を主語(she)の前に置きます。「彼女はそのとき、お皿を洗っていましたか。」という文になります。
6)〈過去進行形〉の疑問文をつくるため、be動詞(Were)を主語(you)の前に置きます。「君は部屋で本を読んでいましたか。」という文になります。
このように、〈過去進行形〉の文法的な仕組みや操作は、〈現在進行形〉と同じであるため、難しいものではありません。今回は、〈過去形〉と〈過去進行形〉を比較しながら、〈進行形〉の中核を表す「未完了・進行中」というイメージについて触れました。このようなイメージでの理解は、今後学習する〈完了形〉の理解にも役立ちます。このように、イメージによる本質的な理解の大切さを、お子さんにも伝えてあげてください。
それでも、お子さんが実際に英語学習を進めてゆく上で〈過去進行形〉につまずいて苦手意識を持ってしまった場合、個別指導塾の対策指導が役に立つかもしれません。決して親子だけで悩まず、個別指導塾の無料学習相談会などの機会を利用し、ぜひ経験豊富なプロの学習アドバイザーに相談してみてください。
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