今回は、have toについて学習します。
have toは〈have to+動詞の原形〉のかたちで、「…しなければならない」という意味を表します。特に会話ではよく使われるので、ぜひ覚えておきたい表現です。意味だけではなく使い方や発音にも注意しながら紹介していきたいと思います。
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目次
have toの表す意味
まずはhave toを使った例文を見てみましょう。
① I have to go home now.
② You don’t have to see a doctor.
③ It has to be a present for you.
それぞれどのような意味になるか、推測してみてください。
「…しなければならない」
have toは「…しなければならない〈義務〉」、「…しなくてもよい(否定形で)〈不必要〉」、「…に違いない〈推量〉」などの意味を表します。〈助動詞〉の一種と考えられることもありますが、〈主語〉の人称や数によってかたちが変化するなど、willやmustなどの〈助動詞〉とは異なる点があります。しかし文の〈動詞〉と共に用いられ、意味を添える働きをするという点では同じです。
①の例文は、もしhave toがなければI go home now.となり、「私は今家に帰ります。」という意味の文になります。ここにhave toが加わると、I have to go home now.で「私は今家に帰らなければなりません。」という〈義務〉の意味を表します。mustの回 でも述べましたが、いくつかあるhave toの意味からどの意味になるかは、文脈から判断します。
「…しなくてもよい」
②の例文はどうでしょう。see a doctorは「医者に見せる、かかる」という意味です。have toの〈否定形〉はhave not toやhave to notではなく、don’t have toです。〈否定文〉を作るときにdoが必要なのも、willなどの〈助動詞〉とは異なる点ですね。そしてdon’t have toは「…しなくてもよい、する必要がない」という〈不必要〉の意味を表します。You don’t have to see a doctor.は「あなたは医者にかかる必要はありません。」という意味になります。
「…に違いない」
③の例文では、〈主語〉のitが〈3人称・単数〉であるためにhave toではなくhas toが使われています。もちろん、have toがhas toになっても意味は同じです。ここでは「…に違いない」の意味をあてはめて、It has to be a present for you.で「それはあなたへのプレゼントに違いありません。」と訳すのがいいでしょう。have toが「…に違いない」の意味になるとき、文の〈動詞〉は、be動詞であることが多いです。
mustとの意味の違い
have toもmustも「…しなければならない」という意味を表しますが、両者には少しだけ意味の違いがあります。mustは話し手の意志や命令を表し、have toは客観的な義務を表すことが多いのです。たとえばI must go home now.(私は今家に帰らなければなりません。)という文では、「帰らなければならない」のは「話し手(=私)が個人的にそうする必要があると感じているから」なのに対し、I have to go home now.(私は今家に帰らなければなりません。)では「そういうルールだから」あるいは「交通手段がもうなくなるから」などの外的な要因があると考えられます。しかし、mustの回 で述べたように、have toが過去や未来の文でmustの代わりとして用いられることもあります。その場合は意味の違いに関係なくhave toが用いられます。
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《問題》次の1)~3)について、和文に合うように( )に入る適切な語を[ ]から選びなさい。
1)He ( ) do your homework before dinner.(彼は夕食の前に宿題をしなければなりません。)
[can / has to / will]
2)You ( ) tell your age to me.(あなたは年齢を私に言わなくてもいいですよ。)
[don’t have to / must not / won’t]
3)It’s already 8 o’clock. You ( ) leave now.(もう8時です。あなたは出発しなければなりません。)
[have to / may / used to]
《正解》
1)has to
2)don’t have to
3)have to
《解説》
1)「…しなければならない」はhave[has] toで表します。
2)「…しなくてもよい」はdon’t have toで表します。
3)「もう8時だから」などの外的要因があるとき、「…しなければならない」はhave toで表します。
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have toの使い方
これまでにもいくつか述べてきましたが、ここでまとめておきましょう。
ア)〈主語〉の人称や数によって変化する。過去形がある。
mayやwillなどの〈助動詞〉は〈3人称・単数〉の〈主語〉のときでもかたちが変わりませんが、have toはhas toに変化します。過去形はhad toです。
イ)ほかの〈助動詞〉と共に使うことができる。
未来のことを表すときはwillと共に使います。
④ I will have to work hard tomorrow. (私はあした一生懸命働かなくてはならないでしょうね。)
ウ)必ず文の〈動詞〉と共に用いる。
have toのあとの〈動詞〉やbe動詞は、〈原形〉を使います。
否定文・疑問文
②の例文で取り上げたように、have toの〈否定形〉はdon’t have toです。意味は「…しなくてもよい、する必要がない」でしたね。has toの場合はdoesn’t have to、had toはdidn’t have toとなります。
〈疑問文〉でもdoを使い、Do I have to …?、Does he have to …?、Did you have to …?のように表します。次の例文で確認してください。
⑤ Do I have to return this book? (私はこの本を返さなければなりませんか?)
⑥ Yes, you do. (はい、返さなければなりません。)
⑦ No, you don’t have to. (いいえ、返さなくてもいいです。)
have toの発音
もう1点注意しておきたいのが、have toの発音です。haveはふつう「ハブ」のように発音しますが、have toは「ハフタ」のように発音することが多いです。has toは「ハスタ」、had toは「ハッタ」のように発音します。英文を音読するときだけでなく、リスニングの問題に取り組むときにも気をつけたいですね。
■ 個別指導塾の基本問題に挑戦!
《問題》次の1)、2)について、和文に合うように( )に適切な語を入れなさい。
1)He ( ) to help his father’s job.(彼は父親の仕事を手伝わなければなりません。)
2)( ) you have to stay home yesterday?(昨日あなたは家にいなければならなかったのですか?)
《正解》
1)has
2)Did
《解説》
1)「…しなければならない」はhave[has] toで表します。〈主語〉が〈3人称・単数〉なのでhasを使います。
2)過去の〈疑問文〉なので〈Did+主語+have to+動詞の原形…?〉で表します。
mustと似た意味を表すhave toですが、「似ているからどちらかだけ覚えればいい」のではなく、「両者の違いに着目しながら同時にマスターする」のが効率のよいやり方です。
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